FightRPG Dat.16「呪われし炎」
 
 
まず皆さんにお詫びを申し上げなければなりません・・・。当初このSSは正月前後の時期設定で書き始めましたが、
 
ご存じの通りすでに正月を通り過ぎ、現在初夏へと向かわんとしているとき。
 
てなことで、今更ながらSSの季節を本来の季節とリンクさせながら書くことにします。ご了承ください。
 
 
 
とりあえず本編・・・。
 
 
ざ「あ・・・あなたは・・・・?」
 
柳「私は、佐古下柳・・・。あなた達と同じ理由であの人、紅麗に連れてこられたの。」
 
み「紅麗ですって?!」
 
柳の口から飛び出した人名に驚きを隠せないみんと。こいつはホントに顔が広いな・・・。
 
柳「知ってるの、あの人のこと?」
 
み「藍沢家をもしのぐ『森財閥』の総帥、森光蘭の一人息子ですわ。・・・うさんくさい雰囲気満々の親子としても結構有名ですのよ?」
 
歩「みんとのお姉ちゃんはその紅麗のお兄ちゃんに会うのは初めてなのか?」
 
み「実際に姿を見たのは初めてですわ。あんまり人前に姿を現す方ではありませんの・・・。」
 
戦闘時の紅麗の表情を思い出しながら考え込むみんと。
 
 
ざ「じゃあ・・・佐古下さんだっけ?あなたはどうしてここに連れてこられたの?あたし達はそれ相応の理由があるけど・・・。」
 
柳「・・・こういう事です。」
 
柳がざくろの方に腕をかざし、目を閉じて何やら念じ始めた・・・。そして、彼女を淡い光が包み込み、それに伴ってざくろもその光に包み込まれる。
 
 
ざ「暖かい光・・・ね。」
 
ざくろの身体を包み込む優しい光が彼女の傷を癒していく・・・。数十秒後には完全に傷は消えてしまっていた。
 
 
柳「私・・・生まれついてこんな力があったんですけど・・・森光蘭が『お前が不老不死の鍵だ』って言ってたらしくて。」
 
歩「不老不死?仙人にでもなりたいのか?」
 
み「・・・・歩鈴、例えが間違ってる上に話が脱線しますわよ?」
 
とりあえず冷静に突っ込んでおくみんと。
 
 
ざ「ま、詳しくは後で紅麗の方から喋ってくれるんじゃないかしら?あなたは自分の能力のことについては何も知らないのでしょ?」
 
柳「は・・・はい、恥ずかしながら・・・。」
 
ほほを赤く染めてうつむく柳。
 
 
ざ「とにかく、助けを待ちましょう。・・・多分フィリアさん達も動き出した頃だろうし・・・。」
 
監禁室に唯一存在する小窓から外の景色を見つめるざくろ。その一方で・・・
 
 
柳(烈火くん・・・無理しないで・・・・。)
 
 
 
一方、屋敷(玄関)へと進んでいるフィリア達は・・・。
 
 
フィ「やけにあっさり通してくれたみたいだけど・・・何企んでるのかしら?」
 
セ「屋敷に入っても大して抵抗も見られませんし・・・。」
 
香「ってか、本当にこの屋敷であってるの?」
 
烈「あんた等が強すぎるだけなんだよ。」
 
 
一応、それ相応の抵抗はあった。SPの皆さんや地雷・ブービーとラップの数々。が・・・
 
相手が悪すぎた。
 
 
SPの皆さんはフィリア・セリカの連携攻撃で全員K.O.だし、地雷等は香澄が難なく除去しちゃうし・・・。
 
風(さすがGSのアシスタントをしているだけあっていろんな面で常人離れしてるわね。)
 
正確には香澄はGSのアシスタントはしていないが・・・。
 
 
土(やっぱGSのおねーさんってこんなんばっかなのか???)
 
あがなち否定は出来ない。特に美神。
 
と、屋敷に侵入してある程度歩くとフィリアが突如歩みを止めた。彼女の視線にあったのは一つの女性像・・・。
 
 
フィ「・・・何これ?」
 
セ「今度こそ歯ごたえのあるトラップだといいですねぇ、香澄さん?」
 
何故か香澄に振るセリカ。もはやトラップ解除は香澄の専門分野と化してしまったようだ。
 
烈「こんな人形に構ってる暇はねぇ。とっとと行くぞ!」
 
烈火が先を急ごうと足を踏み出したその瞬間!!
 
