い「誰かが最近住み始めたとか?」
FightRPG Dat.9「真実を知る覚悟」
令「それじゃ・・・いくわよ?」
い・れ・ジ「「「はい!」」」
美神のかけ声と同時に、墓場の仕掛けに同時にデスマスクをセットするいちご・れたす・ジルの三人。そして、三人がデスマスクをセットしたその直後!
ばきぃんっ!・・・・どすんっ!!
凄まじい轟音と衝撃とともに、地上へと落下する棺。あまりの出来事にふり返る一行。落下した棺の蓋は開き、中には例の腐った奴の復活版が仰向けの体勢で横たわっていた。
令「・・・これはまた面妖な。」
ジ「気をつけていきましょう・・・。」
棺の中で横たわる腐った奴を警戒しながら奥へと進む一同。と、その時
ガラガラガラガラ・・・どすん!!
散策途中で突如入り口が強固な鉄格子でふさがれた!!慌てて入り口の方へ駆け寄る横島。
横「ダメです!完全に閉じこめられましたっ!!」
い「嘘ぉ・・・。」
令「・・・来るわ!」
入り口が閉まるのを待ってたと言わんばかりに、むくっと起きあがり黄色い息を吐いてジル達を威嚇する。
だが、当然今まで似たような化け物を相手にしているので、当然対処の仕方に関しては熟知している。
ここから先は戦闘シーンを削除してダイジェスト版でお送りします。
まず第一波・・・ミュウレタスのレタスラッシュで壁際へと追いやり、
第二波・・・ジルのグレネードランチャー(榴弾)で足下をふらつかせ、とどめに横島のサイキック・ソーサーで頭部を破壊。おまけで美神が神通棍でメッタ斬り。一気に怪物は沈黙した・・・。
令「作者らしい手抜きな展開だったけど・・・ま、楽に倒せて良かったわ。」
ジ「棺桶の中身はっと・・・オブジェね。なんだか形がアンブレラのエンブレムみたい。」
れ「これに対応する仕掛けは・・・中央玄関裏の鉄格子と納屋入り口付近ですね。個数からして納屋方面の方しか開けられませんが。」
れたすが手持ちのパソコンでマップを見つめながら調べていく。一回調べた部屋の仕掛けの内容は、ちゃんと打ち込まれているからとても便利なのだ。
令「じゃあ次の目的地は中庭ね。・・・ったく、ただでさえ屋敷自体も広いのに中庭まであるなんて、一体どこの誰よ?!こんなだだっ広い屋敷を造ったのは!!」
あまりの洋館の広さについにブチ切れる美神。が、当のメンバーはそんな美神を無視するようにそそくさと先を急ぐ。
令「あ、ちょ、ちょっと!!勝手に置いてくなっつーの(怒)!!」
い「キレるのはいいですけど、先を急ぐって事は忘れちゃダメですよ?」
横「そうそう。いっつもそれで後々めんどい事に”ぼかっ”つほぉ〜っ!!」
神通棍で横島の脳天に唐竹割りを繰り出す美神。つっこむにしてももう少し後先考えろよ。
・・・・・
仕掛けを解いて進む美神達は、現在中庭のはずれの小道を歩いている。
閉鎖された洋館の雰囲気と違い、やっと外に出られたという安堵感からかすこし表情がゆるむ一行だが、
通路のすぐ外はあの腐った犬共の徘徊する地獄の森林地帯であることには変わりはない。
暗く湿った小道を歩いていると・・・
ピピピ!・・・ピピピ!・・・ピピピ!
