異世界からの使者




「太助、すまないが戻れるまで、住まわせてくれないか」
「しょうがないな、いいよ」
俺は経緯が経緯なだけに断る理由もなかったから泊めることにした。
「感謝する」
「部屋はどうしましょう?太助様」
「そうなんだよな、明日なら羽林軍に作ってもらえるんだけど」
「リビングで別にいいぞ、それに部屋を作ってもらってもすぐ出て行くかもしれないしな」
「そう言うんなら、リビングでいいか」
俺は別にリビングなら邪魔にはならないしと考えてリビングに寝せることを決めた。
「寝る所も決まったし、寝よう」
「太助様、お休みなさい」
「主殿、お休み」
「主様、お休みなさい」
「たー様、お・や・す・み」
「ぐっすり眠れよ、太助」
そしてみんなそれぞれの部屋で眠った。

バサッバサ・・・
数人の羽の生え頭に光輪が浮いている人達が二枚の羽を羽ばたかせて、とあるビルの屋上に降りたった。
そこの人達を束ねている感じに一人お後輪を浮かべ四枚の羽を広げている女性がいた。
「本当にこの世界に逃げ込んだのだろうな」
四枚の翼を広げている女性が言った。
「はっ、あの娘が使った空間移動を辿りましてここに着きました」
「元々私はあなた達の邪魔をするあいつらを殺すために着たんだから、あとは頼んだわよエンジェルス(天使)、それにあなた達が階級を上げるチャンスでもある事を忘れないでね」
「はっ!!必ずやあいつを!!」
二枚の羽を持つ人達はその言葉を合図に飛び去って言った。
そこには四枚の羽を持つ者だけが残っていた。
「早く会いたいものね、人間界で伝説的力を持ったあいつらに・・・」

そして夜が明け、朝になった。
俺は目を覚まして、リビングに行くとフェルスがコーヒーカップを片手に新聞紙を読んでいた。
「よっ、太助」
「早いですね、フェルスさんは」
「いつも早く起きては訓練をしてるからな」
「太助様、ご飯冷めちゃいますよ」
ふと、台所を見るとキリュウ、ルーアン、フェイ、シャオ、鴻安がテーブルに座っていた。
「珍しいな、主殿が遅く起きてくるなんて」
「そうだな、ファルスさんはそのスタイルからすると朝食は食ってるよな?」
「ああ、先に簡単な朝食を作って食べた」
「そうなんです、太助様、私が料理を作ろうと起きたら食べてました」
「それより食べよう」
フェイの一言で朝食を食べる事を思い出した俺たちは早速食べ始めた。
そして朝食が終わり、シャオは洗濯をして、ルーアンは眠りにつき、鴻安はフェイと一緒にリビングでテレビを見ている、キリュウは俺と試練について話し合っていた。
「なあ、主殿、ファルス殿と組み手をしてみてはどうだ」
「な・・そんな無茶な」
その時ファルスはコーヒーと新聞をテーブルに置いた。
「俺は別にいいぜ、それにちゃんと加減してやる」
と二人に強制的に連れられて、庭に出た。
「私はここで見物させてもらう」
キリュウは木の枝に座って見下ろしていた。
「じゃ、軽く行くぞ」
シュッ
ファルスがパンチをしてきた。
「うわっ!!」
反射的に体をずらしパンチを避けた。
「お、よく避けたな、これなら一般の兵士より強いぞ」
「ふむ、さすがは主殿、私の試練でそこまで成長したか」
「もう、いやだー!!」
ファルスのパンチとキックの軽いコンボ攻撃がどんどん飛んできた。
「なかなか、強いじゃないか、だが問題は攻撃だな」
「ファルス殿、それは私が必要でないから教えなかったのだ、仕方あるまい」
「はぁはぁ」
俺は何とか避け続けたが、もう攻撃がくれば当たるように疲れて動けなくなっていた。
「組み手をさせたのも主殿がどれほど試練で鍛えたかを見たかったのだ」
「そうか・・・なら、俺が攻撃術を教えてやろうか?」
「え?・・・」
するとキリュウが木の枝から下りてきた。
「主殿に攻撃術を教えてはこまるな、ファルス殿」
「なぜだ、キリュウ」
「主殿に攻撃術を教えてどうする積もりだ、ファルス殿」
「自分か友達が絡まれたり、脅されたりした時役立つだろう?」
「ファルスさん、俺は別にそんな力はいらないよ、俺はシャオの守護月天の宿命を解き放つためにキリュウの試練を受けているだけだよ」
「わかった・・・」
ファルスは残念そうにつぶやいた。
妙に物分りがいいのが気になるが・・・
バサッバサ
「何か、大きな羽ばたきが聞こえるような」
俺の重なった影を見て、後を振り向いた。
「覚悟!!」
「うわっ!!」
「ちっ!!ここにまで敵が着たか」
それは二枚の羽を持った男がファルスに剣で攻撃してきた。
「仲間を作っているとはな」
「何者なのだ、ファルス殿!!」
「あれは、天使だ」
「「天使!?」」
ファルス以外は驚いた。
「ああ、天使だ、だがなぜ俺を狙う!!」
「貴様らの国を含むすべての国が聖域に足を踏み入れようとしているのでな、邪魔になるやつを片付けているのさ」
「天使ってほんとにいたんだ」
俺は天使を見て、後は何が出てもおかしくないよなって考えた。
「ここから立ち去りなさい!!」
シャオが天鶏を出していた。
「邪魔をするならお前から殺してやる!!」
天使は翼を広げ、シャオに突進してった。
だが天鶏がシャオの前に出て、天使の剣を溶かした。
「ここから立ち去りなさい」
「ふっ、あくまでも立ち去らせるつもりか」
天使は光の剣を作り出し、シャオに立ち向かっていった。
「ぐはっ!!」
「俺がいる事を忘れるなよ」
後からファルスが殴りつけた。
「ちっ」
天使は地面に這い蹲ると光の剣で攻撃しようとした。
「甘いんだよ」
それを見ていたファルスは天使の頭を思いっきり踏みつけて、次に首を思いっきり踏み天使の首を折った。
そして天使は消えていった。
「殺さなくてもよかったんじゃないのか!!」
俺は天使を殺した事に怒った。
「なら逃がせと言うのか、今度は仲間を集めて俺や俺に関わっているお前達を殺しにくるんだぞ、自分の身とお前達を守るため殺したんだ」 「・・・・」
もう何も言えなくなった。
「武器があればもう少しは楽に戦えるんだが・・・」
「こんな所に武器は無いぞ」
「天使が持っている武器を取るしかないか・・・」
「太助様、どうなさったのですか?」
「俺、部屋にいるから・・・」
俺は部屋に戻った。
部屋に戻った俺はベットに座って呆然としていた。
コンコン
「主殿、はいっていいか?」
「ん?キリュウか、それにフェイも」
「太助、そんなに落ち込むな、仕方がないことなんだから」
「主殿は優しいから仕方ない反応だろうが我々も主殿を守るために敵を殺さねばならない時がでてくる、それをわかってほしい」
キリュウとフェイが慰めに来てくれた。
キリュウは慰めなのかそれともこれから起こる事を覚悟していてくれと言っている気もした。
「ああ、そうだよな・・・」
わかってはいるんだけど、できる事なら殺したくは無いんだ。
「あれ、そう言えばシャオと鴻安とファルスは?」
「ああ、シャオ殿に鴻安殿、ファルス殿はこの家の周りを見回っている」
そして夕方になり、夕食を作るべくシャオが戻ってきていた。
「あれ?シャオ、鴻安とファルスは?」
「鴻安さんとファルスさんは夕食までには戻ると言ってました」
ガチャ
「「ただいま」」
「お帰り、鴻安にファルス」
「お、太助元気になったか」
「主様、付近にいた天使たちは倒しておきました」
そして、みんなテーブルに着いて夕食を食べた。
「それにしてもあの天使達もファルスの世界からなのか?」
夕食が終わり、それぞれ自分のしたいことをしている。
俺はファルスとリビングで話していた。
「俺を狙うから、あれは俺らの世界だな」
ファルスはコーヒーを飲むと
「他にも悪魔がいたな」
「あ、悪魔!!」
俺は悪魔と聞いてびっくりした。
「悪魔と言っても、魔術師が召喚できるくらいだけどな、俺らの国ではないが他の国では主に戦争の前線で戦っている、俺も何度も戦ったことがあるが、さすがに強かった」
「なんか、すごい世界だね」

