FightRPG Dat.17「人は偽物、偽物は人。」
 
 
柳・みんと・歩鈴・ざくろの4名が紅麗に拉致されてから早5時間が経とうとしていた・・・。
 
無論彼女達の救出にやって来た烈火達は屋敷内を突っ走って柳達の居所を捜索する。
 
 
そんな時・・・・
 
 
手下A「紅麗様、例の物が準備できました。いつでも良いとのことです。」
 
紅麗「そうか・・・では彼女達にも一役買って貰うとしよう。準備させろ・・・無論、この侵入者達も手厚く歓迎してやれ。」
 
手下A「はっ・・・。」
 
 
 
それからそれから・・・囚われのお姫様よろしく柳達はどうしてるかというと?
 
 
ざくろを除く3人「「「ブン・ブン・ブブブン♪♪」」」
 
 
 
よりにもよってソレ(数取りゲーム)ですか。
 
 
柳「異常人♪」
 
ざ「ぶ・・ブンブン・・・」←テンション↓
 
案の定ざくろはテンション低いし。
 
ざ「ひ・・・一人・・・ブンブン・・・・美神さん」
 
 
3行前に同じ「「「ブン・ブン♪♪」」」
 
あえて異常人に繋がる言葉が美神であることには突っ込まないみんとと歩鈴。
 
歩「32人!なのだ!!」←テンション↑
 
 
数字が一気に吹っ飛びすぎてるぞ歩鈴。
 
3行前に同じ「「「ブン・ブン♪♪」」」
 
柳「烈火くん♪」
 
 
以下省略
 
 
ソレカラソレカラ・・・
 
 
ざ「さ・・・102人・・・・。ねぇいい加減この遊び止めない?とてもじゃないけどさっきから笑えないモノばっか出てきてない?
 
どうやったら102まで行けるのかが疑問だが、ざくろの言い分も最もである。
 
上の方には書いてないが、キメラアニマの命日とか美神の脱税の回数とか作者(takku)が今までに妄想でほくそ笑んだ回数とかそりゃもういろいろと・・・。
 
み「とは言っても、ここまできたら引き下がれませんわよざくろお姉様。ブンブン♪
 
歩「おひねり(←小遣いのことらしい)!なのだ♪」
 
再び同じ「「「ブンブン♪」」」
 
柳「103円♪」
 
安い額やなぁ・・・。90年代前半なら100円アイスがちょうど買えたが今ではチンケな駄菓子くらいしか買えない。
 
薫「・・・・お姉ちゃん達何やってんの?」
 
み「『数取りゲーム』ですわ。ブンブン♪グ○コのおまけ♪」
 
薫の問いに何の問題もないかのようにフツーに答えるみんと。つかなんつー庶民的なお題だ。
 
 
柳「こないだTVでやってたんだけど、ハマると面白いんだよぉ?」
 
ざ「ぶ・・・ブンブン・・・・110体。
 
薫「それどんなオマケだよざくろ姉ちゃん?」
 
「体」というからには、人間と同じ背丈を誇るのかそのオマケは。
 
・・・・その時点でオマケではなくなってるような気が・・・。
 
 
 
一方そのころ、フィリア達は・・・?
 
 
セ「扉・・・ですね。」
 
香「気をつけて、何が待ちかまえているか分からないわよ?!」
 
烈「気にするこたぁ無ぇ。邪魔するならぶっ飛ばすまでだ!!」
 
風「おぉ・・・こわこわ。んじゃま、開けるよ?」
 
風子がゆっくりとドアノブに手を伸ばし・・・そしてノブを回す。
 
 
フィ「な、何コレ?!」
 
香「マ・・・マネキン部屋?!この量はちと異常じゃない!!?」
 
部屋に入るなり、おびただしい数のマネキンが所狭しと鎮座している。その中に一際目立つ存在が一つ・・・。
 
 
女性?「フフフ・・・・ようこそ、私のユートピアへ。」
 
烈「何者だお前は・・・?紅麗の手先か。」
 
零蘭「いかにも・・・私の名は形代麗蘭、紅麗様直属の暗殺舞台の一人。」
 
フィ「んなら話は早いわ。ブッ潰す!!
 
