予知夢



第3話 予知夢

「うわぁ〜!」
「甘いですよ!これくらい軽くかわしてください!」
「おわ!」
「私がいることを忘れてもらっては困るな主殿!」
「たっ、助けてくれ〜!」

「うわぁ!」
がばっ!
「・・・・・夢か、しかし恐かったな〜。なんか凄くリアルだったし・・・・」
コンコン
「主殿大丈夫か?いきなり叫び声上げて」
「ああ(叫び声を上げたのはキリュウ達の夢のせいだけどな)」
「何かいったか?」
「いっ、いやなにも!(スルドイ!)」
「そうかもう学校の時間だぞ?」
「えっ!?あ〜!!やばい遅刻しちまう!」
俺は光速で制服に着替えて部屋を飛び出した。
バン
「いたっ!」
ドアの前にはキリュウが立っていたためドアがキリュウの顔に直撃した。
「大丈夫かキリュウ!」
「ああ何とか・・・それよりドアを開けるときは言ってくれ」
「ああ、すまない」
「で、急がなくていいのか?」
「んっ?あ〜!!いくぞキリュウ!」
「ああ」
俺はキリュウと家を出た。
「シャオは?」
「用事があるとかで先に学校にいった」
「そうか」
「ちょっと待って下さいよ〜」
「飛欄?お前も学校に来るのか?」
「はい」
「へ〜なんで」
「後で分かりますよ」
「そうか・・・(何か嫌な予感が)」
キーンコーンカーンコーン
「ヤベ予鈴だ!ごめん先にいってるわ」
「分かりました」
ピュウ〜
「足速いですねぇ〜主様」
「私が鍛えてるんだ、あれくらい当然だろう」
「そうですね、ところで例の話ですが・・・・」

