FightqPG Dat.3「闇を駆ける粋なスイーパ−」
FightRPG Dat.3「闇を駆ける粋なスイーパ−」
 
白金(以下白)「ということで・・・今回は全員徹夜で残業だ。
 
一同「何ゆえ??」
 
 
 
・・・のっけから漫才しているように見えるが、現在カフェミュウミュウにてミーティング中の一行。
 
白「実はな・・・最近都心部で奇妙な事件が多発しているのはみんな知っての通りだと思う。」
 
い「あ、そういえば新聞とかニュースとかでも最近やってるよね。どれも胡散臭いけど。」
 
白「胡散臭いって言っても全てそうとは限らないぞ。何よりお前等が遭遇したクリーチャーが良い例だ。」
 
み「で、わたくし達にどうしろっていうんですの?」
 
白「早い話情報収集だ。実質夜の時間帯に事件が集中しているらしいから、それを見越してみんなで手分けしていろいろ調べてきてほしい。」
 
フィ「確かに・・・あたし自身の記憶もまだ戻ってないし・・・、ちょうど良いわね。あたしは賛成。」
 
セ「でも、吹雪はまだおさまってませんよ?」
 
 
・・・・・・(間)
 
 
そう、実はあのときからずっと雪は降り続けていたのだ。
 
その為現在カフェ内暖房がフル出力で稼働している。
 
だが、その一方で・・・
 
全員「「「着込みすぎだ(よ)歩鈴。」」」
 
そう、彼女は今ちゃんちゃんこ×3(重ね着)の他、マフラー×4に手袋×2、
 
しかも中には湯たんぽが入ってるというおまけ付きだ。
 
歩「み・・みんなは何でへへへ平気なのだだだだだ???ぷぷぷぷ歩鈴はささ寒過ぎててててて・・・」
 
がちがち震えてて会話にならないってもんじゃない。
 
フィ「歩鈴ちゃん・・・念のため言っとくけど今この部屋の気温は22度はいってるわよ?」
 
セ「・・・・って、寒いはずですよ。服ずぶ濡れ&服の中に雪が進入してます。
 
その後、れたすが熱を計ったら38度もの高熱が出ていたので歩鈴は強制休養。
 
 
フィ「んで、これからどうするの?」
 
セ「そーですねぇ・・・。やっぱりこういう化け物関連なら、『美神除霊事務所』ですね。」
 
み「・・・あんまり言い噂は聞きませんね。例え貧乏な民間人からでも容赦なく高額なギャラを請求するって言う・・・・あの。」
 
い「ちょ、ちょっと待って!?まさかそこに行くの?!あたし達お金なんかあんまり持ってないっていうのに・・・。」
 
ざ「どうにかなるでしょ。とりあえずは話しかけてみないことにはどうなるか分からないわよ?」
 
セ「それにいざとなったらみんとに支払わせればいいし!!」
 
み「一回死んでこい。」
 
まだ諦めてなかったセリカ。
 
赤坂(以下赤)「・・・・皆さん、ここは私に任せてくれませんか?もしかしたら何とか出来るかも知れません。」
 
 
そんな赤坂に連れられてやってきました美神除霊事務所に。
 
 
 
