FightRPG Dat.4「金じゃ買えない正義の味方」
FightRPG Dat.4「金じゃ買えない正義の味方」
 
ハーピーもどきが現れて早3日・・・。ここ美神除霊事務所では・・・
 
令「はいはい、そこの書類をあの棚の方へなおして置いて!!」
 
セ「あ、これですね。よいしょっと・・て重っ!!!
 
おキヌ「美神さぁん!このお札どうしましょう?」
 
令「まとめて処分するから使ってないヤツと分けといて!!」
 
い「ひゃあぅっ!!何か出てきた!お札から・・お札から生首がぁ!!!」
 
 
などと、年末の大掃除に奮闘していた。もち、居候(お手伝い)であるフィリア達は強制的に
 
大掃除にかり出されていた。そんな中・・・
 
横島(以下横)「・・・・何で、何でオレだけこういう組み合わせなんじゃあぁぁぁぁぁっ!!
 
白「うるさいな。黙って手を動かせよ・・・。(だいたい何で俺達まで駆り出されるんだ?)」
 
男性陣は玄関周りを掃除していた。まだ雪が降りしきる中、延々と雪かき&落ち葉拾い。
 
はっきり言って、寒い。
 
横「・・・まいいか。カワイ子ちゃんいっぱい入ったからなぁ・・・(悦)。」
 
白「うぅ・・・。こいつロリコンの趣味だったのか?」
 
別にそういうわけでもないが、全員中学生(二人ほど例外)とは思えないプロモーションなので、
 
横島からすれば萌えまくることこの上ないのだ。
 
横「そういやあんた、あの子達のボスみてーなモンなんだろ?」
 
白「・・・まあ、そんなところだが。いまいち語壁があるような気が・・・。」
 
横「えぇ〜なぁ〜・・・。」←羨ましそうに白金を見つめる
 
白「それを言うんならお前の雇い主もかなりの美人じゃないか。あの人じゃダメなのか?」
 
横「ンな訳ないやんかぁ!!」
 
白「だったら別に不満たれる必要ないだろ?」
 
横「『両手に花』がオレの理想だからだっ!!」
 
白「・・・・・・・・。」
 
白金はある意味ケタ外れの新鮮な展開にどうつっこめばいいのか分からず、ただ呆然としているだけだった。
 
白「・・・・あんた、はっきり言ってモテないだろ?
 
