FightRPG Dat.5「世界は広し、出逢いは気紛れ」</
FightRPG Dat.5「世界は広し、出逢いは気紛れ」
 
午後の買い物タイム・・・。
 
い「はあぁぁ・・・重っ!!」←買い物袋を全て持ってる
 
おキヌ「大丈夫ですかいちごさん?」
 
横「無理せず俺等にも渡せばいいのに。」
 
何でいちごが買い物袋を全部持ってるのかっていうのには理由がある。
 
それは、15分前にさかのぼる・・・。
 
 
少年「・・?やぁいちご。久しぶり。」
 
い「あ・・・青山君・・・・。」
 
おキヌ(誰です?あの人・・・。)
 
横(この前歩鈴ちゃんからプリクラ見せて貰った時にいちごちゃんと写ってた彼氏。)
 
おキヌ「へぇ・・・なかなかかっこいい人ですね♪」
 
横「ちっ・・・ちょっとイケメンだからって調子こきやがって・・・。」←僻み
 
 
雅也(以下雅)「初めまして、青山雅也です。」
 
おキヌ「初めまして♪おキヌといいますぅ。」
 
横「横島忠夫・・・。」←ムスッとした表情
 
雅「皆さんのことはいちごから聞いています。何だか大変な事になってきたみたいですね。」
 
横「メッチャ他人事やなあんた(キレ気味)。」
 
い「横島さんっ!!・・・ところで青山君はどうしてここに?」
 
雅「ちょっと参考書を買いにそこまで来たんだ。いちご達は買い物の帰り?」
 
い「うん、おキヌちゃんと横島さんと一緒に今日の晩ご飯のおかずを買いにね。」
 
雅「へぇ・・・荷物、持とうか?」
 
い「う、ううんううん!!全然余裕だって!!ほらこの通り♪」
 
ひょいっ←実に爽やかに買い物袋全てを担ぎ上げるいちご
 
雅「そう?本当に大丈夫?」
 
い「本当に大丈夫っ!!」
 
言葉とは裏腹に、いちごの両腕はプルプル震えていた。何だか端から見ていると結構笑える光景である。
 
雅「あんまり無理しないで。」
 
そう言うと、雅也はひょいっといちごの腕から買い物袋をすりとって代わりに持つ。
 
い「青山君・・・・・。」←いい雰囲気
 
雅「いちご・・・・・。」←上に同じ
 
横「離せ!おキヌちゃん!!こいつ等をブッ飛ばすっ!!!(人の存在を無視しやがって!!)」←マジギレ
 
見てて見苦しいです忠夫ちん。
 
 
・・・ってなわけで。
 
両者赤面した後、横島の提案で買い物袋全てをいちごが持つ羽目になったのだ。
 
・・・が、さすがの横島も、ここまで来ると罪悪感しか沸いてこない。
 
横「・・・やっぱ俺持つわ。」
 
横島が買い物袋に手を伸ばした・・・その時、
 
 
ひゅぃぃぃん・・・・・
 
 
何か上空の方から音が聞こえてくる。と、
 
ズドシーンッ
 
おキヌ&い「!!???!」
 
突如空から落下してきた物体・・・それは「COKE COLA」と書かれたコーラの空き缶だった。
 
い「で・・・でかい。」
 
