危険ネ試練(1)



危険な試練(1)



第5話 危険な試練(1)
 
「よ〜し、今日から試練再開だな!」
昨日、開校記念日だし試練も無かったからなのか
俺は何故か無性に試練がしたくてたまらなかった。
「何をそんなに張り切っているんだ?」
「いや〜昨日めちゃくちゃ暇だったからさ〜早く体を動かしたくって」
「そうですか、それは感心しますね」
「そうだな。それより主殿、今日の試練は学校では狭いので遠くに行く事になった。
準備をしてくれ」
「ああ別にいいけどそんな遠くまで行くのか?」
「はい、大体キリュウさんの短天扇でだいたい1時間ぐらいですね」
  「うへ〜そんなに遠いのか」
「大丈夫ですよ。私が風を使ってスピードを早くしますから」
「ふ〜ん・・・・・危なくないよな?」
「気を抜かなければ落ちることはありませんよ」
「気を抜かなければって・・・・」
「これも試練だ耐えられよ」
「仕方が無いか・・・気をつけるよ」
「そうしてください、落ちても私が助けますから」
「頼む」
「分かりました」
「それじゃあ行くか」
「ちょっと待ってて下さい」
ドタドタドタ・・カチャ
「何しにいったんだ?」
「試練だ自分で考えられよ」
「・・・・・」
カチャ・・・ドタドタドタ
「お待たせしました」
「あれ?シャオも行くのか?」
「はい、私が主様の治療を頼んだんです」
「そうなんだ」
「はい」
シャオが笑顔で言った。
「そんじゃあ行くか」
「そうしましょう」
俺たちは玄関を出て目的地に向かった。
ちなみにシャオと太助は軒轅に、キリュウと飛欄は短天扇に乗った。
「うわ〜速いな〜!」
「私の能力を使えばこんなもんですよ」
「飛欄さん、すごいです〜」
「そんなこと無いですよ〜!」
「三人とも、気を抜いてると落ちるぞ」
「は〜い」
こんな会話を交わしているうちに目的地に着いたようだ。
「さあ着いたぞ」
「すげ〜、よくこんなに広い所見つけたな〜しかも山奥なのに」
「ええ、昨日でかけたのはここを探す為だったんですよ」
「そうだったんですか〜」
「にしてもよく一日で見つかったな」
「それは私が森に聞いたらここへ導いてくれたからだ」
「そうか、キリュウって森の木たちと喋れるんだっけ」
「キリュウさんは大地の精霊ですからね」
「ああ、それでは降りるぞ」
その声を合図に俺たちは降りていった。
「ふえ〜上から見ても広いけど実際降りてみても広いな〜」
「それはそうですよ。学校が約4つほど入りますから」
「そんなに入るんですか?」
「ああ、山奥だからな。こういうのがあっても
見つからない場所が意外と多いんだ」
「すごいな〜こんなに広い所が他にもあるんだ」
「さて、お喋りはここらへんにしてそろそろ試練を始めましょう」
「そうだな」
そう言うと今回の試練についてキリュウが説明し始めた。
「いいか、主殿。今回の試練は3段階だ。今日第一の試練と第二の試練を行い、明日第三の試練を行なう」
「その試練の内容は?」
「内容は簡潔に言いますと、第一の試練が気配を感じ取ることを重要とし行なう試練です」
「気配を・・・・感じ取る?」
「はい、これは口で説明するより実際にやったほうが分かりやすいで 説明はしません」
「次に第二の試練は気配を消す試練だ。これも説明するより実際にやったほうが分かりやすい」
「分かった」
「最後に第三の試練、これは第一の試練と第二の試練の応用です。
なので第一の試練と第二の試練が出来ていないと話しになりません」
「そんなに難しいのか?」
「基本が出来ていれば簡単です」
「ふ〜ん」
「以上が説明を終わりにしますが、何か質問はありますか?」
「はい」
