不思議な遺跡



第八話 不思議な遺跡

「と、言うことで次の木曜日は最近隣町の山で発見された遺跡に社会科見学に行くわよ」
ルーアンはクラスの生徒たちにそう連絡を伝えた。
実は最近隣町で遺跡が発見されたのである。
「ルーアン先生、見学許可は取ったんですか?」
たかしは、どうも不安そうな顔をして聞いた。
「失礼ね!ちゃんと取ってるわよ!」
「そうだよたかし君!ルーアン先生に失礼だよ!」
ルーアンと乎一郎がたかしは、そんなに怒ることないだろといって反論した。
「なぁールーアン、それってこのクラスだけが行くのか?」
「違うわよたー様、二年全クラスで行くんだって、あ〜あジャージの奴 うるさいから一緒に行きたくなかったのに〜」
ルーアンは、ジャージの奴休めばいいのにと悪口を言って教室を出て行った。
「太助様、遺跡ってなんですか?」
「そうか、シャオは知らないのか。遺跡って言うのはずっと昔の人が作ったものが現在まで残っているもののことを言うんだ。今回は隣町でそれが見つかったからそれを見学に行くのさ」
太助は簡潔に遺跡のことを教えるとシャオは、そうなんですかぁ〜といって納得した。
「しかし、珍しいよなぁ〜遺跡なんて、ここらにはないと思ってた」
太助は不思議に思っていると飛欄が深刻そうな顔をしているのを見つけた。
(なんでしょう。妙に胸騒ぎがする・・・)
「どうしたんだ飛欄、そんな顔して」
「いえ、何でもありません・・・」
「そうか?」
太助が席を離れると飛欄はキリュウの方に歩いていって話をしていた。
(どうしたんだろう飛欄の奴・・・まっキリュウがいるから大丈夫だろう)
そしてクラスの生徒たちは学校を後にした。
夕刻6:00
七梨家にはたかし、乎一郎、山野辺そしてなぜか他学年の愛原や購買部の出雲という毎度おなじみのメンバーがそろっていた。
「いいなぁ〜私たちの学年はまだ歴史だから遺跡には行けないんですよ〜」
愛原が残念という顔をしていると、たかしが
「まぁ俺たちの学年はたしかに地理なんだが先生がルーアン先生だから 全然進んでないけどな」
それを聞いて乎一郎は、たかし君!と、たかしにむかって怒っていた。
「なぁ出雲1つ質問なんだが、まぁ他学年の愛原はいいとしてなんで お前がここにいるんだ?」
太助が不服そうな顔をして質問をすると出雲はふぁさ〜と髪を押し上げて答えた。
「何を言ってるんですか太助君、私だって購買部で働いてるんだからこの情報を耳に入れてもおかしくはないでしょう?」
太助はそうかぁ?という顔をしていると出雲は
「何ですかその嫌そうな顔は、まぁいいでしょう。ところでシャオさん!」
「はい」
「実は今回の遺跡の社会科見学には私も参加することになってるんですよ」
太助はそれを聞いてなっ!?という顔をして驚いていた。
「そうなんですかぁ〜」
「いや、そんなに普通に・・・」
がっかりしている出雲に向かって愛原が
「あ〜出雲さんいいなぁ〜なんかおみあげ買って来てくださいね〜」
「・・・・・わかりました」
さらに追い討ちを喰らった出雲を見て太助は無残だなと心の中でほんの少し同情していた。
「はっ!そういえば!」
たかしがいきなり大声で叫んだので皆はたかしの方を向いた。
「いきなり大声出してどうしたのさ、たかし君」 
「おお乎一郎、よくぞ聞いてくれた。いいか?この遺跡はいつ発見された?」
「いつって、最近でしょう?」
「その通りだ!!!そしてもう1つ遺跡には何がある?」
「たかしぃ、そんな質問に何の意味があるんだよ」
「太助!今の発言はもっとも愚かな発言だぞ!いいから聞いとけ」
太助は、仕方ないなぁ〜という顔をして黙って聞いていることにした。 「で、さっきの質問だが何がある?」
「なにって昔の物なんかでしょ?」
「ちっが〜う!!乎一郎、いい線行ってたが違うぞ!遺跡といったら宝物だぁ〜!」
「はぁ?なに言ってんだたかしそんなもんあったらとっくにもって行かれてるよ」
「太助ぇ!お前には夢がないのか!もしもの事があるだろ、例えばまだ見つけてない秘密の隠し部屋とか〜実は宝箱の底が二重になってて下に宝があるとか!」
「なるほど野村先輩、頭いい〜!」
「いやぁ〜それほどでも」
「で、宝は山分けですよ?」
「なっ、花織ちゃん・・・・君って奴は」
「何か文句ありますか?先輩が後輩に優しくするのは当然でしょう?」
「わかったよ・・・・・・」
「それでいいんです!」
花織はたかしが折れると嬉しそうに笑いながら言った。
「さて、シャオ今日はもう遅いし私は帰るよ」
山野辺がそう言うとたかし達も、俺たちも帰るといって帰っていった。
「ふう〜じゃあ俺たちも晩御飯にするか・・・って飛欄、どうしたんだ?学校からそんな顔してたけど・・・・」
「いえ、少し・・・・」
「悩み事なら話聞くけど?」
「いえ、大丈夫です。たいした事じゃありませんから」
