FightRPG Dat.18「土の覚醒。闇の使者。」
 
 
烈「くっ、風子!フィリアさんっ!防御してくれよっ!!」
 
フィ「へっ?!防御ってあんた・・・まさか。」
 
しゅぼっ・・・
 
フィリアと風子の顔面から血の気が引くよりも早く、烈火は自分の指を強くこすり合わせ、炎を呼び出した。
 
そしてその炎は廻りの酸素を取り込みながら・・・
 
烈「いっけえぇぇぇぇぇぇっ!!!」
 
 
どどごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!
 
風「ぶえぇぇぇぇぇぇっ!!」
 
フィ「ひぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 
そしてとどろく二人の断末魔。←勝手に殺すな
 
 
 
数分後・・・・・
 
風「殺す気かこのバカ烈火!!キズを負った仲間と一緒に敵を炎で焼くかフツー?!」
 
烈「心配すんな風子。所詮このSSはギャグメインなんだから最悪でもマサイ族みたいに真っ黒になるだけだって。
 
念のために説明しておきますが、実際その程度で済んでますこの二人。
 
風「それに・・・・」
 
そう言って風子は願子の方に視線を向ける。願子はもはや原形を留めていない位に焼け焦げた零蘭に抱き添っている。
 
願「ママぁ・・・・・ママぁ・・・・・・・・・・」
 
烈「ママ?!」
 
土「あの人形が?!」
 
フィ「大方あの子の母親にそっくりだったんでしょうね、あのマネキン。・・・それにしても何故突然クリーチャ化したのかしら?」
 
風「なぁ願子、もしよかったら話してくれない?何もかも・・・」
 
こくりと頷く願子。
 
 
願「一年前、私のママは死んじゃったの。友達も出来ずに・・・一人で生き続けてきたある日・・・・・・」
 
セ「このマネキンを見つけたのね?」
 
そう言って再びマネキンの方を向く一同。とりわけ炎で燃やしてしまった烈火は、今の話を聞いて罪悪感を感じていた。
 
 
願「うん・・・そんな時に紅麗様とジェシー達『コンティエント・キーパーズ』に出会ったの。」
 
香「コンティエント・キーパーズ?!しかも達って事はまだ他にもメンバーがいるのね。」
 
願「うん・・・ジェシーを含めて全部で5人。一人一人が各大陸に配置されて、傍観者の立場に立ってるわ。」
 
フィ「それで、奴等の目的は?」
 
願「分からない・・・あいつら口が堅くて、私もそうだけど他の紅麗様の部下達にも漏らしてないの。」
 
それを聞いて一気に脱力する面々。敵の素性が明らかになると期待していたのだが・・・
 
 
フィ「ま、自分達の情報を迂闊に漏らすワケないか。」
 
烈「よし、この際ジェシーとかいう女は無視だ。一気に姫の所まで向かうぞ!」
 
セ「待って下さいよ。願子ちゃんの言った事忘れたんですか?まだこの屋敷内には紅麗ってヤツの手下がうようよしてるんですよ?ちゃんと作戦立てて進まないと・・・」
 
セリカの言う事も一理ある。ただ闇雲に突っ走っても反撃を受けるのがオチだ。それが一番分かっていたのが香澄だ。
 
 
香「何にせよ、敵の素性がはっきりしない以上作戦の立てようがない。・・・よし、ここから先は私が指揮を執るわ。」
 
烈「なっ、ちょっと待てよ!何でオレ達まで?!」
 
フィ「いくらあんた達がケンカ慣れしてると言ってもここから先はチーム行動がカギを握るのよ?このメンバーで複数の人間をまとめて指揮できる人物って言えば香澄くらいじゃない。」
 
土「まぁそりゃそうかもしれねぇけど・・・・」
 
それでも納得がいかない様子の土門と烈火。元々自由奔放に生きて勝手気ままにケンカしてきた彼等からすれば、人から命令されて動くという事ほどしんどい事はない。
 
 
香「安心して。確かに戦闘時には私が指揮を執るけどみんなの性格と能力を考えて指揮する訳だから。無理に押さえつけるような真似はしないわ。」
 
風「・・・まぁいいや。アタシは香澄さんやフィリアさんの意見に賛成。土門と烈火はどうする?」
 
烈「・・・しゃあねぇ、姫を助けるためだ。」
 
土「風子がやるって言うんだったらオレも賛成!!」
 
何だかんだ言ってやる気は十分な様子。
 
 
香「それじゃま・・・道案内、頼むわよ?願子ちゃん。」
 
願「分かった。・・・それじゃ、誰か肩車。
 
一同『はい?!?』
 
願「肩車〜!!してくんないと道案内してやんないぞ〜!!」
 
先が思いやられる・・・・そう感じたメンバーであった。
 
 
 
