三精霊の墓参り2



三精霊の墓参り2



『シャオの墓参り』
シャオは軒轅に乗って中国の上を飛んでいた。
シャオの下は森になっている。
「うーん、魅花様の家ってここら辺だったはずよね、軒轅?」
シャオは軒轅に聞くと
コクコク
軒轅はうなずいた。
「昔と変わっちゃったからどこに行けばいいんだろう?」
森の上を記憶だけで探していると
嫋。
どこからか琵琶の音が聞こえてきた。
「この音は懐かしい感じ?」
嫋。
嫋。
「これは琵琶の音」
シャオはどこからか聞こえてくる音の方角を探した。
嫋。
「あっちかな?」
シャオは琵琶の音がする方角を決め、その方角に向かった。
「なんか懐かしい曲だね、軒轅」
音がするところに向かっていくと森の一部がなく花畑がありその中心に大きな石がある場所を発見した。
「あれは誰かしら?」
よく見ると石の上に誰かが琵琶を引いていた。
シャオは近くによっていくと少女が琵琶を引いていた。
シャオは声をかけようともっと近くに行こうと思い動こうとすると少女が喋った。
「それ以上動くと私の弦があなたを切り刻みますよ」
女の人がこちらを向いて言った。
その言葉には殺気がこもっていた。
「!!」
シャオの目の前にはいつの間にか弦が大量に張り巡らせていた。
「いつの間に弦が?」
シャオが困った表情を浮かべると
「何だ、仲間ではないですか、今弦を外しますから」
するとシャオの周りにあった弦が消えた。
「ふあーすごいですね」
「それほどでも」
ふと少女は照れた。
そして少女は名を名乗った。
「私は癒治風天、名を鴻安(コウアン)と申すが、あなたは?」
「私は守護月天、名をシャオリンと申します」
二人は自己紹介をして石の上に腰お下ろし話を始めた。
「そういえば、シャオリンさんは何をするためにここへ?」
「お墓参りです」
鴻安はニコッと笑って喋っていた。
シャオもまたニコッと喋っていた。
「そうですか・・・私は一度も考えたことがありませんね」
「私も、今日太助様に言われなかったらお墓参りなんてかんがえていませんでした」
鴻安は太助様と言う言葉にかすかに反応した。
「太助様・・あなたの主様ですか?」
「はい、とってもやさしい方です」
シャオはうれしそうに太助の事を話始めた。
「太助様は私のほかにも慶幸日天のルーアンさんや万難地天のキリュウさんと一緒に生活しています」
鴻安は三人の精霊を呼び出す太助に驚いた。
「すごい主様ですね!!三人も精霊を呼び出すなんて」
シャオは太助がほめられてうれしそうな顔をした。
その時、シャオはある事を思い出した。
「あ!!そういえば、鴻安さんが琵琶で引いた曲どこか懐かしい感じがしたんですが・・・」
「それは先ほど弾いていたこの曲ですか?」
鴻安は琵琶を持つと弾き始めた。


「この曲は私が何代前かの主様と一緒に考えた曲なんです」
嫋。
シャオは何かを思い出したように鴻安に聞いた。
「そのご主人様の名はなんて言います?」
「塁仁栄です」
シャオは驚いた顔をした。
「私の何代前の主様も琵琶を弾き、その曲を弾いていました、私が「何の曲ですか?」と聞いてみると「名前は鴻安塁思、先祖が大切な人と作った大事な曲といっていました」
「弾いている曲の名は鴻安塁思です」
「そうなんですか・・・うれしいな、私の名前を曲の名前に混ぜてくれるなんて」

鴻安の顔は嬉しそうにちょっと照れながら微笑んでいた。
シャオも微笑んでいた。
「早々、シャオリンさん」
「シャオでいいですよ」
その時周りから冷たい風が吹き込んでくると周りには亡霊がさまよってきた。
「この場所は霊が集まりやすいので気をつけてくださいって言おうとしたのですが、遅かったみたいですね」
「??なんで気をつけるんですか?」
シャオは不思議な顔をして鴻安を見た。
「まあ、体と力を欲しがっているようです」
「そうなんですか?」
会話をいている間に亡霊たちは徐々に近寄ってきた。
「では、安らかに眠りについてもらいます」
鴻安はそう言うと琵琶を手に取ると
「癒魂曲、『想』」
と言葉を放ち、琵琶を引き始めた。