こんこん←ドアをノックする音
 
がちゃ←ドアが開く音
 
幽霊「はぁ〜い♪ようこそ美神除霊事務所へ。」
 
しばしの間・・・・・・
 
女性陣全員「「「いやあぁぁぁぁぁ出たぁぁぁぁお化けぇぇぇぇ!!!!」」」
 
幽霊「あ・・・あの。大丈夫ですからどうぞ中へ・・・・」
 
い「お願いだから取り憑かないでぇぇぇ!!まだこの年で死にたくなぁぁい!!!」
 
れ「やっぱ普通じゃなかったぁぁぁぁ!!」
 
セ「落ち着いてみんなこういう時はお経を唱えて成仏させるのよっ!!行くわよっ・・・せーのっ!!」
 
 
幽霊「あのぉ・・・・(涙)。」
 
 
バカ三人「「「南無三(アーメン)〈デリートぉぉぉ〉っっ!!!!」」」
 
フィ「息合ってない上に最後意味不明な言語化聞こえてきたわよ?」
 
セ「って何でフィリアさん平気なんですかぁ!!」
 
フィ「人の話は最後まで聞きなさい。本人が大丈夫だって言ってんじゃない。」
 
い「い、いや。そういふ問題じゃなくて・・・。」
 
 
赤「大丈夫ですよ。さ、中に入りましょう・・・。」
 
終始ビビリっぱなしの女子中生メンバーは、全く動じることなく、実にさわやかに中へと入っていった赤坂に連れられていった。
 
 
そして・・・・
 
幽霊「はい、お茶ですっ♪」
 
い「あ、ありがとう・・・。」
 
れ「一応・・・中は普通みたいですね。」
 
幽霊「もう少し待ってて下さいね。美神さんもうすぐ来ると思うんで・・・。」
 
赤「君は、美神さんの助手?」
 
おキヌ「はい。おキヌっていいます。私こう見えても300年幽霊やってるんですよ。」
 
セ「300年って・・・江戸時代から・・・・。」
 
い「しかも本人全く動揺してないし。」
 
 
天然だからしょうがないのだ。
 
 
おキヌ「そういえば、美神さんのことをご存じのようですけど・・・お知り合いなんですか?」
 
赤「ええ、私と美神さんは同じ大学の研究部に所属していたんですよ。」
 
み「そうならそうと、早く言ってほしかったですわ。」
 
赤「すいません・・・。なにぶん確証がなかったものですから・・・。」
 
がちゃ←ドアが開く音
 
女性「ただいま、帰ったわよおキヌちゃん。」
 
おキヌ「あ、帰ってきました!美神さぁ〜ん、お客さんですよぉ〜!」
 
美神(以下令)「なぁに?・・・って、赤坂クン!久しぶりじゃない!!」
 
赤「ええ、懐かしいですね。仕事の方も順調らしくて何よりです。」
 
令「で?今日は仕事の依頼で来たの?」
 
赤「半分当たりです。・・・あつかましいとは思うのですが、最近の怪奇現象事件についての情報があれば少しでも良いので提供していただけないかと・・・。」
 
令「ふぅ〜ん・・・。」
 
しばし考え込む令子。
 
令「・・・・仕方ないわね。赤坂クンの頼みじゃ断るわけにもいかないし、協力させて貰うわ。」
 
赤「どうもありがとうございます。いつかお礼の方も・・・」
 
 
一方雑談室へいつの間にやら移動し、待機している子供軍団は・・・。
 
おキヌ「静岡から取り寄せた緑茶なんですけど、どうですか?」
 
い「う〜ん・・・紅茶もいいけど日本人はやっぱり日本茶よねぇ・・・。」
 
いちごしゃん年寄り臭いでし・・・。
 
セ「赤坂さん・・・上手くやってくれるといいなぁ。」
 
れ「大丈夫ですよきっと。」
 
フィ「・・・・・・。」
 
み「どうしたんですのフィリアさん?」
 
フィ「ん?えぇ・・・吹雪、止まないなぁって思って・・・。」
 
れ「そういえばそうですね。もうかれこれ2週間くらい降ってますよ。」
 
セ「何かの悪いことの前兆だったりしたり・・・?」
 
一行の脳裏を不安がよぎる・・・。
 
その時だった!
 
 
赤「皆さん大変です!都心部に巨大なキメラアニマが出現しました!!大至急向かって撃退して下さい!!」
 
い「なんですって!?」
 
フィ「クリーチャーじゃないみたいだけど・・・やるしかないようね。」
 
み「決まりですわね。急いで向かいましょう!!」
 
かくして、一行は都心部にある、建設途中の巨大ビル工事現場へと向かった。
 
 
・・・・・・
 
 
ミイ「寒っ!!」
 
当たり前だった。
 
そんなフリフリ(謎)スタイルの服装で寒くないってヤツの方がおかしいぞ。
 
ミミ「我慢なさい。あたくし達だって寒いんですのよ?」
 
ミイ「そ・・そんなこといったってぇ・・・(ブルブル)。」
 
ダメだこりゃ・・・。
 
フィ「来るわ、上よっ!!」
 
ふぉおう・・・・
 
上空から舞い降りたそれは、大きな翼を広げて上空から一行を見下ろしていた。
 
茶色い大きな翼と羽のような毛皮に覆われた躯、そして、女性の顔らしきものがついていた。
 
フィ「さしずめ北欧神話に登場するハーピーってところかしら?」
 
ミレ「それにしても・・・いつのもキメラアニマとは何か違いませんか?」
 
ミイ「何が?」
 
ミレ「雰囲気というか・・・・邪悪な雰囲気が伝わってきません。」
 
セ「じゃあ、全く別物って事?」
 
たじろぐ一行を後目に、突如キメラアニマは襲いかかってきた!!
 
ぶおぅっ!!
 
ミュウミュウ達「「「「きゃあぁぁぁっ」」」」
 
フィ「くっ・・・地上戦は不利ね。ミュウミント、セリカちゃんを上空へ!!」
 
ミミ「了解ですわ!!」
 
ミュウミントに担がれて上空へと向かうセリカ。だが、キメラアニマは見透かしていたかのように
 
空中で突如向きを変えて遙か上空へと駆け上っていく。
 
セ「こらぁ卑怯者ぉ!!降りて来なさぁい!!!」
 
ミミ「降りてこいと言われて降りてくる敵なんていませんわよ?」
 
セ「うぅ・・・。」
 
悔しそうな表情を浮かべるセリカ。だが・・・
 
フィ「・・・!二人とも、後ろ!!」
 
ミミ・セ「「えっ?・・・きゃあっ!!」」
 
何と、いつの間にやら後ろへと回り込んでいたキメラアニマが、二人目掛けて突進攻撃をしかけてきたのだ!!
 