 
ジェ「思ったよりも早く片づいたわね。」
 
紅「・・・・・・・。」
 
屋敷内のとある一室。監視カメラを通してフィリア達を観察していた二人。何やら怪しい空気が漂っている。
 
 
ジェ「プランターの数には限りがあるんだから、もう少しまともな物に植え付けられなかったの?」
 
紅「・・・・だが、予定通りの結果は出ました。こちらも急がねばなりません。」
 
 
ジェ「治癒の少女、そして東京ミュウミュウ・・・・ホントに使えるのあの娘達?しかも肝心の東京ミュウミュウの方は2人足りないじゃない。」
 
紅「大丈夫です・・・私の探し求める、永遠の命。そのカギを彼女達が握っているのですから。」
 
ジェ「まぁいいわ。あなた達が何を考えて行動しているのか知らないけど、私達が技術援助してあげてる事忘れないでよ?」
 
紅「分かっています。ちゃんと『結果』も出すのでしばしお待ちを・・・。」
 
 
 
 
零蘭を撃破して数分後・・・
 
烈「別段、障害もなく2階に進んできたけど・・・・・」←ジャンケンに負けて願子をおぶってる奴
 
土「ま〜た変なトコに出たな。」
 
一同がやって来たのはそこら中石という石で覆われた、何とも殺風景な一室。
 
 
フィ「願子ちゃん、本当にこのまま進んでいいの?」
 
願「うん、ここを通らないと3階には進めな・・・・」
 
 
ずしん・・・ずしん・・・!!
 
セ「な、何っ?!地震?!?」
 
香「違う・・・この殺気、人間だわ!!」
 
フィリア達が身構え、前を見通すと暗闇の中から一人の男が姿を現した。
 
 
男「・・・・・・・・・」
 
願「石王だ・・・懲役200年の殺人囚で、紅麗様が用心棒にした奴!!」
 
セ「どちらにしても戦いは避けられないみたいですね。この殺気・・・まるで人らしい心が感じられない!」
 
土「よし・・・オレが諸一発をブチかます。香澄さんは超特急で石王をみんなで倒せるプランを立ててくれ。」
 
烈「正気か土門!?あんなのと一人でやる気かよっ?!」
 
土門「あたぼうよっ!1対1はケンカの基本だぜ基本ッ!!それよか香澄さん、マジで早いトコ頼むぜ。」
 
香「任せて。」
 
親指を立ててグッとサインを出す香澄。それを見て安心した土門はものすごい勢いで石王目掛けて突進していった。
 
土「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
 
ばきゃっ!!
 
土「まだまだぁぁぁぁぁぁっ!!」
 
どかどかっ!!ずばきゃっ!!
 
 
石王(以下石)「・・・・・・・・」
 
一発だけでは終わらず、続けざまに連続ラッシュをくり出す土門。間髪入れずの攻撃に、石王はそのまま倒れ込む!!
 
 
セ「見た目通りパワー一直線って感じですね。まぁあの見てくれで華奢なパンチ出してたら私作者さんに文句言いに行くところでしたけど。
 
フィ「いくらこのSSの作者が何でもあり主義者でもそこまではしないでしょ。一応原作ファンの人だって見てるんだろうし。」
 
雰囲気台無しです二人とも。
 
 
土「あらら・・・?もう終わり?何でぇコイツたいしたことねぇじゃん!!」
 
むくっ
 
言った矢先に立ち上がる石王。しかも何事もなかったの様な表情をして。
 
 
石「・・・・・う゛ぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
 
セ「・・・見て、そこら中の石が集まってく!!」
 
セリカの言う通り、部屋中に散乱している石という石がどんどん石王の周りに集まり・・・鎧と化した!
 
フィ「な・・・何あれ?!」
 
願「石を操る導具・・・『石胄』!聞いた事あるよ、石の躰を作る事が出来るって!!」
 
香「ウソでしょ、そんな非科学的な!!?」
 
フィ「でも実際に目の前で起きてんだから認めるしかないでしょ!土門くん、あたしも援護するわ!!」
 
そう言ってフィリアも戦闘態勢に入り、ヘルヴァイパーを構える。
 
フィ「必殺必中!!ヘル・ブラスト!!!」
 
ドウンッ!!ドウンッ!!!
 
連続して二発のマグナム弾が発射され、1秒も経たない内に石王の心臓付近に着弾する!
 
それに引き続き、スタンバイしていた土門がありったけの力を込めて、マグナム弾が打ち込まれた部位に追い打ちをかける!!
 
土「食らぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
 
 
ごきんっ!!
 
土「いってぇぇぇぇぇっ!!」
 
フィ「マグナムを当てたのに・・・殆ど損傷がない。ただの石の塊じゃないわね。」
 
烈「冷静に分析してる場合じゃねえよ!!このまんまじゃ土門が危ねぇ!オレ達もやるぞ!!」
 
香「待って烈火くん!!・・・願子ちゃん、さっき『導具』って言ったわね?だとしたらあの石の鎧はその導具があるから成り立ってるの?」
 
願「うん・・・でも、石胄を壊そうと思ってもダメだよ。壊すためには懐に飛び込まなきゃいけないし・・・。」
 
香「懐に飛び込んだらあいつの拳でノックダウン。かと言って銃器で狙って壊せるような代物でもなさそうだし。」
 
土「何でもイイから早いトコ頼むぜぇっ!!こっちは長くはどむっうごぉっ!!
 