横「!!!!!!!!」
 
その一言は、横島を天から地獄へと突き落とすのに十分すぎるインパクトをもっていた。
 
横「ええんや・・・どうせオレなんて・・・オレなんてぇぇ・・・・・(涙)。」
 
白「全く、叫んだり泣きわめいたり忙しいヤツだ。・・・・よしっ、これで玄関周りは終わりっと。終わったぜ、人工幽霊一号。」
 
人工幽霊一号(以下人幽)『ご苦労様でした。中でれたすさんと美神オーナーがケーキを作ってらっゃるので、どうぞあがってください。』
 
白「ああ、分かった。・・・・こいつは、放っとくか。」
 
哀れ横島。白金に見捨てられてそのまま雪の吹き付ける外に置き去りにされた・・・。
 
 
そして、休憩時間・・・。
 
 
れたす「さぁみなさん。どんどん召し上がって下さい。まだいっぱいありますから♪」
 
一同『いっただきまぁぁっす!!』
 
言うが早いか彼女らの手が早いかは、言うまでもない・・・。特に歩鈴。
 
い「ちょ、ちょっと歩鈴!取り過ぎじゃないのあんた!!?」
 
歩「大丈夫なのだ!どうせたくさんあるんだし!!」
 
い「そういう問題じゃなぁい!!」
 
 
フィ「・・・へぇ、なかなか美味しいじゃない。れたすちゃんにこんな特技があるなんて知らなかったわ。」
 
令「そうなの、以外と筋がいいのよこの子。正直びっくりしちゃった。」
 
れ「ど、どうも・・・。」
 
おキヌ「あれ?そういえば横島さんは?」
 
白「あいつならまだ外で黄昏てるぞ。そろそろケーキの匂いをかぎつけてやってくる頃だと思うんだが・・・。」
 
いや、犬ぢゃねーんだから・・・・。
 
 
横「オレのケーキわおぅん!!!」
 
どげしっ!!←美神のかかと落とし炸裂の音
 
ドアを開けるなり、獣の如きスピードでざくろに襲いかかろうとした横島だったが、
 
主・美神のかかと落としによって沈黙・・・・。
 
令「こんのバカは・・・。少しは自粛しなさいっつーの!!!」
 
横「でも、あの売れっ子タレントのざくろちゃんが目の前にいるんだから・・・欲情するなって方がムリっスよ・・・。」←血だらけになるも必死のコメント
 
ざ「ひぃっ!!!!!!!」
 
横島のセリフに、背筋に悪寒が走ったざくろ。まるで猛獣に目を付けられた小動物である。
 
令「そういや、横島クンの方がざくろちゃんより年上だったわね。」
 
ざ「・・・っ!!こんなケダモノでも?!
 
ざくろちん目が本気です。
 
い「あんまり売れるってのも考え物ね、ざくろさん。」
 
ざ「・・・・失礼しますっ。」
 
あわててその場から立ち去ったざくろであった・・・。ってことは・・・?
 
横「んじゃぁれたすちゃんでもええわぁ〜〜!!!」
 
れ「いやぁぁぁぁぁっ!!!!!」←必死に逃げる
 
ズキュンッ!!←フィリア発砲
 
どさり←崩れ落ちた音
 
フィ「これでいいんですか、美神さん?」
 
令「Good!!」←グッと親指を立てる
 
ざくろの次にスタイル(特に胸)のいいれたすが、横島の次なる標的と化したが、
 
フィリアの一撃によって再び沈黙。
 
 
れ「うぅっ・・・ぐすっ・・ひっぐ・・・。」←恐怖から解放されて号泣
 
み「大丈夫ですの?」
 
歩「れたすのお姉ちゃん、もう大丈夫なのだ。痴漢はこの世を去ったのだ!」←酷ぇ
 
い「大丈夫、まだ汚れてないから!お嫁にも十分いける!!
 
案の定、横島の心配は全然しようともしないミュウミュウ一族。
 
ま、所詮彼(ギャグキャラ)はこんなものだろう。
 
 
一方そのころ、事務所を飛び出したざくろはというと・・・。
 
ざ「美神さん・・・よくあんなセクハラ男を平気で雇ってるわね。」
 
平気ぢゃないです。
 
時給255円で働かせてる(飼い慣らしてる?)し、ツッコミは過激すぎて大怪我ものだし・・・。
 
どっちもどっちだと作者は思う。
 
・・・そんなことはさておいて現在彼女は商店街を歩いている。ここなら人通りも多いし、
 
いざ横島が襲って(笑)きても周りに助けを求められる。うまくいけば、警察に突き出すこともできるだろう。
 
ざ「それにしても・・・あの時のキッシュの一言は・・・?」
 
あれから自分なりに整理してみても答えはいっこうに出てこない。あの時キッシュが最後に残した一言・・・。
 
『こいつは僕らとは何の関係もない。』
 
 
キメラアニマ・・・エイリアンが作り出した人類の敵・・・。
 
今までキメラアニマはキッシュ達と大きく関わっていたというのに・・・。
 
だが、前回は違った。取り立てて人を襲う気配もなかったみたいだし・・・いや、狙いは自分達?
 
だとすると誰かが意図的に創り出した?!何のために・・・?
 
 
考えれば考えるほど、いろんな事が頭の中を駆けめぐってごっちゃになる。
 
いつの間にやら雪の冷たさも感じなくなっていた。・・・ん?冷たくない?!
 
ざ「雪が・・・止んでる?」
 
今まで降りしきっていた雪が突如として止んだ。
 
ざ「・・・・何か、来る!」
 
ざくろは一瞬にしてそれを感じ取り、その気配のする方へと向かった。まるで何かに引きつけられるように・・・。
 
 
東京都・練馬区、陸上自衛隊練馬駐屯地・・・。
 
突如として駐屯地に襲来したそれは、凄まじい勢いで施設を破壊していた。
 
作戦司令室より・・・
 
 
中隊長(以下中)「くそっ!何とか目標の進行を止められないのか!!」
 
1小隊長(以下小1)「駄目です。こちら側の攻撃を全く受け付けません。弾薬・兵力共に激減!」
 
中「・・・日本の平和を守るための陸上自衛隊がこんな事では・・・!!」
 
1班長(以下班1)「失礼します!」
 
がちゃ←ドアを開ける音。
 
中「戦況の報告か?」
 
班1「はい。・・・・負傷者14名。戦闘不能者22名。5.56mm小銃弾残り4000発。状況としてはかなり厳しいところです。」
 
中「くそっ!!一体どうなっているというんだ!!」
 
班1「それと・・・3班からの報告なのですが、三原3曹が命令を無視して敵方へ突入をしかけました!!」
 
中「何だと!!・・・・死ぬ気か?!」
 
 
 
