いよいよ戦闘開始。『芋ではない』でもつっこみましたが、琳のあのセリフ。ぴったりだニ思いつつ採用したのですが、無意識下のパ
第10話「お前誰だ!!?誰でしょう??」
 
クランカで一晩を過ごし、ピンゼルへとたどり着いたマクベイン一座+αおまけ(嘘)の3人。
 
一行が目にしたのはほとんど廃墟と化した建物の数々だった。
 
「ひどい・・・。いったい誰がこんな事を!」
 
「確か最後にきたのは一ヶ月位前だったわよね?」
 
「うむ・・・カヴァロほど大きい町ではないが、レトラッド最大の街、ピンゼルをわずか三日でここまでやるとは・・・。」
 
一番ショックが大きいのはこの町を一番よく知っているフォルト達だった。
 
半年前は独奏会でにぎわった街だが、今では見る影もない。
 
「壊され方が普通じゃないな。大砲でもブチ込まれたみたいだ。」
 
「大砲って事は、この世界で言うと・・・海賊??」
 
「ま・・・もしそうだとしてもここまでボロボロにする理由が見あたらないわ。」
 
冷静に分析するは太助・リナ・リディアの3人だ。
 
「・・・ひとまず、ここで分かれましょう。また各自で俺の仲間やこの町を破壊した奴らの情報を集めないと。」
 
「そうね・・・。」
 
太助の一言の後、別れゆくメンバー。
 
その一方で町を見回してうつむくリナ。いつになく深刻な表情である。
 
「どうしたリナ?具合でも悪いのか?」
 
「ん?・・・い、いえ。そんなんじゃないけど・・・ちょっと気になることがあって。」
 
「気になること?」
 
「ううん、気にしないで。多分思い過ごしだと思うから。」
 
そういうとリナはそそくさと立ち去ってしまった。
 
「どうしたんだあいつ・・・?」
 
「ああいう言いそぶりって絶対なんかあんのよねぇリナの場合・・・。ま、多分あたしとあいつの考えてる事っておんなじ気がするけど。」
 
「それ・・・どういうことだよリディア。」
 
「何でもないわよ。ほい、さっさと七梨も情報を集めてくる!ぐずぐずしてると殴り飛ばすわよ!!」
 
とても女の子のセリフとは思えない。やはりリディアは人間的にかなり問題がある。
 
リディアに脅され渋々街を探索し始める太助。
 
「しっかし・・・すごい廃墟だな。ここはベトナムか??」
 
荒れ放題の民家や建物をみて中東の戦争地を思い浮かべる太助。
 
すると何かを思いついたらしく、うつむいた直後に
 
「廃墟の建物には誰もはいっきょらん!!」
 
・・・・・・・・しーん・・・・・・・・
 
「寒いな・・・・(泣)。」
 
いっぺん死んできた方がいいんじゃないか、この大バカ主人公は?
 
一人になるとボケちゃいけない時でも一人漫才に突っ走ってしまうのはもはや本能なのだろうか?
 
どちらにしても太助の近くに誰もいなかったのは不幸中の幸いだった。
 
誰かいれば即刻逮捕・連行だろう。
 
寂しさに打ちひしがれながら、その場を立ち去ろうとすると、
 
どこからともなく声が聞こえてきた・・・
 
『お久しぶりですねぇ・・・あなたまでこの世界にやってきていたとは。いやはや・・・』
 
『別に目的があって来た訳じゃないわ。偶然よ、ただの・・・。』
 
太助は何故か競歩で声のする方へと向かう。そして次第に距離は詰まってきた。
 
『ところで、今日はどういったご用件で?ひょっとしてまた我々の邪魔を??』
 
『何度も言うようだけど、私達がこの世界にきたのはちょっとしたトラブルなのよ。・・・でも、あんた達がこの世界でも悪事を働くって言うんだったら私達は見過ごさないわ。』
 
”リナ!!?どうしてこんなところに?・・・あの男、誰だ??”
 