必死になって石王の動きを止めようとする土門だが、接近戦では分が悪いらしく幾度となく石王の攻撃を受け、もはやボロボロの様子。
 
時間がない事だけは明白だった。
 
 
香「・・・・・・セリカちゃん、翡翠弾だっけ?アレの強化バージョンってのはないの?」
 
セ「・・・・奥義に一つだけ。でもアレはまだ。・・・でも、攻撃力を強化するくらいは出来ます。」
 
香「上出来!土門くん、フィリア!一端下がって!!」
 
土「・・・了解ッス。」
 
フィ「了解。援護射撃なら任せて!!」
 
傷付いた土門を交代させながら石王を牽制するフィリア。しかしマグナム弾だけでは石王をのけぞらせるくらいが精一杯で、全くダメージが与えられない!
 
 
セ「すいませんが1分だけ時間を貰えますか?私も使うの久しぶりだから上手くできるかどうかは五分五分ですけど。」
 
香「分かったわ、1分ね。みんな、出来うる限り石王の躰を開いた形で動きを止めて!!」
 
烈「要は仁王立ちにさせて動きを止めろって事か。やってやろうじゃん!!」
 
フィ「香澄!あんたにあたし達の命、預けるわよ!!」
 
それぞれ自分の武器を構え・・・・一斉砲火!!
 
どどどどどどどどどどどどっっ!!!
 
上手く石王の動きは止まっているものの、肝心の導具が腕に隠れて姿を見せない。業を煮やしたフィリアがヘルヴァイパーを構え直し・・・
 
導具を覆う腕に照準を合わせた!
 
フィ「どんな敵だろうと・・・やってみせる!ピンポイント・ヘル・キャリバー
 
どばばばばばばんっ!!!
 
銃の反動を上手く殺し、重機関銃のように放たれたマグナム弾は、正確に腕の方へと向かい・・・
 
 
ががががががいんっ!!
 
腕を後方へとはじき飛ばした!
 
香「さぁ、セリカちゃん!出番よっ!!」
 
セ「獅龍剛炎拳無の撃・・・一の型・・・・極烈舞甲!!」
 
キイィィィィィィィンッ!!
 
石王との間合いを詰めつつ、セリカはその技を発動させた。翡翠弾に似た光がセリカの拳に集まり・・・
 
セ「いっけぇぇぇぇぇぇっ!!」
 
がきいぃぃんっ!!
 
セリカが放ったパンチ一発で、見事『石胄』は粉々に砕かれ、石王は殴られた衝撃でそのまま壁の方まで吹っ飛んでいき・・・・
 
どどどおおぉぉぉぉんっ!!
 
凄まじい轟音と共に壁に激突。鎧は砕け散り石王はそのままのびてしまった。
 
 
土「す・・・すげぇ威力。オレのパンチ何発分だぁ?!」
 
セ「失礼ですね〜!!私はただ普通に攻撃しただけですよ!獅龍剛炎拳無の撃はあくまで攻撃を補助する技が中心ですから。」
 
烈「つまり・・・・どういうこった?」
 
セ「極烈舞甲は体中の防御に回っている分の氣も併せて凝縮し、攻撃した部位に浸透・内爆発を起こさせる事で結果的に技の攻撃力を上げているんです。」
 
土「要は相手の体ン中にパンチと一緒に爆弾埋め込んで爆発させるようなもんか。」
 
セ「ま、そんなところです。」
 
 
フィ「うんちくはその辺にして、先を急ぎましょ。・・・お姫様達を迎えに行かなきゃ。」
 
一同『おぉっ!!』
 
気合を再充電し、改めて屋敷3階へと向かう一行だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
〜その頃、囚われのお姫様達は〜
 
み「東京特許許可局!」
 
歩・ざ・柳・薫『ブンブン!』
 
歩「40カ所!なのだ!!」
 
まだやってました。
 
み・ざ・柳・薫『ブンブン!』
 
ざ「東京特許許可局・・・」
 
み・歩・柳・薫『ブンブン!』
 
柳「41カ所!!」
 
み・歩・ざ・薫『ブンブン!』
 
柳「東京特許きょきゃきょ・・・あぁぁ〜っ!!!
 
その直後、どこからどうやって侵入してきたのかかなり謎な関取の団体様が柳をジャイアント・スイングで投げ飛ばし、
 
ドサクサに紛れてざくろからサインを貰って立ち去っていった。
 
 
 
 
続く
 
 
あとがき
 
烈火編ってシリアスな雰囲気がメインだからギャグに持って行きにくいッス。
 
だからって更新をサボる理由にはならないので無理あり書き上げました。はっきり言ってかなり無理矢理です。