駐屯地グラウンド(現在は戦闘フィールドと化している)
 
女性「さすがに・・・状況は芳しくないようね。」
 
女性の見つめる先にそれはいた・・・。両腕に巨大な爪を生やした大男。
 
・・・いや、もはやその大きさは人間のものではなかった。なぜならその怪物の大きさはゆうに2m50cmはいっていたからだ。
 
全身の肌が土気色で生きているようには見えない。
 
しかし、怪物は自分の意志で動いている。まるで何かを探しているようだ・・・。
 
女性「こうなったら・・・死ねばもろとも。零距離で弾丸を浴びせてやるっ!!」
 
意を決して女性は怪物の懐へと駆けてゆく!!だが、
 
がしっ!!
 
女性「か・・・は・・。」
 
怪物の太い指の集まる手が、女性の首をがっしりとつかみ取り、そのまま天高く持ち上げた。
 
必死に抵抗するも、首を絞められている&度重なる疲労でもはや満足に振り解く力も残ってなかった。
 
その時・・・!
 
ミザ「リボーン・ザクロピュアッ!!!」
 
どっかあぁぁぁん!!
 
遙か後方から、ミュウザクロが繰り出した必殺技「リボン・ザクロピュア」によって地は裂け、
 
巨大怪物は衝撃で女性をその手から離してしまった。
 
女性「うぅ・・・げほっ!ごほっ!!」
 
ミザ「大丈夫ですか?!」
 
 
女性「・・・東京ミュウミュウ?!何故こんな所に?」
 
ミザ「説明は後回しです。今はこの怪物を倒すことの方が・・・」
 
女性「えっ、でも今の一撃で・・・」
 
女性が土煙の方に目をやると、うっすらと大きな人影が見えてきた・・・。
 
そう、紛れもない、ヤツである。
 
女性「・・・・信じられない。弾丸も効かない上にミュウミュウの一撃も効果無しなんて。」
 
ミザ「とにかく、ここは一端退きましょう。話はそれからです。」
 
女性「っ!!ダメ、逃げられないのっ!!」
 
ミザ「・・・・?」
 
女性「私達は・・・自衛官よ?私達が逃げたら・・・人々の平和は守れないわ。」
 
ミザ「でも・・・。」
 
女性「政府の馬鹿ジジイどもはお金で平和を買うような事してるけど、私はそんなのはイヤ!!」
 
ミザ「・・・・・・。」
 
女性「あなた達なら分かると思うわ・・・。お金じゃ平和や正義は買えないのよっ!!!
 
臆するどころか、逆に闘志ビンビンで再び怪物へと突っ込んでいく女性!!
 
その時、
 
しゅぅん・・・・
 
女性のすぐ横を風のような人影が過ぎ去っていったと思ったその瞬間!!
 
セ「獅龍剛炎拳・地の撃、壱の型・・・・」
 
すたっ・・・がしっ!!
 
セリカは怪物の頭の真上で逆立ちした状態で腕を交差し、怪物の頭を手で挟み込んで固定・そのまま・・・
 
セ「・・・・っせいやあぁぁぁっ!!」
 
どだあぁぁぁん!!
 
自らが地面へと降り立つ勢いとテコの原理を利用して、腕を元に戻す要領で怪物の頭をひねりながら
 
そのまま柔道の一本背負いのように投げ飛ばすっ!!
 