路地の裏の声の主はリナ・・・と正体不明の男だった。背広にスーツ、おまけにシルクハットと、
 
この世界の服装感覚から行くとどう見ても怪しさ大爆発(Byフォルト)だ。
 
『おや?どうやらギャラリーもいらっしゃったようですねぇ・・・。』
 
”げっ!気付かれたか!!”
 
これ以上隠れても無駄だと判断し、陰から姿を現した太助。
 
「太助くん!!どうしてここに?!」
 
「それはこっちのセリフだよリナ!君こそどうしてこんな所に?」
 
「そうですか・・・あなたが噂の七梨太助くんですか。フッフッフッ・・・面白い事になってきましたよこれは。」
 
「なっ・・・どうして俺の名前を??」
 
男はリナはおろか、太助のこともよく知っているような口振りだった。
 
「申し遅れました、私は淋 嚆彷(リン コウホウ)。彼女・・・園部リナさんの世界に生きる闇商人と思っていただければ光栄です。」
 
「闇商人?夜行性なのか??」
 
「・・・・・・」
 
太助の口から突如飛び出したかなり意味不明なボケに沈黙する淋。
 
「噂通り、なにかしらボケないと気が済まないタチらしいですね。」
 
「誉め言葉として受け取っておこう。」
 
そんなもの受け取ってどうする太助よ。第一誉め言葉じゃないだろ今のは。
 
「ま、太助くんのボケはひとまずここにおいといて・・・」
 
「置くなよ。」
 
無意識に飛び出てしまったボケだったので、リナはあっさりと流した。
 
「・・・この街を襲ったのはあんた達ね!!」
 
「襲ったとは人聞きの悪い・・・。私達はあるものを探していたにすぎません。」
 
「あるもの・・・??」
 
「それについては追い追いお話しいたします。それよりも・・・」
 
「???」
 
「面白い世界ですよ・・・ここは。私の創造意欲をかき立てるアイディアに満ちあふれている・・・。」
 
「今まであんたのそのアイディア見てきたけど、どう考えたって悪趣味そのものじゃない。」
 
「手厳しいご意見ありがとうございます・・・。」
 
「いや、あの・・・そう言う意味で言ったんじゃないんだけど。」
 
それはきっと絵にも描けないほどグロテスクなアイディアなんだろう。
 
どどーん
 
『きゃあぁぁぁーっ!!!』
 
『怪物だぁー!!鉄の魔獣だーーーっ!!!』
 
大きな轟音とともに聞こえてくる街の人たちの悲鳴。
 
「!!何をしたの!!?」
 
「今あなた方に私の邪魔をされては困るんでね。・・・ちょっとした遊び相手をご用意させて頂きました。」
 
「何ですって!!」
 
「それでは、また会う日まで・・・。」
 
ばさっ!!
 
淋はどっからともなく出してきたマントを翻し、建物の屋上へと一気にジャンプした。
 
「・・・さぁ!ビジネスの始まりですよ!!!ハーッハッハッハ・・・」
 
淋は嫌みな笑い声を残して何処かへと消えていった。
 
「・・・14年間生きてきてこれほどタチの悪いビジネスに遭遇したことないぞ俺。」
 
「太助くん急ごう!!街の人たちが危ない!!」
 
「おう!合点承知の助!!」
 
太助は何かのキャラになりきってリナの後を追う。果たして、太助達はピンゼルの街と
 
そこに暮らす人々の平和を取り戻すことが出来るのか!!?
 
次回を待て!!
 
 
to be continued!!
 
 
 
あとがき
 
いよいよ戦闘開始。『芋ではない』でもつっこみましたが、琳のあのセリフ。
 
ぴったりだと思いつつ採用したのですが、無意識下のパクリであることに後に気付く。
 
takkuちん大失敗ぃ・・・。