おキヌ「こんなに大きいと・・・飲むの大変そうですねぇ。
 
い「いや、飲めないってこんなにデカいと。」
 
巨大缶へのツッコミの前に缶の下敷きになった横島の心配をしてやれよお前等。
 
少年「おわぁぁぁぁっ!!!」
 
い「んぇ?」
 
ごろごろゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
 
おキヌ&い「「・・・っ!!!でっかい500円玉がぁぁぁぁっ!!!!」」
 
ぶちっ!ぶちゅっ!!←横島が潰れる音
 
説明の必要はないと思うが、突如として二人に迫る巨大な500円玉。
 
あわてて後方から逃げてきた少年と逃げるおキヌといちごだが・・・その後方では
 
最初に缶の下敷きとなった横島に追い打ちをかけるように、地を駆ける500円玉が彼にトドメを刺した。
 
 
・・・・しばらく逃げ回って。
 
少年「・・・ふぅ、危なかった。あいついつになく張り切りやがって・・・。大丈夫?」
 
い「え?・・・はい、大丈夫です・・・。」
 
おキヌ「ところで・・・あなた一体何者?さっきの巨大空き缶や巨大500円玉の事知ってるみたいですけど・・・。」
 
少年「・・・っ!!知らない知らない!俺もいきなりあんなんやられてさ、ビックリしてるんだよ。」
 
い「ふぅ〜ん・・・。」←疑いの眼差しで見つめる
 
おキヌ「・・・?」←取り立てて何も考えてない人
 
少年「んじゃ、俺先急いでるんで!」
 
そう言うと少年は忙しそうに二人の前から立ち去っていった。その後・・・
 
???「この程度の試練で逃げ出すとは・・・たるんでいるぞ主殿。」
 
少年「そう言う問題じゃねーだろ。現に一人缶の下敷きになったし。」
 
???「問答無用・・・行くぞ。・・・・・っ!
 
少年「おわ〜〜ぁぁぁぁっ!!」
 
 
・・・・間。
 
横「怪しいっ!!」
 
い「横島さんが言えた台詞じゃないし。」
 
復活が早すぎるぞってつっこんでやれよいちご。・・・でもそのツッコミも事実。
 
い「よぉっし!!・・・後つけちゃお♪横島さん、荷物お願いね。おキヌちゃんは美神さんに連絡しといて♪」
 
横「あ、お、おい!ちょっと待てよっ!!・・・・あーあ、行っちゃった。」
 
おキヌ「美神さんの性格を考えるとあんまりやっかい事は持ち込まない方が得策だと思いますけどね。」
 
横島の制止を聞かずにとっとと行っちゃったいちごの後ろ姿を見ながら横島とおキヌは呟く。
 
ある意味身内だけに、美神を止められるのはこいつ等だけかも知れない。
 
 
そしていちごのほうは・・・・
 
 
い「まずったなぁ・・・見失っちゃうなんて。多分・・・この辺りだと思うんだけどなぁ。」
 
そう言いながら辺りを見回すいちご。だが、先ほどの少年の姿は何処へやら。完璧に見失ってしま・・・
 
ちゅどぉぉぉぉぉんっ!!
 