その頃
どこかのビルの屋上
そこに四枚の羽を持つ天使がいた。
「あいつら以外とやるみたいね」
するとどこからか笛の音が聞こえてきた。
「誰だ!?」
四枚の羽を持つ天使が叫ぶとふっと笛が止んだ
「私はシアース、あなた達はデルゲイツの理想を邪魔するものですね」
ビルの隅の闇からすっと出てきた。
「ふっ、邪魔をしているのはお前達ではないか、欲に溺れる人間どもを殺し、我々が世を正すのだ!!」
シュッ
四枚の羽を持つ天使は剣を抜きシアースを斬った。
「私が月将と呼ばれる理由を知らないようですね」
「なっ!!幻影だと!!」
四枚の羽を持つ天使は手のひらをシアースに向けた。
「シャイニング・レイ!!」
手のひらから無数のレーザーが出てきた。
そしてシアースに向かって飛んでいった。
「消えろ!!」
無数のレーザーは拡散し、細いレーザーが雨のごとくなりシアースを中心とした領域を攻撃をした。
「逃げられはしまい!!」
「それだけですか」
煙の向こうからはシアースが微笑んでいた。
「なにっ!!」
「このぐらいの攻撃で十二将を討ち取る事なんてできませんよ」
シアースは月に向かって手をかざした。
「月よ、裁きの光を」
すると四枚の羽を持つ天使がバリアーを張るが、シアースの周りの空間に無数の球体が出来、無数の球体から光の矢が出てきて四枚の羽を持つ天使の手足に刺さり拘束した。
「中途半端なバリアーを張っても無駄ですよ」
するとシアースの周りにある空間がゆがみ巨大な龍の形をした光がでた。
「闇夜に光る月の光よ、その光で罪を犯した者を撃ち滅ぼせ」
「うわぁぁぁぁ!!」
四枚の羽を持つ天使は飲み込まれ消し去られた。

訪問者
ふう、なんかネタがこんがらがってきたな・・・
「試練だ、ちゃんと完成させられよと言ってみたが」
と言うわけで特になにも無かったのでキリュウさんが来ました。
「間に合わせのような言い方に聞こえるのだが」
気のせいですよ、気のせい
「聞きたいことがあったのだが天龍殿、そもそもこの訪問者は必要なのか?」
ぎくっ・・・
ただ書いてみたかったんだが・・・
「キャラの説明以外になにか書く事があるのか?」
どんどん首を絞められてる感じなんだが・・・
「試練だ、耐えられよ」
しくしくしく・・・
「そうだ、主殿の試練があるのだ、これで帰らせてもらう」
ガチャ
妙な疲れが・・・
まあ、訪問者苦しくなったら説明だけにしようかと迷ってる部分が・・・ほとんど一話から見てもほとんどキャラ説明で終わってるような・・・