この時の衝撃で、ミュウミントは危なくセリカを落としそうになるも、かろうじて持ちこたえた。
 
が、傍目から見てもその状態は不安定極まりない状態だった。
 
今にもミュウミントがセリカを落としそうになる。
 
ミミ「うぐぐぐ・・・あ、あんまり暴れないで下さらない?!」
 
セ「そ、そんなこといったってぇ・・・うわ、うわ、落ちるうぅぅぅ!!!」
 
フィ「このおっ!!ヘル・ブラスター!!!
 
ドウン!!ドウン!!
 
フィリアのヘルヴァイパーから放たれた2発のマグナム弾の内一発が、キメラアニマを捉えた!!
 
ばおぅん!!
 
瞬間、キメラアニマの片翼が粉砕され、バランスを崩したまま地面へと落下を始めた。
 
もちろん、そこにはミュウイチゴが既にスタンばっていた。
 
 
ミイ「リボーン・ストロベリィィ・サプライズッ!!!」
 
ミュウイチゴの武器、『ストロベルベル』から放たれる柔らかな光がキメラアニマを包み込んで浄化していく・・・。
 
そして最後に残ったのは・・・。
 
 
ミイ「・・・何これ?宝石??」
 
セ「にしてはあんまり綺麗じゃないね。色だってどす黒いし・・・。」
 
フィ「ま、もしもの時のためにとっときましょ。」
 
そういうと、フィリアは黒い宝石を服のポケットへとしまった。その時、
 
バシュウッ・・・
 
少年「何だ何だ?もう終わってたのか・・・以外とあっけなかったな。」
 
ミイ「・・・っ!!キッシュ!やっぱりあんたの仕業だったのね?!」
 
キッシュ(以下キッ)「何言ってるのいちご。そいつは僕らのキメラアニマじゃないよ?」
 
ミイ「あんた達以外に誰がいるっていうのよぉぉぉぉ!!!!」
 
思い切り地団駄を踏むミュウイチゴ。だが、その後方から・・・
 
令「落ち着きなさい!!」
 
 
ミレ「・・・美神さん?」
 
突如赤坂と共に現れた令子。もちろんいつもの除霊時の服装である。
 
令「話くらい聞いてあげたって良いんじゃない?」
 
キッ「さっすが。そこのおねーさんのほうが物わかりいいじゃん。」
 
落ち着きを取り戻したミュウイチゴ。それと同じくして、キッシュは地面へと着地した。
 
 
キッ「確かにキメラアニマは僕らにしか生み出せないけど、僕の場合は人間のスピリッツを媒介にしなきゃいけない。でも、さっきのヤツから出てきたのはそこのおねーさんのしまった宝石だけ・・・。」
 
そういい放ったキッシュはフィリアの方を見つめる。
 
セ「となると・・・犯人は?」
 
ミミ「・・・・別にいる、って事ですの?」
 
キッ「ま、そういうことになるかな?それがはっきりするまでは僕らもおとなしくしておくさ。余計な疑いかけられてとっちめられたらたまらないからね。」
 
ミイ「あんたの言い分は分かったわ。でも、その犯人って一体誰?!」
 
キッ「それが分かれば苦労しないよ。ま、せいぜい頑張るんだね。」
 
バシュウッ・・・
 
不敵な笑みを浮かべて、キッシュは次空の彼方へと消えていった・・・。
 
フィ「美神さん・・・。」
 
令「話は大体赤坂クンから聞いたわ。それなりに儲けられそうだし、私も協力させて貰うわ。」
 
ミイ「良かったぁ・・・これで高額なギャラ払わずに済むのね・・・。」
 
令「あ、一応念押しして置くけど、仕事とギャラが割に合わなくなったら割り増しして貰ってあなた達にも払って貰うからそのつもりで。
 
一同「・・・・・・・。」
 
全員の背筋に、悪寒が走ったのは言うまでもない・・・・。
 
そんな一行を見つめ・・・いや、観察といった表現の方が正しいだろう。
 
廃工場でも彼女らのことを見ていた仮面男がほくそ笑む。
 
男「見せて貰いましたよ・・・。これで父もお喜びになる。不死への第一歩・・・。ふふふふ・・・ふははははははははは!!
 
仮面の男は不気味な笑いを当たりに響かせて、その場を去った・・・・。
 
 
 
その数分後、『突如ビルの屋上で笑い出した変人さんがいます』という通報が警察にあったとかなかったとか。
 
 
続く
あとがき
遂に登場GS美神。っつーても戦闘シーンでは出番無かったっスけどね。
 
あーにしても今回はシリアスだったな。書いててあんまおもろなかったし。