前言撤回。以外とすぐ近くにいたらしい。
 
い「あの爆発の方ね♪・・・って、何かここら辺の町並みって見たことがあるような気が・・・。」
 
だんだんと見覚えのある景色に近づいてきたらしく、辺りをきょろきょろ見回すいちご。
 
そして、爆発の著明物は以外とすぐ見つかった。大きな煙を吐き出し、半壊しかけている一軒の家がそこにあったからだ。
 
い「・・・ここって、確か。」
 
少女「あれぇ、お客さんですかぁ?」
 
いちごの後方から妙におっとりとした口調で話しかけてくる少女がいた。
 
雰囲気はおキヌに通じる所があるが、オーラというか彼女の放つ波動はどこか神憑り的なものに近かった。
 
い「・・・・つかぬ事を伺いますが、この家ってまさか・・・。」
 
少女「あら?もしかして太助様のお知り合いなんですか?」
 
い「っ!!マジぃ!!?ここが太助兄の家ぇ?!」
 
いちごの知っているそれとは全く違う。・・・いや、彼女の記憶とはほど遠くその家は原形を留めていなかったからなのだ。
 
それ故に彼女の驚きようもひとしおなのだ。
 
い「じゃあ、あなたが太助兄が電話で話してた・・・居候さん?」
 
シャオ(以下シ)「はい。守護月天シャオリンと申します。・・・シャオと呼んで下さいね。あなたの名前は?」
 
い「も、桃宮いちご・・・。太助兄とは、従兄妹同士で昔からよく遊んで貰ってたの。・・・しっかし変わり果てた姿ねぇ・・・お父さんが見たら嘆くわよ?」
 
シ「大丈夫ですよ。明日には元に戻しますから♪」
 
い「シャオさん・・・ちょっと電話借りてもいいですか?」
 
シ「はい、どうぞ。」
 
そう言うと快くシャオはいちごを家に案内する・・・。そして、電話の子機を譲り受けると、とある場所の電話番号を入力し始めた。
 
その場所とは・・・
 
おキヌ『はい、美神除霊事務所です。』
 
い「あ、おキヌちゃん?あたし、いちごよ。悪いけど美神さんに代わってくれる?」
 
おキヌ『追跡調査は終わりですか?』
 
い「ま、そんなとこ。それよりも美神さんに早いとこお願いね。」
 
おキヌ『はぁ〜い。・・・美神さぁん、いちごちゃんから電話ですよぉ〜。』
 
 
待つこと十数秒・・・。
 
 
美神『・・・・何よ?』
 
い「ケチ!!年増っ!!」 
 
ぶつっ!!←会話切断
 
シ「・・・あのぉ。一体どうしたんですか?」
 
い「ふ・・・ふふふふふ。」←何かを悟ったような笑み
 
少年「ふうぅ・・・。って、いちご!!何でここにいるんだ?!」
 
い「あ、太助兄。ちょうどいいとこに来た♪」
 
太助(以下太)「は?」
 
 
ブロロロロッ・・・キキッ!バンッ!!←ものすごい速度で急ブレーキ、後にドアをけたたましく開けて出てくる音
 
令「何つったぁこんのクソガキャあっ!!」
 
ぎゅおんっ・・・さっ、ばきゃっ!!←いちご、太助を盾にする
 
太「はぎゃあぁぁぁっ!!」
 
シ「きゃあぁぁぁっ!太助様ぁぁぁぁっ!!!」
 
い「ゴメン太助兄・・・。」
 
ゴメンって言うくらいなら最初から盾にすんな。
 
 
・・・・それからしばらくして。
 
 
い「ゴメンっ、本っとにゴメンっ!!太助兄しか盾に出来る人いなくてさぁ・・・。」
 
み「そのあなたの図々しさ、最近あなたセリカに感化されてきたんじゃなくて?
 
みんとちんおおむね正解。
 
太「全く・・・ところで、何でウチで集会なの?」
 
令「あのね、私にわざわざあんた達を事務所まで送ってけっつーの?」
 
太「い、いやそういう訳じゃ・・・。」
 
い「ま、それはともかくとして。今の内にみんなに紹介しておこうと思って。まずは太助兄。あたしの従兄妹だよ。」
 
太「ど、どうも・・・。七梨太助です。」
 
み・れ・歩・ざ『従兄妹なのに全然似てないね。』
 
い「っ!!何でぇ!!」
 
み「あなたと違ってとっても礼儀正しいからですわ。」
 
みんとの核心をついたツッコミに動揺を隠せないいちご。でもま、当たっているから何も言い返せないが。
 
れ「ところで・・・シャオリンさん。守護月天・・ってなんですか?」
 
令「守護月天・・・中国に伝わる月の精霊よ。心の清き者にしか呼び出すことが出来ず、呼び出した者をあらゆる厄災や敵の刺客から守り抜く・・・。それが彼女の役目。」
 
横「へぇ〜・・・精霊っつーともうちっと怖い怪物みたいなイメージがあったんスけどね。」
 
令「それはただの偏見。実際に精霊って一口に言っても、彼女みたいに完全な人の姿をしたタイプの精霊もいるわ。他にも、主に幸せを与える太陽の精霊『慶幸日天』とか、主に試練を与える大地の精霊『万難地天』とか、彼女と似た立場の精霊はいろいろいるわ。」
 