零蘭「うふふふふ・・・・・楽しみねぇ。あなた達はどこまで頑張れるかしら?」
 
 
いかにも余裕しゃきしゃきといった感じで微笑を浮かべる麗蘭。すると背後から人の気配が・・・
 
 
???「男二人に女四人・・・。何なら力を貸しましょうか?麗蘭・・・。」
 
零蘭「!ジェリー・・・あなたいつの間に?!」
 
ジェリーと呼ばれたその女性・・・下半身まですらっと伸びた、暗い紫のロングヘヤー。きりりとした目つきに深々とした青色の瞳。
 
明らかに麗蘭とはかけ離れた次元の存在に見える。
 
 
麗蘭「あなたは下がっていなさい!あれ(烈火達を指差しながら)は私の獲物よ!!」
 
ジェリー(以下ジェ)「はいはい。・・・それとあなた達、いいこと教えてあげましょうか?」
 
風「いいこと?・・・何で敵のあんたが教えてくれんの?」
 
ジェ「ちょっとしたゲームよ。・・・いい?マネキンはあくまでマネキン。生き物にはなれない。・・・よく意味を考えておくのね。」
 
香「は?・・・それが『いいこと』?」
 
零蘭「ジェシーっ!!!!!」
 
何故か今の一言で大きく動揺してしまっている零蘭・・・。
 
フィ「・・・まぁいいわ。あんたのその言葉、心に留めておく。」
 
烈「勇者は今の言葉を深く心の中に刻み込んだ。」
 
ばこっ!!
 
フィリアはヘルヴァイパーの銃身部分で軽く烈火の頭に一発叩き込む。心なしか烈火の方は妙にニヤけているが。
 
 
フィ「変なナレーション入れなくてよろしい。」
 
烈「ふぁい・・・・。」
 
セ「それじゃ、とっととやっつけて先を急ぎましょうか!!」
 
言ってお手製のグローブを装着して構えをとるセリカ。そのほかの面々も戦闘態勢に入る。
 
が、一方の零蘭の方は・・・全くのノーガード状態。構えも何もないポーズでフィリア達を凝視している。
 
 
烈「なめてやがる・・・・としか思えねぇな。バカにしてんのかこの野郎ッ!!
 
零蘭「これは予告よ。・・・あなた達では私を倒すどころか傷付けることすら出来はしない。ウソだと思うんならやってみなさい。」
 
セリカ「そのセリフ、後悔させたげますよっ!獅龍剛炎拳地の撃・・・四の型・・・・・・翡翠弾っ!!!
 
自らの拳にありったけの氣を凝縮し、そのままセリカは光弾として零蘭に投げつける!
 
ちゅずどかぁぁぁぁぁんっ!!
 
光弾がはじけると同時に爆風によって、部屋を小さな塵が舞って視界を遮る。
 
それと同時に、香澄はアサルトライフルの弾を装填し、風子も愛用のアイスピックを構えて・・・
 
 
香・風「「連撃・ダブルスパイラルッ!!!!!!」」
 
二人の放ったアイスピックと5.56mmNATO弾の嵐が、宙を舞う埃の中心部へと一直線に向かって行く!!
 
ばたらららららららら!!
 
 
香澄達の攻撃によって再び多くの塵が舞い上がり、部屋の視界がさらに悪化する。
 
風「・・・ちょいとやり過ぎたかな?」
 
フィ「ちょっとまずいわよ!これじゃ敵の動きが見えないじゃない!!」
 
時既に遅し。辺りに立ちこめる埃に乗じて気配を完全に断つ零蘭。そして・・・
 
ずばっ!!!
 
フィ「あぐっ!!」
 
烈「フィリアさん!どうしたんすか?!」
 
フィ「ぐっ・・・・足を、斬られた。傷は浅いと思うけど・・・うまく立てそうにもないみたい。」
 
土「野郎、調子に乗りやがって・・・隠れてねぇで正面からきやがれ!!」
 
 
零蘭『あら、それならあなた達も一人で戦うのね。どう見たってあなた達の方が卑怯じゃなくて?』
 
どこからともなく響いてくる零蘭の声。どうやらあっちこっちを移動しながら喋っているようだ。
 
 
セ「仕方有りませんね・・・風子さん、私達で何とかしましょうか。」
 
風「さんせー。敵さんもちょうど二人みたいだしな。これで対等(イーブン)だろ?」
 
土「え・・・?二人いんのか、風子??」
 
風「当たり前じゃん。気配くらい読めるようになっとけよ土門。」
 
 
二人の言う通り、僅かにはれてきたモヤの奥から一人の少女・・・・・のマネキンが姿を現す。
 
零蘭『その子はプリメラ・・・私の可愛い娘よ。』
 
 
烈「へっ、蛙の子は蛙、マネキンの子はマネキンってワケか。ワンパターンな奴らだぜ!!」
 
フィ「じゃあ、さっきあたしの足を斬ったのはこの子だったのね。」
 
零蘭『プリメラは小さいから・・・心臓を狙っても手元が狂っちゃうのよねぇ。さっさと殺してあげたいけど我慢して頂戴。』
 
 
フィ「いたぶりながら息の根を止める・・・サディストぶりも結構なもんじゃない。」
 
 
かなり狂気に満ちたセリフをさらっと言いのけてしまう零蘭に毒づくフィリアの一方で、笑みが浮かぶセリカ。
 
セ(ふぅん・・・・プリメラか。何となくあの女の人の言ってたこと、分かっちゃった気がする。)
 