「それならいいんだけど、何か相談したい事があったらいつでも言えよ?」
飛欄は大丈夫ですよと言ってシャオがご飯を並べているテーブルに座った。
 木曜日 社会科見学当日 AM8:00
太助たちは学校の校庭に集合しルーアンの指令によりたかし、乎一郎、山野辺、飛欄、シャオ、キリュウとで班を作った。
なぜかたかしの傍には愛原がいてたかしに絶対宝を見つけてきてくださいよ!と念を押していた。
「それじゃあ、バスに乗るから班ごとに座って〜」
ルーアンがそういうと皆バスに向かって歩いていった。
「しかし、どんな遺跡なんだろうな?」
たかしが遠い目をしながら乎一郎に聞いた。
「さぁ、でもたかし君が考えているようなものはないと思うよ」
「いや!絶対にある!」
呼一郎の意見に瞬間的にたかしが否定した。
「そう思うなら聞かなければいいのに・・・・」
「まぁそう言うなよ、言っとくが見つかってもお前には分け前やらないからな!]
「いらないよ・・・・・」
乎一郎はたかしの相手をするのが疲れたのかバスに乗るなりいきなり寝てしまった。
なのでたかしは話し相手を失ってしまったので太助に話しの矛先を向けた。
(うう、なんでおれがこんな目に・・・乎一郎は毎回こんな奴の相手をしてたのか)
太助は心の底から呼一郎を感心したかしの話を無視し続けた。
 遺跡到着AM10:00
「やっとついたぜぇ〜!!」
たかしは遺跡に着くなり今にも一人で遺跡に飛び込みそうなので、出雲と乎一郎が両腕を掴んで引きずって戻ってきた。
「はなせぇ〜!俺が見つけなきゃ誰が見つけるんだぁ〜!」
「野村君、そんなものはありませんよ!」
「そうだよたかし君!」
「ないと思うならはなせぇ〜!だが俺が見つけたら分け前はやらんぞ!」
「今君何突っ込んでで行ったらせっかく下りた許可が・・・・」
「それはどういう意味だぁ〜!おれはただ熱き魂の力で宝を見つけようとしてるだけだぁー!」
出雲と乎一郎は押さえつけておくのが無理と思ってたかしを縄で木に縛りつけていた。
太助は何やってんだよという顔をしてあきれてながらもボーっと3人の駆け引きを見ていた。
「さて皆降りたわね、これから一時間自由行動にするから班で遺跡を見学していいわよ
一時間後に遺跡入り口に集合!分かったわね?そして私はたー様と〜!!」
「だぁ〜!離れろルーアン〜!お前は先生なんだからちゃんと平等に〜!」
「ふん!そんなの知らないわよ!たー様は私と二人っきりで遺跡を・・・」
ルーアンが太助を無理やり連れて行こうとしていると後ろからそれを見ていたジャージ先生(本名 後藤源二朗)がルーアンに説教を入れて連れて行ってしまった。
しかしルーアンは、たー様跡で会いに行くから待っててねぇ〜!といっていた。
「さて、それじゃあどうする?」
太助が皆に聞くとたかしが木に縛られたまま当然だろう!という顔をしていった。
「もちろん宝捜しだぁ〜!」
「却下」
「なにぃ〜!そんなに簡単にぃ〜何故却下なんだ!」
「そんなこと許したらお前絶対遺跡を荒らすじゃんか!」
「そんなことはない!おれは熱き魂の叫びにしたがってぇ〜・・・」
そこまで言うと太助が行こうといってい遺跡に入っていった。
たかしはその後、決して暴れないと山野辺に誓い縄を解いてもらい後を着いてきていた。
「はぁ〜、すごいなぁ〜なんか遺跡って言うより神殿に近くないか?」
太助が山野辺に意見を求めると山野辺はさぁ?と軽く無視した。
たかしは山野辺に暴れないと誓ったはずなのに壁を探りながら歩いていた。
「おい野村!あたしとの約束守れよ!」
「分かってるよ!」
(うるせぇ〜な〜宝を見つけたって山分けしてやんねーからな)
と頭には宝しかないのか再び壁を探るのを再開した。
と、そのときたかしは微妙に壁にスイッチみたいなものがあるのを発見した。
(こっこれはもしや!?)
たかしは笑いながらボタンに手を伸ばした。
「開けゴマってなぁ!」
たかしが壁のスイッチを押すと壁が奇妙に光りだした。
「離れてくださいたかしさん!」
「え?っておわぁ〜!!」
飛欄が注意したのも束の間、刹那いきなり床が開いてたかしはそのまま落ちていった。
それを見た太助たちは引き返してきた。
「どうしたんだ飛欄!」
「たかしさんが壁にスイッチらしきものがあるのを見つけてそれをたかしさんが押したら  
壁がいきなり光りだしてそして床が・・・すみません私がついていながら」
「いや、いいんだたかしがそんなもの押したのが悪いんだし」
「ったく野村の奴約束破りやがって・・・・後で木に縛り付けてそのまま放ったらかしにしてやる!」
山野辺が野村へのお仕置きを考えているとしたから野村の声が聞こえてきた。
「お〜い、皆〜降りてこいよ〜いいもん見つけたぜ〜!」
その声を聞いて太助たちは少し安心したがたかしの言ういいものとは何か考えるだけでも不安になった。
「しかたがないですね。太助君降りますよ」