 
しゅびゃぁぁぁっ!!
 
 
像の口部から放たれた一線のレーザービームが烈火のすぐ左2mm手前をかすり、そのまま一直線に進んでいった。
 
当然レーザーで真っ二つにされかけた烈火は『何じゃこりゃ?!!』と言わんばかりの形相で驚いている。
 
『いかがかな?我が屋敷の番人〈マリア〉のレーザビームの威力は?』
 
突如玄関内に響く男の声。しかし、烈火本人はこの声に聞き覚えがあるようで・・・
 
 
烈「手前ぇが紅麗か・・・。」
 
紅麗『その通りです・・・。迂闊に動かない方がよろしいですよ?マリアはわずかでも動く物体には過剰に反応しますから。』
 
フィ「ちょっとでも動こうものならさっきのレーザーでスパッと真っ二つ♪って所かしら?」
 
紅麗『左様です・・・。マリアを破壊しない限り、そこから先へと進むことは出来ません。・・・最も、動けば結果はどうなるか目に見えてますがねぇ・・・。』
 
 
セ「それだったら私に任せてくださいっ♪とっておきの技がありますから!!」
 
紅麗『ほう・・・それは見物ですねぇお嬢さん。では、あなた方が彼女を破壊できることを楽しみにして待ってますよ・・・。』
 
 
余裕のありそうな含み笑いを残して、紅麗のアナウンスが止まる・・・。その直後始まる作戦会議では、言い出しっぺのセリカを筆頭になにやら相談が繰り広げられていた。
 
烈「どうすんだよセリカ!ああは言ってもあのレーザを避わしながら人形をブッ壊すって至難の業だぞ?!」
 
セ「心配いりませんよ。必要な物は香澄さんが持ってきた水筒(ペットボトル2L)と風子さんのアイスピックだけですから。」
 
香「水・・・アイスピック・・・・あぁ、なるほどね。」
 
フィ「でも、一歩タイミングを間違えれば全員レーザーの餌食よ?ぶっつけ本番でそんなこと出来る??」
 
フィリアの警告にも全く動じる気配のないセリカ。どうやらこの作戦によほど自信があるのだろう。
 
その後、周りに聞こえない程度の音量で作戦の内容を伝えるセリカ。メインで動くのがセリカ・フィリア・香澄・風子の4人となっているため、
 
烈火・土門の二人は実質出番ナシ。ってなことですべてを彼女たちに託す事にした。
 
 
セ「それじゃ・・・行きますよっ!!名付けて作戦名は・・・
 
フィ・香「「『会ったその日から意気投合♪女の子は清純で強いから「だるまさんが転んだ」なんて目じゃないのよ』作戦!!」」
 
・・・何だか聞いてて舌噛みそうな作戦名だが、当の本人達はそんな気配を見せることもなく、計画の第一段階へと移行していった。
 
 
セ『まず、香澄さんの水筒の中の水を私の獅龍剛炎拳の技で周辺にまき散らせます・・・。』
 
 
香「そぉーれっと♪」
 
セ「地裂・爆砕轟拳!!」
 
ごぱぁぁぁんっ!!
 
セリカの拳から放たれる氣の固まりが地中で爆発・拡散して水筒を直撃して辺りを水蒸気で包み込んだ。
 
当然、この動きに石像の番人「マリア」も反応し、レーザのエネルギーを溜めて発射する!!
 
 
しゅびゃぁぁぁっ!!
 
 
しかし、レーザのエネルギーは烈火達を覆う水蒸気の壁に阻まれその効果を激減させられた。
 
セ『するとマリアのレーザは撒き散らされた水蒸気でその効力を失うことになります。その後に・・・』
 
準備を完了していたフィリアが最初に必殺技、マシンガン・ヴァレットを繰り出し、それに機動を会わせるように風子も同時攻撃でアイスピックをマリアの方角目掛けて投げつける!!
 
 
どどどどかぁぁぁん!!
 
 
レーザのエネルギー充電に時間を要したマリアはフィリア達の波状攻撃に為す術もなく沈黙・・・。それっきりレーザーを撃ってこなくなった。
 
 
烈「・・・ひゅう♪まさかこんな大胆な手を思いつくなんてな。やるじゃねーかセリカ。」
 
セ「ホントに上手くいくかどうかは賭でしたけど・・・ま、これが女の子の実力ってヤツです☆」
 
沈黙したマリア像を見つめ、烈火とセリカが呟く。
 
土「つか像の欠片すら見あたらねーよ。一体誰だよここまで砕いたの?
 