ジ「な、何この音?!」
横「あ、リチャードから貰った通信機だ。・・・誰からやろ?」
巨大なバッグの中から通信機を取り出す横島。取りだした後スイッチを入れると・・・
バ『・・ジ・ル・・・嬢・・ちゃ・・達・・・森・・小屋に近づ・・・な』
通信機から聞こえてきたのはバリーの声だ。感度が悪いせいか声が途切れ途切れだ。
横島から通信機を取った(奪った)ジルは送信ボタンを押してバリーと連絡を取ろうとする。
ジ「もしもし、バリー!一体何があったの?!」
バ『く・・銃が効・・ない!!・・・鎖・・化け物・・逃げる・・しか・・・』
おそらく大蛇との一戦の時だろう。とてつもない衝撃を受けたらしくこちら側の電波を発する機能が完全に死んでいる。
バリーと連絡を取れなかったのは痛いが、新たな驚異の情報が事前に入手できたのは幸いだ。
令「銃が効かないって・・・一体どんな化け物なのよ?」
ジ「でも、前に進むしかないわ。もしかしたら生存者がいるかも・・・。」
い「じゃ、あたしが行って来ます。ミュウミュウになればスピードでは負けませんから。」
ジ「でも一人じゃ危険じゃないの?それに・・・恐くない?」
い「大丈夫です、もう慣れました。」
横「以外と適応能力高いないちごちゃん・・・。」
洋館につくまではブルブルと震えてた時に比べると凄い進歩である。
・・・結局いちごの案が可決され、彼女一人が問題の小屋方面へと向かう事となり、他のメンバーは小屋周辺の散策を担当することとなった。
もしかしたら生存者がいるかもしれないし、連絡の途絶えたバリーがいるかもしれないからだ。
いちごの現在位置、小屋前の細道・・・。
前日までの雨と今まで辺りを覆っていた霧のせいで地面がぬかるんでいる。すぐそこに押し寄せる恐怖と、地面のぬかるみもあってか彼女の足取りも慎重なものへと変化していった。
い「・・・ああは言ったものの、やっぱ恐いなぁ。」
無理矢理恐怖感を押さえ込んで先を急ぐいちご。そして、そんな彼女の後ろから歩み寄る人影が・・・。
つんつん←いちごの肩をつつく
キッ「やぁいちご、元気してた?」
い「うきゃあぁぁぁぁぁっ!!!!」
凄まじい悲鳴と共に飛び上がり、号泣するいちご。あまりのボリュームの大きさ&結末に少し罪悪感が湧いたキッシュ。
キッ「大きな声出すなよ・・・鼓膜が破れるだろ。」
い「あ、あああんたねぇ・・・ぐすっ・・もう少し状況を・・・ひっぐ・・・考えなさいよ!!」
キッシュの悪戯に本気でマジ泣きするいちご。今まで押さえていた恐怖感が一気にこみ上げてきたみたいだ。
キッ「わ、悪かったよ・・・んで、いちごは何してんの?」
い「あんたこそ・・・”ずびーっ”(←手持ちのティッシュで鼻かんだ)何でこんなとこ(アメリカ)に来てるのよ?」
人と話しながら鼻かむなよ・・・。
キッ「第3話以来出番がなかったから暇つぶしに。」
い「身も蓋もないわねそのコメント。」
確かに・・・。
キッ「ウソウソ・・・本当はここら一帯の調査だよ。何やら怪しい雰囲気漂わしてるからね。」
い「へぇ奇遇ね、あたし達も似たようなものよ。・・・ところでキッシュ、今あんただけ?」
キッ「そうだよ、それがどうかした?」
い「じゃああんたそこら中にいるゾンビとか一人で相手にしてたの?!」
キッ「面倒くさいから会っても無視。」
こういうときだけキッシュの凄さが垣間見えるような気がする。
キッ「ところでいちご、ここから先は僕でも何が起こるか分からない・・・ここは一つ共同戦線といこうじゃないか。」
い「冗談!何であんたなんかと組まなきゃいけないのよ!!」
キッ「じゃあ一人でいくんだね。言っておくけど、こっから先の小屋にはとんでもない化け物がいるんだよ?一人じゃ恐いよぉ〜〜。」
い「う゛っ・・・・。」
確かにキッシュがいればいろんな意味で心強い・・・でもこんな奴と組むぐらいならいっそ・・・
い(あぁ〜〜でも恐いよぉ〜〜!!)