風「どうしたセリカ?ニヤニヤして・・・。」
 
風子の問いにも笑顔で答えるだけで、何も答えようともしないセリカ。そして、笑みを浮かべたままプリメラの方へと歩み寄る。
 
セ「獅龍剛炎拳・・・・絶の撃・・弐の型・・・・。」
 
零蘭『っ!!プリメラ、その娘を殺しなさいっ!何をする気かは知らないけど迂闊に近づくとどういう事になるか教えてあげなさい!!』
 
 
零蘭の命令と同時にその手に握る剣を再び構えるプリメラ。だが、セリカの方は全く動じる気配も見せずにどんどんとプリメラとの距離を縮めていく。
 
そして、ついにプリメラの剣の射程内にセリカが入り込んだ・・・その時!
 
ぶぉうんっ!!
 
勢いよくその刀身がセリカの腰目掛けて空を裂く!が、
 
がきゃぁん!!
 
プリメラの剣は、セリカの身体を切り裂くどころか傷付けることも出来ずに、肌の表面でその動きを止める!
 
 
セ「羅刹・金剛装(らせつ・こんごうしょう)!!!」
 
こうなればあとは体格の問題。まるっきり子供の背丈のプリメラではセリカの腕力に対抗できるはずもなく、
 
セリカにあっさりと剣をはじかれ・・・
 
どむっ!!
 
 
鈍い音と共にプリメラの腹部にセリカの拳がめり込む。と、その直後・・・・
 
プリメラ(?)「いったあぁぁぁぁいっ!!」
 
 
どうにも矛盾する叫びに混乱する一同。そりゃそうだ。いくら感情が宿った人形と言えど、痛覚という物は存在しないはず。ということは・・・
 
烈「あ、あいつ人間の子供だったのか?!」
 
土「ってちょっと待て!端から見るとただの幼児虐待だぞセリカちゃんっ!!
 
プリメラ(?)「誰が幼児かっ(怒)!!!」
 
土門の爆弾発言に頭から上記を立ち上らせてマジ切れモードに突入したこの少女。先程までその手に握られていた剣は、殴られた時の痛みで既に手放している。
 
しかも零蘭の方は、プリメラが吹っ飛ばされた直後からその動きを完全に停止している。
 
 
風「どうやら、零蘭ってのはただのマネキンであの子が本体ってワケか。」
 
セ「いくらマネキンの真似をしても、無意識のうちに動くまぶたと呼吸の時の肩の上がり下がりは誤魔化しようがないですからね。」
 
フィ「なるほど。腐っても格闘家の孫ってワケね。」
 
いや、腐っちゃいないと思うぞ。
 
 
烈「幼児相手にはちゃんと手加減はしないと、速攻少年院行きだしな。」
 
願子(以下願)「幼児って呼ぶの止めなさいよ!私はれっきとした小学生だし、ちゃんと森川願子って言う立派な名前があるんだからぁっ!!!」
 
 
なぜ名前の部分だけ字体を変えたか、読者の皆様方は周知の上だと思う。
 
原作通りのオチですハイ。
 
 
・・・・・・・←しばし沈黙
 
烈「だーっははははははっ!!願子だってよぉ、願子ぉ!!」
 
土「頑固者の願子ぉ〜堅物願子ぉ〜〜」
 
 
カカッ ドサリドサリ
 
フィ「あんた達とりあえず黙ってなさい。それと、女の子の名前をバカにしない。」
 
烈・土「ふぁい・・・・。」
 
それとなく手加減しているため、死には至らないがいらないところで余計なダメージを食らってる烈火と土門。
 
香「それと・・・まだ戦闘の途中だって事を忘れちゃ困るわ。」
 
願「へっ?」
 
 
びしゅるしゅるっ!!
 
フィ「がはっ・・・!!」
 
風「ぐっ・・・・!」
 
突如一行の背後から伸びてきた触手のような物体が、フィリアと風子の首に巻き付きそのまま宙づりにする!
 
烈「風子っ!フィリアさんっ!!」
 
香「あ、あれを見てっ!!」
 
 
触手の大本・・・・それは、異形の変化を遂げた零蘭と言う名のクリーチャーだった・・・。
 
 
 
続く
 
 
あとがき(お詫び)
 
えーっと・・・スイマセンでした!!
 
思いの外ネタがまとまらず、こんな中途半端な内容になってしまいました・・・。
 
本当だったら7月中には書き終わってアップして、今シーズンくらいだともう次の話に進んでるはずやのに・・・。
 
長らたくお待たせしたことを深くお詫び申し上げます。