確かに土門の言うとおり、マリア像は欠片・・・というよりも完全に粉末状になってしまっている。確かにこれはやりすぎだと思う。さて、犯人は一体?!
 
フィ「・・・・・・」
 
ゆっくりと手を上げるフィリア。
 
烈「恐えぇ・・・。ストレス溜まってたんスか?」
 
ストレスの発散先となったマリア像に同情しながら合唱する風子・セリカ・香澄の三人。悲しきかな、頭のフィリアは恥ずかしながら充実感に満ちあふれた表情をしている。
 
烈「・・・・何があってもフィリアさんは怒らせないようにしておこう・・・。」
 
 
 
再び囚われのお姫様達の視点・・・。
 
 
柳「・・・・うぅ・・・寒い・・・。」
 
み「大丈夫ですの?」
 
歩「ひどく震えてるのだ・・・。」
 
ざ「・・!かわいそうに・・・きっと紅麗に服を燃やされたのね。みんと、歩鈴、あたし達の服を少し貸してあげましょう。」
 
み「そうですわね。じゃあわたくしはこのロングコートを。」
 
歩「歩鈴は靴なのだ♪」
 
ざ「じゃ、あたしは・・・・」
 
などとやりながら三人はほぼ全裸の柳のために様々な試行錯誤を繰り広げていた・・・。そんな彼女達が閉じこめられている部屋のドアに近づく人影が・・・
 
 
???「ちぃーっす♪晩飯持って・・・きたよ・・・・・って・・・・・・。」
 
 
 
小さいコブ二つ・・・いや、四つか?ヒゲとボインの自主規制・・・あぁ・・・・思いっきり書けないのが辛いなぁ(作者談)。
 
 
めきょりっ←作者の前頭葉に一同のマッハキックが炸裂。
 
み「こんのバカ作者!!このSSをR指定にするつもりですの?!」
 
ざ(見られた・・・見られてしまった・・・・・。)
 
歩「しかも二人いっぺんになのだ〜。」
 
 
いや、原作でもあるんだよこのチョイネタ。あなた達はたまたま巻き込まれた訳でね・・・僕には罪はない!!
 
柳「えっちぃ〜〜!!!」
 
今まで羽織っていた布きれを巻き寄せて慌てて胴体を隠す柳。だが、時既に遅し。監禁部屋に進入してきた少年にモロに着替えを目撃された。
 
 
み「あなたもあなたですわっ!!女の子の部屋にはいる時にはノックぐらいするのが礼儀じゃなくて?!」
 
???「あ・・・いや、その・・・・ごめん!!まさかこんな事になるなんて・・・思ってなかったから・・・・。」
 
柳「まだ烈火くんにすら見せたことないのにぃ〜〜(涙)!!」
 
み・歩・ざ「「「!!!!!!??」」」
 
みんと達はある意味ヤバ目の爆弾発言にのけぞるような形で驚いた。
 
 
歩「そういえば、お兄ちゃんは何しに来たのだ?ホントに覗きとかじゃないのか?」
 
少年は思い出したように側に置いてあった風呂敷から何やら取りだした。・・・おにぎり(コンビニ版)だ。
 
???「あ・・・その・・・・おなか減ってると思って・・・・・。」
 
少年に渡されたおにぎりを見つめしばらく黙り込む一行・・・そして・・・・・。
 
 
歩「・・・おいしいのだ♪おかわりあるのか?」
 
み「歩鈴、図々しいですわよ?!」
 
ざ「・・・・・・おかわり(ポッ)。」
 
み「・・・・・・・。」
 
 
瞬間湯沸かし器のように真っ赤になるざくろ、そして彼女の意外性に驚くみんと。まぁ無理もないっちゃ、無理もないが。
 
???「あっははははっは!!面白いねぇお姉ちゃん達!!」
 
み「お姉ちゃん達って・・・わたくしと同い年くらいに見えますけど?」
 
薫「まあね・・・。オレ小金井薫。13歳だっ♪ヨロシクね!!
 
 
 
続く
 
あとがき
 
ちょっとスレスレの線で攻めてみました。第4話以来こういうネタから遠ざかっていたざくろに愛の手を!!←違