こんな事なら美神かれたすについてきて貰えば良かったと後悔したいちご。もちろん彼女が選んだ道は・・・。
い「分かったわよ・・・一人じゃ不安だし、一緒にいきましょう。」
キッ「さっすが、物分かりがいいじゃんいちご。さ、行こうか♪」
といいつつ、いちごの肩に手を伸ばすキッシュ。すると、いちごが懐から何かを取り出し、キッシュの脇腹にかざした。
い「ちなみに、もし変なまねしたら美神さん特製50万ボルト・スペシャルスタンガンをお見舞いするわよ?」←妖しい笑み
キッ「・・・・・・」
背筋に悪寒が走ったキッシュは、あわてて邪な腕を引っ込めた。
ってなドタバタがあってようやくたどり着いた古小屋・・・。そしてたどり着くなり何か手がかりはないかとガサ入れを始める二人。
お前等・・・それを普通の人様ん家でやるなよ?
暖炉を凝視するキッシュに対し、いちごは小屋の奥を探索していた。
い「キッシュ、こっちはクランクハンドルと訳わかんない家族連れの写真だけ見つかったけど・・・そっちは他に何かあった?。」
キッ「中庭周辺の地図があった。・・・他はめぼしい物は特にないな。」
めぼしい物って・・・コソ泥かあんたわ・・・。
い「・・・どうしたのキッシュ?やけにそこら中キョロキョロ見回して。」
キッ「・・・おかしいと思わないかいちご。」
い「ふぇ、何が?」
キッ「小屋自体には長年人が住んでいた気配はない・・・にも関わらず、暖炉の薪はまだくべられたばかりみたいだ・・・ということは・・・。」
い「誰かが最近住み始めたとか?」
キッ「もしそうだとしたら、もう少し小屋全体を小綺麗にするだろ普通の人間なら。」
い「そうかなぁ・・・・あたしは面倒くさいからそのままにしておくけど?」
キッ「いちご・・・それ思いっきり普通の女の子のセリフじゃない。」
とりあえず、いちごの将来をあんじてツッこむキッシュ。
キッ「・・・僕が言いたいのは、それなりに知能のある化け物がここで生活してるのかもってこと!ゾンビとかとは違った何かがね・・・。」
い「じゃあその化け物が帰ってくる前にとっとと逃げちゃいましょ♪」
そう言うが否や、後ろへと方向変換するいちご。その時!!
がっ!!
部屋に鈍い音が響き渡り、いちごの意識が薄れていく・・・。そう、二人が会話している間に戻ってきていたのだ!ゾンビとは違う優れた知能を持つ怪物が・・・。
体中はすらっと・・・いや、ガリガリに痩せており両腕は拘束具で固定されている。両手首・両足首共に拘束具によってついた生々しい傷跡が目立つ。
だが、どの体の部分よりも逸脱して目立つ部分が一つあった。それは顔・・・いや、もはやそれは人の顔と呼べる状態ではなかった。なぜならその怪物の頭部には無数の人の顔の皮が張り付いており
川の隙間から瞳のない真ん丸の白目が残り一人の目標・・・キッシュを凝視していた。
キッ「いちご!・・いちご!!大丈夫か?!」
い「う・・うう・・・ん・・・・」
肩を揺らしていちごの安否を気遣うキッシュ。幸いにも気絶しただけらしいが、キッシュは今非常に困惑していた。
自分は一人でも瞬間移動ですぐに小屋を脱出できる。だが、いちごを放っておく訳にもいかず、かといって今の自分の力でこの怪物を黙らせ、いちごを連れて小屋を脱出する自信はなかった。
その時、キッシュはいちごがアレを持っていたことを思い出し、懐に手を伸ばす。すると・・・
ばきゃっ!!←いちごの右ストレート炸裂
意識を失ったままでも自分に襲いかかろうとする貞操の危機には敏感らしい。
キッ「だーっ!こんな時でも乙女の純情の方が大事なのかよ!?」
イライラし出したキッシュは、意識を失った状態でジタバタもがくいちごの懐からスタンガンを取りだし・・・
キッ「食らえっ、10万ボルトだピカチュウ!!」
ばばばばばばばば!!!