「そうだな、まずは俺たちが先に下に降りるから合図したら来てくれ」 そういうと出雲と太助は床の穴に飛び込んだ。そして10秒もすると降りて来いという合図が来た。
下に降りてみるとそこには何やら五つの札が張ってある石で出来た棺があった。
「ここは一体なんでしょう?」
「さあ、でもうかつにそこらの物に触れると危ないぞ」
「そうですね私も太助君の意見に賛成です」
とその時いきなり飛欄が風陣槍を構えた。
「どっどうしたんだ飛欄?」
「下がってください主様!シャオさんキリュウさん戦闘体制になってください。
飛欄がそういうと同時に何処からともなく、立ち去れ・・・・とかすかに聞こえてきた。
「誰です!」
風陣槍を構えたまま飛欄が姿が見えぬものに話しかけると棺に張ってある
五つの札が光りだした。
しばらくするとそこには五人の男が立っていた
「!?」
「驚くでない・・・我らは遠い昔にここに封印されている魔物の欠片の見張りしている式神・翼王(よくおう)」
「そして私が式神・壁王(へきおう)だ。そしてこの三人は蒼王(そうおう)、碧王(りょくおう)、焔王(えんおう)だ」
いきなり現れた五人のいきなりの説明に太助たちは固まっていたが いち早く元に戻った飛欄が聞いた。
「魔物の欠片?何ですかそれは」
『魔物の欠片、それは今から1900年前この日本に現れた魔物の事』
式神たちは声を合わせていった。
「1900年前の魔物?何でそんなものがこんな所に」
『それは、我らが主が魔物を退治し再び復活しないように魔物をバラバラにして最も霊力の強い日本の各五箇所に封印した。そのうち1つがここだったのだ』
「主?」
『そう、我ら式神を束ねる神・四聖護仙(しせいごせん)様だ。我らが神はその魔物を封印するのが限界で今は眠っておられる、そのため我ら式神が各地の魔物の欠片を見張っているのだ』
太助たちは式神たちの告白に驚いていたまさかこんな所にそんなものが 存在しているとは思いもしなかったのである。
「何故私たちに立ち去れと」
『他のものがこの場にいると封印が・・・・!?』
式神たちが話しているといきなり棺がガタガタと揺れだしたのである。
「くっ、封印が!翼王、彼らを地上に!」
「分かった!さぁ皆この陣に集まれ!」
翼王がそう言うと光の陣が現れた。
「早く!ここは危険だ!」
「でも、翼王さん!」
「いいから、ここは我らが抑える!」
『我が名は翼王、我に与えられし力によりてか彼の者らを地上へ!!』
翼王がそう叫ぶと陣は光り出した、と同時に周りが崩れ始め最後に見たのは棺の中から現れる黒き右腕だった。
 地上遺跡入り口
太助たちが陣によって遺跡の外に出ると遺跡は崩れ出し崩壊した。
生徒たちの非難は全て完了し、あとは太助たちだけだったので、地上に 戻ってきた途端先生たちに引っ張られていった。
「大丈夫か君たち!」
「大丈夫です、でも翼王さん達が・・・」
「翼王?誰だねそれは・・・っ!」
ジャージ先生が太助に尋ねるといきなり地震が起こり遺跡の中から黒いものと五つの光が遺跡から現れ空に消えていった。
「ここは危ない!君たち早くバスへ!」
そうして、太助たちはバスに乗り学校へと帰っていった。
その日の夜 七梨家
太助たちは今日遺跡で見たことについて皆で話し合っていた。
「そんな事があったんですか・・・皆さん無事でよかったです」
「ああ、花織ちゃんマジでやばかったぜ」
「野村ぁなに言ってんだよ!お前があたしとの約束破るからだろ!」
「だって花織ちゃんが宝を持ってこないと恨みます。とか言ってくるからしかたなく・・・」
「私のせいにするんですか!?」
愛原が怒って寄ってくるとたかしは、なんでだぁ〜!と叫んだがおもちゃ攻撃によって気絶した。
「ふぅ、何やってるんですか・・・」
「でも驚いたよなぁ〜まさか1900年前の魔物の欠片なんて・・・・」
「そうだね・・・翼王さんたちだいじょうぶかなぁ〜?」
その場に重い空気が流れ皆しゃべれなくなる。
「・・・・まあ大丈夫でしょう。悩んでいても仕方がありませんしそのことについては後日調べるということで」
「そうだな、じゃあ今日は解散するか」
出雲と太助の会話を聞いてたかしたちは家に帰って行った。
が、飛欄だけはなぜかソファーに座り込んで考え事をしていた。
「どうしたんだ?」
「主様・・・今日あの遺跡で聞いた話、どこかで聞いた覚えがおるような気がして・・・」
「ほんとうか!?」
「ええ、でもまだ曖昧にしか・・・・」
「そうか・・・まぁ考えても仕方ないしな。何か思い出したら教えてくれ」
「わかりました」
「それじゃ、今日はもう休むか。色々あったし」
「そうですね。お休みなさい」
「うん、お休み〜」
太助、キリュウ、シャオ、飛欄はそれぞれ自室に帰っていった。
ルーアンはというと今回のことがルーアンのせいなのか先生方に尋問されていた。
 