すると亡霊たちは動きを止めた。
そのまま引き続けると徐々に姿を消し始めた。
その光景を見てシャオは
「みんな、安らかに眠れてよかったですね」
とつぶやいた。
そして周りをさまよっていた亡霊はみんな安らかな眠りを得て消えた。 「これで少しは救われた・・」
「鴻安さんの力ってすごいですね」
鴻安は顔を赤らめて説明に入った。
「えっと、私の能力と使命を話していませんでしたね、私の使命は主様の命が尽きるまで苦しみや悲しみを癒すことと、疲れた体を癒すことです。
能力はこの琵琶でいろいろな曲で癒します、それと弦を使い、切りたい物(者)を斬ることと盾として防ぐこともできます」
「そうなんですか」
鴻安は空を見上げるともう夕暮れだった。
「それでは最後に一曲」
鴻安は琵琶を弾き始めた。
そして、少したつ頃に不思議なことが起きた。
それは
「小璘」
「魅花様!?」
そこには、少し透けた体の魅花がたっていた。
鴻安は曲を止め、驚きいたがまた曲を弾き始めた。
「小璘、おぬしの声を久しぶりに聞いて、来てしまった」
「・・・・・魅花様」
シャオは涙を浮かべながら言った。
魅花はニコッと笑った。
「小璘、おぬしは今の主はどうじゃ?」
「はい、太助様は優しくしてくれますし、私の・・・守護月天の運命から解き放してくれると言ってくれました・・・だから私も、太助様の心を守る方法を見つけます」
その後、今まで起こったことなど、簡単に魅花にシャオは説明した。
「そうか・・・会えたのじゃな、頼れる主に会えて」
「はい!」
魅花はシャオの手を取った。
「小璘、もう帰らなければならぬ、そしてもう二度と会うことは出来ないだろう」
「そんな・・・」
シャオは涙を流しながら言った。
それを魅花はシャオの涙を手で拭くと
「小璘・・・もう会えぬが、今の主、太助がいるではないか・・・」
「はい」
シャオはニコッと笑った。
「最後にその顔を見れてよかった・・・」
すると魅花はスッと消えていった。
そこ頃のキリュウとルーアンも同じく昔の主に会った。
キリュウの主、飛染はキリュウが見た最後の姿になって表れた。
「キリュウ・・・」
「飛染殿!?なぜ!?」
キリュウは混乱した。
飛染はそっと近くまで寄った。
キリュウは顔を伏せた。
「飛染殿、無理に試練を与えてすまなかった、でも、仕方が無かったのだ、私は、嫌われないとやっていけなかった、親しくなればなるほど、使命を果たす程に近づいて来る主との別れを辛いとは思わなくてすむから・・・」
飛染はニコッと笑ってキリュウの髪を撫でた。
「キリュウ・・。もうあやまることはない、私は、最後の試練を終えて気がついたんだ・・キリュウのおかげで自分の弱さを超えられたんだ・・・だから、もうあやまることはないんだ」
そしてキリュウは飛染に今までの出来事を簡単に説明した。
「キリュウ、君は、良い主に会えたな・・・もし、小璘さんの運命から解き放つことができたらな、君は、太助のそばにいたほうが幸せじゃないか・・・好き嫌いは関係なく、君を必要としてくれた人は今まで太助だけだ、これからも会えるかわからない・・・だからと思って言ってみたが・・・君が決めることだ」
「飛染殿・・・ありがとう、私のために・・・今わからないが、きっとそのときまでに答えを見つける・・・ふっ・・・試練を与えるものがじぶんに試練を与えるはめになるとは・・・」
そして消えていった。
ルーアンの場合も、昔の主にあった。
「ルーアン、あいかわらず元気じゃの」
「な!!なんで、昔の主が!!」
ルーアンは驚いたが少し立つと今までの出来事を話していた。
「ルーアン・・・お主」
「言わなくてもわかっているわよ、たー様が小璘の運命が解き放たれたあと、どうするかでしょ、その時が来てから考えるわよ」
ルーアンは余裕で喋っていた。
「そうか、ルーアンらしい、時間が来た、さらばだ」
そう言って昔の主は消えた。
そしてひと時の奇跡は終えた。
「いったい何が起きたんでしょう?鴻安さん」
「わからない、私の曲になんらかの力があったのか、それとも・・・」
二人は考えたがその理由はわからなかった。
「私も帰らなければな、そうだシャオ殿、あなたの主様の住所はわかるか?」
「はい、わかりますが・・・」
シャオは鴻安に住所を教えた。
「それでは、シャオさん」
「それでは、鴻安さん」
そして、シャオたちの墓参りが終わった。
シャオはその後家に戻り太助たちに鴻安の話をした。
『終わり』


あとがき
この話はパッと浮かんだネタをつなげたらこうなりました。
設定に無理がありすぎたと考えているときに思ったのですが、書いてみました。
感動する話を書きたいのですが、毎回いまいちのできで、この小説は読んで感動できるのかと考える内容でした。
しかも、まだ癒治風天鴻安はまだ試作段階ですが、また出ますのでその時にはちゃんとした設定を書きます。
はぁ、あとがきもよく書けないな・・・あとがきの書き方も勉強しなければ