凄まじい閃光と共に怪物の躯に流される高圧電流。さすがにこれには一溜まりもなかったらしく、怪物はその場に崩れ落ちる。
崩れ落ちてもなお体中から体液を吹き出しながら体力の回復を待つ怪物を後目に、いちごを連れて小屋をあとにするキッシュ。にしても・・・
キッ「お、重!!さては最近菓子の食い過ぎで太ってきたな?」
現在キッシュはいちごを思い切り抱きかかえ・・・いわゆるお姫様だっこの状態だが、彼の体型を見ても分かるように、クリス達のように日頃から鍛えているわけでもないので筋力はそれほどでもない。
しかも、最近お菓子太りが酷いいちごの体重は確実にキッシュの体力を奪っていった。
念のため説明しておくが、上記のセリフは本人が気絶しているから言えることである。もしここで意識が戻っていたら多分半殺し程度ではすまされないだろう。
・・・・一方そのころ美神達はというと?
令「それにしても遅いわね・・・やっぱり何かあったのかしら?」
おキヌ「私、ちょっと様子を見てきましょうか?」
横「大丈夫っしょ?ああ見えてもいちごちゃん強いし。」
令「あんた・・・何も分かってないわね。さっきまで思いっきり怖がってた普通の女の子が急にしっかり出来ると思う?!どう見たって強がってるようにしか見えないじゃない。」
ジ「・・・大丈夫みたいね、あの様子だと。」
ジルが指差した先には・・・いちごを連れて小屋を脱出してきたキッシュが空を飛びながら美神達の方へと向かっていた。
そして、フラフラながらも無事に着地したキッシュはいちごをその場に下ろしへたり込んだ。
キッ「ふぅ〜〜・・・重かった。」
令「あんたは・・・前(第3話参照)に現れたエイリアンの一人の・・・。」
キッ「キッシュだよ、おねーさん。見ての通り、いちごは無事だよ。ただ頭をちょっと打たれたから今は意識はないけどね。」
キッシュは小屋で起きた出来事を全て美神達に話した・・・。
令「そう・・・でもま、彼女が無事だったから良しとしましょう。ところであんたはこれからどうするの?」
キッ「僕はまだ個人で調べることがあるし、当分別行動を取らせてもらうよ。それに、僕があんた達と行動してたら今度こそ殺されかねないし・・・。」
否定できない故に何も言い返せない一行。全てを言い終えるとキッシュは瞬間移動ですぐさまその場を去った。
ジ「さて、いちごのおかげで中庭から先に進めそうね。れたす、ここから先はどうなってるの?」
れ「そうですねぇ・・・中庭を経由して寄宿舎の方へと向かえそうです。もしかしたら何か手がかりがあるかもしれません。」
令「じゃあ次の目的地は寄宿舎ね。横島クン、いちごちゃんをおぶって。」
横「へぇい。」
嫌々ながらもいちごをおんぶする横島。ちなみにこのとき荷物持ちはおキヌに交代。
新たなる驚異に身震いしながらも脱出を心に誓って先を進む一行であった・・・。
続く
あとがき
最近出番がないのと、後の説得イベント(SRW風に)のためにキッシュを出しておきました。
何故かいちごと絡むとギャグキャラになってしまうが、一人なら一人前の戦士。
キッシュがアークレイ山地で何を調べているのかは後々と言うことで・・・。