場所は変わって教室
ガラガラ!!
「セーフ!」
「どうしたんだ太助、危なかったぞ」
「ああ、少しな・・・」
「そうか?」
教室のドアが開く。
「あんた達早く席に着きなさい!」
「ルーアン先生おはようござます!」
「はいおはよう」
呼一郎の挨拶を軽く返すと朝のHRが始った。
「はい今日は転校生が来ています」
ルーアンが無愛想に言った。
「まっまさか!」
「入ってきなさい」
ガラガラ
「お〜!」 クラス中から声が上がった。
「自己紹介しなさい」
「え〜と、飛欄といいます。皆さん仲良くしましょうね」
俺は一人だけ机にへばりついて言った。
「朝来る時私服だったのに、なんで制服に着替えてるんだ?・・・・・頼むからキリュウのように・・・・(ブツブツ)」
無論誰も聞いていなかった。
「質問いいですか〜?」
「はい、いいですよ」
「まさか太助に呼び出された精霊とかじゃありませんよね?」
男性陣(たかし・呼一郎は除く)視線が一気に俺に向く。
「そうですが何か?」
「またか太助〜!!」
「やっぱり〜!!」
「何でお前の所ばっか来るんだよ!」
「知るか〜!」
「言い訳言うな〜!」
「裏切り者が〜!」
「天誅〜!!」
「助けてくれ〜!」
そんな太助を見て飛欄は言った。
「にぎやかですねぇ」
「にぎやかってあんた、なんでこうなったか分かってるの?」
「いえ、まったく」
「・・・・・(この娘ある意味シャオリンを超えたわね)」
「ボケもここまでいくと才能だな・・・・」
二人の会話を聞いてたかしがぼそっとつぶやいた。
「たかし、そんなことつぶやいてないで助けてくれ!」
「うるさい!助けを求めるなんてまだ反省してないな!」
「否・天誅!」
「うぎゃぁ〜・・・」
「何か聞こえたような気がしたけど・・・まあ、いいか」
そんなこんなで放課後。
「体のあちこちがまだ痛い・・・」
「大丈夫か?太助ぇ」
「見て見ぬ振りしてたくせに何を言うか!」
「はは、すまんマジで見えなかったんだ」
たかしは悪気がなかったようだが、そのとき俺には
殺意と言うものをはっきり感じた。
「それじゃあキリュウ試練をはじめるか!」
「ああ、その前に1つ言っておくが飛欄殿も一緒に与えることになった」
「そうなのか?(ん?どこかでこんなことがあったような)」
「はい、主様の願いをかなえるのならこれが一番いい方法だと思ったもので」
「そうか、よし!それじゃあ始めるか!」
「そうしよう」
俺達は場所を校庭に移動した。
「さて始めましょうか・・・とその前にシャオさん少しいいですか?」 「はい、なんでしょう」
「私の能力は使用回数が決まっているので、主様の治療は任せてもいいですか?」
「もちろんですわ」
「ありがとうございます」
「では始めるとするか。」
「おう!」
キリュウの声に俺は気合のこもった言葉で返した。
「今日の試練は校庭の端から端まで私達の攻撃をかわしながら移動してください」
「わかった」
「それじゃあシャオさん合図お願いします」
「わかりました。よ〜い、ドン!」
その声を聞いた俺は瞬時に駆け出した。
「それじゃあ私から行こう」
キリュウは石を数個投げるとすぐに万象大乱をかけた。
「よっ、ほっ!」
「はぁ〜すごいですねぇ〜」
「私が鍛えているんだこれぐらいは・・・・」
「朝も聞きましたよ?」
「うっ」
「それじゃあ次は私ですね」 そう言うと飛欄は呪文らしき言葉を唱えた。
「『我が周りに荒狂う風達よ我が命によりて彼の者を吹き飛ばせ』風衝波!」
太助をすさまじい風が襲う。
「うわぁ〜!」
「甘いですよ!これくらい軽くかわしてください!」
「そつ、そんな事言ったって。おわ!」
万象大乱で大きくなった石が太助の前に落ちた。
「私がいることを忘れてもらっては困るな主殿!」
「思い出した!これ夢と同じだぁ〜!」
「何を意味分からぬことを言っている!」
「くそっ!負けるか〜!」
太助は再びゴール目指して走り出した。
「風衝波!」
「なんの!」
「くっ、よくかわしましたね。それならこれはどうです?」
「あれをやるのか?」
「ええ、よろしくお願いします。」
「ああわかった」
飛欄は深呼吸すると叫んだ。
「いでよ!風玉!」
飛欄の頭上に風の玉か出てきた。
「万象大乱!」
キリュウの万象大乱でだらに風玉は大きくなった。
「いっ!?」
「行け!風玉!」
ビュウ!
「おわ!」
「次々行きますよ」
「うっ、くっ、ぐあっ!」
風玉の一つが太助に当たった。
「くそっ!」
「頑張ってください太助様!」
「シャオ!よし行くぜ!!」
太助はシャオの声援を受け、再び走り始めた。
「風玉!」
「よっ、と!」
「主様の動きが全然違くなってますね」
「ああ、シャオ殿が見てるからな」
「そうですね・・・・風衝波!」
「なんの!」
そして太助は、見事ゴールにたどり着いた。
「はぁはぁはぁ、よっしゃ〜!」
「見事だ。主殿」
「お疲れ様です」
「さすがに二人相手だと疲れるな・・・・」
「さて、本日の試練はこれでお終いにしますか」
「もうやめるのか?」
「・・・・・・主様今何時か分かってます?」
「えっ?あ〜!もう九時なの〜?全然気がつかなかった」
「それでは帰るとするか、シャオ殿あとで主殿の治療をよろしく頼む」
「わかりました・・・・あ〜!ルーアンさんのこと忘れてました!」
「何!?やばい絶対怒ってるよ!」
「すみません・・・」
「私が調べて見ましょうか?」
「ああ、頼む(結果はわかってるけどな)」
「・・・・・あ〜、相当怒ってますね。玄関で待ってるそうです」
「・・・・・そうか、仕方が無い潔く諦めるか」
「これも試練だ耐えられよ・・・・・」
帰宅後、玄関で待っていたルーアンにこっぴどく叱られ
「ご飯が遅れたのはたー様のせいだから」
といって今度おごる約束をさせられた。
その後、自分の部屋で太助は今朝見た夢を思い出して
「俺ってエスパーかも・・・」
と、独り言を言っていた。

あとがき

予想通りですね・・・
シャオの出番が4・5箇所しかない・・・・
シャオファンの皆さん申し訳ない!
それでは、第4話でまた会いましょう。
  
2003年6月3日アキト作