あとがき

こんにちは、アキトです。
いや〜今回の作品は少し出来がいいですね。実は書き方を変えてみました。
えーっと、今回の作品は友人のタカシ(仮)が「遺跡でハプニング」
というアイディアを貰い完成させました。タカシ、ありがとう〜<(_ _)>
さて今回現れた式神五人のプロフィールを紹介します。

名前:翼王(よくおう)
年齢:20歳(仮)
身長:168cm
職業:式神
役目:魔物の欠片の封印の監視。現在は封印の解かれた魔物の右腕を追っている。
能力:光の陣を作り一定の量のものを瞬間移動させることが出来る。
髪形等:ロングヘアーの銀色、目は薄い青色 
服装:昔の神官が着ているような服

名前:壁王(へきおう)
年齢:23歳(仮)
身長:172cm
職業:〃
役目:〃
  能力:光の壁を作り自分の周りにいるものを守ることが出来る。
髪形等:ショートの黒色、目は茶色
服装:〃

名前:蒼王(そうおう)
年齢:18歳(仮)
身長166cm
職業:〃
役目:〃
能力:蒼き光により味方の怪我・体力を回復させることができる。
髪形等:ショートの青色、目も蒼色
服装:〃

名前:碧王(りょくおう)
年齢:21歳(仮)
身長:171cm
職業:〃
役目:〃
能力:大地の力を借り相手に幻を見せることが出来る。
髪形等:ロングヘアーの緑色、目は碧色
服装:〃

名前:焔王(えんおう)
年齢:17歳(仮)
身長:167cm
職業:〃
役目:〃
能力:炎を自在に操り最高ではマグマと同じ高熱を作り出すことが出来る。
髪形等:ロングヘアーの赤色、目は焔色
服装:〃

う〜ん、こんな所でしょう。
何か新シリーズ開始!見たいな終わり方だったけどしばらくこの話は置いておきます。
彼らの活躍は又今度見れるでしょう!たぶん・・・(えっ!?)
・・・・・・キリュウ出てない・・・・・ごめんなさい!
では、また9話で逢いましょう!Good Bye See You Again!!

2003年9月7日アキト作