「はい、シャオさん」
「あの、今回の試練は太助様が大怪我をする可能性はあるんですか?」
「そのことでしたら心配ありません。今回は風玉をもちいた試練もしますが、
威力はキリュウさんが万象大乱を使わないので前回の三分の一になっています」
「そうですか」
「主様、何か質問は?」
「ああ、大丈夫だ」
「そうですか。ではこれより第一の試練を開始します」
「おう!」
「シャオ殿危ないから下がっていてくれ」
「わかりました」
シャオはそう言うと20Mほど走って移動した。
「それでは行きます」
「来い!」
「まず私がこの様に遠隔操作で主様の周りに風玉を発生させるので気配を読みかわし続けて下さい。
ちなみにキリュウさんも万象大乱で石を大きくするのでそれも同時に避けてください」
「わかった。けど気配を読むってどうやってやるんだよ」
「それは自分で見つけてください!行きますよ!」
「ちょっ、ちょっとま・・・・」
「『風玉達よ我が命によりて彼の者の周りに発生し彼の者を目指して飛翔せよ』
ゆけ!風玉!」
ブォン・・・・ヒュウ!
「くっ!」
「万象大乱!」
ズカン!
「うお!」
「主様!目で見ようとせず感じるんです!」
「んなこといったって〜・・・・うわ!」
「太助様、頑張ってください〜!」
「シャオ!よし、やってやる!」
「お〜主殿がやる気になった」
「やる気になってもらわなくちゃ困るんですけどね・・・・風玉!」
「そうだな・・・万象大乱!」
「よっ、と!」
「主様それでは次の攻撃が当たりますよ!」
「えっ!?うわぁ〜!」
「太助様!」
「くそ!目で見ないで感じるってどういうことなんだ・・・・」
「主殿!いままでの試練を思い出せ!」
「いままでの試練・・・・そうか!」
「何か掴んだようですね」
「ああ、これぐらいはな。問題は次の試練だな」
「ええ、風玉!」
「・・・左だ!」
ヒュウ!
「よし!次は・・・上か!」
ドスン!
「その調子です!次は同時に行きますよ!」
「よし、来い!」
「風玉!」
「万象大乱!」
「・・・上と・・後ろだ!」
ドスン!ズカァン!
「あぶねぇ当たったら危険だな」
「よそ見してる暇はありませんよ!」
ヒュウン!ドス!ドカァン!ヒュウ!
「ふっ!やっ!おっ!てやぁ!」
「やりますね主様。気配の読み方は分かりましたか?」
「ああ、意味がわかったよ!目ではなく気配で感じ取りどこから来るのかを察知する。
かなり難しかったよ!」
「難しくなかったら試練では無いだろう」
「はは、そうだな!」
「では、第一の試練を終了します!シャオさん、主様の治療を・・・・」
「もうすでにやっているな」
「速いですね・・・・」
「ああ、それほど心配してたんだろう」
「そうですね。さて、次の準備にかかりますか。」
「ああ。主殿!10分間の休憩だ。休まれよ!」
「ああ、わかったー!」
「太助様、すごかったです〜」
「そんなことないよ、それにシャオが応援してくれてたからね」
「・・・・はい!」
シャオが嬉しそうに言った。
「さてそろそろだな」
「そうですね」
「主殿、時間だ」
「今行く!」
「太助様がんばって下さいね!」
「おう!」
俺は大声でシャオの応援に答えた。

あとがき

どうも、アキトです。
今回はいい感じでバランスが取れていたと思います・・・が!
すみません!ルーアンさん出番無しです・・・・
これじゃあ、原作と同じで「ルーアン最近出番無い」状態にまっしぐらしてしまいます。
・・・たぶん「危険な試練」シリーズが終わらないと出番は来ないと思います。
勘弁してください!・・・・・では六話「危険な試練(2)」で逢いましょう!

2003年6月23日アキト作