セ「鎌殺・蛇咬締っ!!」
 
ミザ「セリカ・・・。」
 
セ「全く、無茶しすぎですよざくろさん。ま、居場所が分かりやすかったからいいですけどね。」
 
ミザ「えっ?」
 
ミミ「自衛隊の駐屯地が謎の怪物に襲われてるって代替的にテレビで放送してましたわ。あれで気付かない方がどうかしてますけど?」
 
フィ「何にせよ。後はあたし達に任せて頂戴。すぐにケリを付けるわ。・・・・美神さん!!」
 
令「はいはい♪」
 
美神がもってきたモノ・・・それは紛れもない「スティンガー」の異名を持つロケットランチャーだった。
 
女性「・・・って、何で一般人がンなもの持ってんのよ!!!」
 
令「ふふふふふ・・・・金で買えないものはないのよぉ」←不敵な笑み
 
 
・・・・いや、全然笑えねぇ。
 
 
令「ってな訳で、極楽へ・・・行かせてあげるわっ!!
 
どうん!←ランチャー発射
 
しゅごおぉぉぉぉ!!←ロケット弾空を斬る!
 
 
ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!!←怪物大爆破!!
 
 
 
令「・・・・一丁上がりっと♪」
 
女性「・・な、何者なの?!あなた達・・・。」
 
フィ「そうねぇ・・・さしずめ『ファイティング・ガールズ』って名乗っとこうかしら?」
 
 
・・・・・間・・・・・
 
 
女性「い、いや、そういふ趣旨の話はしてなくて・・・。」
 
中「三原3曹っ!!!」
 
三原「はひゃうっ!!・・・は、はい三原3曹っ!!!」
 
中「一体何をしているっ!!一人で敵に突っ込むなど無茶なことを・・・。幸い生きてるからいいものの、もし何かあったらどうするつもりだ!!!」
 
三原「それは・・・・その・・・・。」
 
ミレ「あ、あの・・・あまりその人を責めないで下さい。理由はどうあれ、命を懸けてまで戦ったんですから。普通の女性には出来ないことですし・・・」
 
中「・・・・。ミュウミュウといったね。自衛隊では規律が何よりも優先されなければならないのだ。今回の彼女のように一人が突っ走った行動をとると、全員に被害が及ぶ。」
 
ミイ「あ、あのねぇ!!」
 
中「自衛隊は組織だ・・・。一人で戦っているわけでは無いんだよ。分かってくれ・・・。」
 
中隊長のにじんだ表情に渋々納得したミュウイチゴ。それでも、何だかすっきりしない様な表情を浮かべる。
 
中「三原3層にはおって処分を通達する。以後は班長の指揮下に入れ。いいな?!」
 
三原「はい!」
 
起立の姿勢をとり、中隊長に敬礼する三原3曹。そして・・・
 
三原「ごめんなさい・・・私が不甲斐ないばかりに。」
 
ミイ「そんなことないですよ。あたし達だってもっと早く駆けつけてたら・・・・。」
 
令「ま、自己犠牲願望の強いヤツのなれの果てよねぇ・・・。」
 
おキヌ「美神さんっ!!」
 
横(オレどっちの気持ちも分かるんだけどなぁ・・・。)
 
反抗できないところが辛いところである。
 
香澄(以下香)「・・・・私は、三原香澄。3等陸曹三原香澄。第1普通科連隊所属。貴殿達の協力に感謝します。敬礼っ!!」
 
びしっ!!
 
突如敬礼され慌てふためく一行。
 
ミイ「そ、そんな大げさなぁ!!」
 
ミレ「私達は・・・その、当然のことをしたまでで・・・。」
 
横(・・・・生まれて初めて、人から感謝された♪)←荷物持ち以外何もしてないヤツ
 
 
香「世間が忘れても・・・私は忘れない。共に平和のために戦った友のことは絶対に!!それでは・・・。」
 
敬礼を止めて回れ右をし、自分の班長の元へと向かう香澄。
 
セ「フィリアさん・・・。」
 
フィ「ま、頼りになる仲間が出来たって所かしら?さ、後は警察に任せてあたし達はおいとましましょ。」
 
勇みよく駆けていく香澄を見送りながら、一行は去っていった。一握りの欠片(かけら)を・・・
 
友情という欠片をその胸にしまって・・・・。
 
続く
 
あとがき
 
やっぱいいねぇ横島のセクハラネタ。ギャグがポンポン湯水のように出てくる。
 
後今回の話は、あくまでもフィクションです。実在する組織・人物とは全く関係ありません。