太「二人ともいますよ。」
 
 
・・・・・・・間。
 
 
令「へ??!」
 
太「だから・・・二人とも内に居候してるんですよ。・・・もういいぞ二人とも、出てきても。」
 
太助がそう言うと同時に、となりの台所の影から二人の女性が姿を現した。
 
片方は美神と同じくらいの年頃に見えるおねーさんタイプの女性。
 
もう一人は雰囲気こそざくろにそっくりだが、外見そのものはフツーの女の子・・・。
 
太「紹介するよ・・・こっちが慶幸日天ルーアン。んでこっちが万難地天キリュウ。二人のことについては美神さんが説明したとおり。」
 
令「・・・信じられない。精霊3人に仕えられてるあんたって何者?!」
 
横「美神さんが驚いてるんだからよっぽどスゲー事なんだろうな・・・。いまいちピンと来ないけど。」
 
令「ま、横島クンみたく煩悩で汚れまくった心の持ち主じゃ永遠にないことでしょうけどね。」
 
横「・・・・・・。」
 
いくら正論だからって言い過ぎだぞ美神・・・。
 
い「っていうか・・・太助兄家ん中がハーレム状態だよ。」
 
太「言うないちご・・・なるべく考えないようにしてるんだから。」
 
い「那奈姉は何て言ってた?」
 
太「・・・・・これ以上の詮索は勘弁してくれ。それよりも何か用があって来たんじゃないんですか、美神さん?」
 
令「あ、そうそう。危うくいちごちゃんのせいで脱線するところだった。」
 
元々はただいちごに報復を与えに来たのだが・・・。
 
令「香澄の一件もあるし・・・この際だから私達はアメリカに渡ろうと思うの。」
 
れ「それはまたどうしてですか?」
 
令「ちょっとした仕事の依頼が来たのよ。・・・これを見て。」
 
そう言うと、美神はファイルから一つの新聞の切り抜きを皆に見せた。
 
どうやら海外の新聞らしいが・・・・その記事の写真を見るなり殆どの女性陣が一気に顔を背けた。
 
なぜなら、写真に写っていた物体・・・それは紛れもない人の死体だったからだ。
 
しかもただの死体じゃない。何か凶暴な猛獣に噛み殺されたような傷跡が無数に見受けられる。
 
令「アメリカ中央部に位置する都市・・・ラクーンシティー。ここで3ヶ月前から人が人を食い殺すという狂った事件が発生してるの。」
 
一同『う゛っ!!!』
 
全員の顔から血の気が引いた。そんな事件、ホラー映画でもあまりない。
 
令「んで、アメリカの諜報部が私の所を頼って依頼書を送ってきたってワケ。」
 
み「それが香澄さんと何の関係が?」
 
令「なぁ〜んか臭うのよね・・・GSとしての勘っていうか、怪しいのよ。」
 
い「もしかしたらあの怪物がこの事件と関わってるって事ですか?」
 
令「断言は出来ないけどね。でもま、あんまり私の出る幕はないと思うけど。」
 
ざ「・・・S.T.A.R.S.。確かラクーンシティー警察が創設した私設部隊。メンバーの殆どが傭兵や元空軍隊員って事もあってかその戦闘能力は世界中でも有名よ。」
 
令「そ。でもね・・・そのS.T.A.R.S.の内、先行するブラヴォーチームの消息がつかめなくなっちゃったって言うの。」
 
ざ「・・・!あの特殊部隊が消息不明?!」
 
令「向こうじゃアルファチームの出動も検討されてるけど、それだけじゃ心ともないって。っつーことで・・・。」
 
フィ「急遽美神さんが出張ることになったと。」
 
令「そう、メンバーは私とおキヌちゃん。いちごちゃんに・・・そうね、れたすちゃんについていって貰おうかしら。後、荷物持ちに横島クン。」
 
横「相変わらず俺の立場って変わらないンスね。」
 
令「何か文句でもある??」←拳にワナワナと力を込める
 
横「い、いえそんな事はございませんっ!!(ふー・・・危なかった)」
 
令「後のメンバーは東京に残って、他の事件を担当してちょうだい。・・・出来うることなら精霊であるあなた達の力も借りたいところだけど・・・。」
 
ルーアン(以下ル)「あったり前でしょ!!あたし達はたー様に仕えてんのよ?!」
 
太「止めろルーアン!!」
 
ル「でもたー様ぁ・・・。」
 
太「美神さん、理由を聞いてしまった以上俺達としても何か出来ないか考えてみます。それくらいの時間は貰えますよね?」
 
令「ええ、問題ないわ。とりあえず、東京に残る組のリーダーはフィリア、あなたよ。」
 
フィ「へ?あ、あたしぃ?!」
 
令「そ、あんた以外まともな大人いないんだから。サブリーダーはざくろちゃん・・・でいいわね?」
 
ざ「・・・問題ありません。」
 
令「それじゃ、私達はいちごちゃんとれたすちゃんのパスポートを作ってくるわ。いきなり不法入国で即刻帰国なんて笑えないでしょ?」
 
い「た、確かに・・・。」
 
れ「何だか不安ですね・・・ラクーンシティーって。」
 
 
これが・・・現実のこととなろうとは、今のあたし達には予想にもしなかったことである。
 
そして・・・新たな闘いの序章であるということも・・・・。
 
 
 
第1章「東京激闘編」終わり
 
あとがき
 
とりあえず終了した東京激闘編。今回は話の分岐点ということもあってか、少しシリアスにまとめてみました。
 
えっ、分岐点?
 
そう、スパロボと同じく、選択肢によって描かれる話の内容が違うのです。
 
とは言っても、ストーリー自体に影響はなく、公開される話の順番が変わるだけです。
 
意味無いじゃーんとか言わないで下さい。新しいストーリー考えるの大変なんですから。
 
ってなわけで皆さんへ2択です。以下の話で一番最初に読みたい話はどれですか?
 
 
☆「狂気奮闘編」第一話「狂ったモノタチ」
 
☆「忍者烈進編」第一話「潜入」
 
 
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