あとがきどうですか!乎一郎に新たな必殺技が!!その名も『乎一郎レーザー』!!メガネから発射するのがポイントです。ていうか
第13話「船って初めて?んなこたぁない。←タモリ調」
 
 
 
現在一行はレトラッドの南部に位置する港町、ファゴットに到着したばかりである。
 
ファゴットはクランカで織られた織物を海外に輸出できるレトラッド唯一の港町である。
 
・・・街と言ってもそれほど大きくなく、雰囲気はラコスパルマに近い感じである。
 
 
「うわぁ・・・海風が気持ちいいなぁ。」
 
街に着くなりフォルトが背伸びをする。よほど疲れがたまったのだろう。
 
「これが海というモノか・・・。確かにこれはすごいな。」
 
「あれ?実さんは海を見たこと無いの??」
 
少し驚いた様子でウーナが尋ねてくる。
 
「あぁ・・・。俺は月で生まれてずっとそこで生活していたからな。現物の海を見るのは生まれて初めてだ。」
 
「あたしもよ。」
 
海の広大さに感動するOCSIANの二人。
 
「さて、ここからいよいよ旅も本格化するぞ。グレイスール共和国は広いからのう。皆覚悟しておくんじゃぞ?」
 
「「「「はぁ〜い!!」」」」
 
緊張感全くナシのフォルト・ウーナ・リナ・リディアの四人。
 
ここに来てもこいつ等のテンションは相変わらずだ。
 
「船が着くまでまだ時間があるから各自この町で買い物などしておくのも良かろう。」
 
「さんせーい!!さっ、実くん行こっ!!!」
 
「あっ、お、おい!どこに行くんだ!ていうか何で俺が付き合わなきゃいけないんだぁぁぁぁ・・・!!
 
実、完全にリディアの手玉である。
 
「じゃあ俺は仲間を捜すとするか。」
 
「んじゃあ僕も。」
 
「あっ、フォルちゃん待ってよぉ〜!!」
 
すたこらと歩き始める太助の後を追うフォルトとウーナ。
 
一方・・・
 
「じゃあわしは酒場で興行でも始めるかの。」
 
「じゃあ僕は町の人たちの毒電波洗脳大会でも・・・」
 
 
どどーん!! ←ファイヤーボール
 
 
どこからともなく降り注いだ火の玉によって、乎一郎は町民の洗脳を行う前に火達磨と化し、
 
海の藻屑となってしまった・・・。
 
 
 
・・・数分後
 
 
 
「・・・いないね。」
 
「これだけ探してもいないって事はファゴットにはいないんじゃない?」
 
ファゴット中を探し回っても、手がかりすら得られない三人は半分諦め調になってきた。
 
「・・・まぁ、レトラッドじゃあリディア・実・乎一郎が見つかっただけまだマシか。」
 
「じゃあ残りの人たちは他の大陸にいるって事?」
 
「多分・・・そしてシャオも・・・。」
 
・・・沈黙
 
「ところで太助くん。そのシャオって女の子・・・どんな子なの?」
 
「何て言うか・・・その・・・ある意味不思議な女の子だよな。感じはリナに近いかな?」
 
「ふぅ〜ん・・・。」
 
しばらく黙り込む三人(+2匹)。
 
「天然が二人もいるといろいろと大変そうだね。」←フォルト(酷い)
 
「いや、むしろ天然の本家本元だけに、ある意味リナ以上だよ。」←太助(更に酷い)
 
この男は本当にシャオに惚れているのだろうか?今更ながら疑問である。
 
「離珠、どうだ?この辺にシャオ達の気配はあるか?」
 
『ダメでし。全然分かんないでし・・・。』
 
「・・・その様子だとダメっぽいね。」
 
「フォルト君もかなり離珠の言ってる事とか分かってきてるね。」
 
「そりゃ、顔に出てるもん。」
 
離珠はシャオ以外の輩と話すときには、絵言葉のほかにも自らの表情も駆使して
 
会話してくる。こんな時は念波で会話できる乎一郎の変態技が羨ましい。
 
 
ぼ〜〜っ・・・
 
 
遠くの方で汽笛の音がした。どうやら船が到着したらしい。
 
「わっ、まずい、船が来たぁ!!」
 
「太助くん行きましょ!!」
 
「ああ!ジャンとリックも急げよ!!」
 
「ばう〜」←今まで寝てた
 
「くきゅう〜」←上に同じ
 
汽笛に慌てふためく三人。
 
ところで最近離珠とジャン&リックの影が薄いのは気のせいだろうか?
 
『気のせいじゃないでしっ!!』←冷静に作者につっこむ
 
「ばう!!」←上に同じ
 
「くきゅきゅっ!!」←同上
 
・・・そうらしい。ごめんなさい(泣)。
 
かくして、ファゴット発→クルダ行きの船『ストマックロー号』は、軽やかに海原を蹴り上げ、
 
ファゴットを発ったのだった・・・。
 
 
・・・・・・
 
 
「おえぇぇぇぇぇ!!」←(注)太助
 
船に搭乗して数分後、早くも自らのストマック(胃袋)にクロー(爪)が直撃した、哀れな主人公であった。
 
「汚いなぁ〜太助くん。」
 
「主人公のする事じゃないわね。」
 
そしてこんな時でも容赦ない乎一郎とリディア。他にもっと言いようがないのかお前等。
 
「・・・何でお前等平気なんだよ。」
 
「あたしはそこら辺は訓練で慣れてるから。」
 
「僕は自己暗示。」
 
「ちょっと待て。自己暗示ってめっちゃウソ臭いぞ。」
 
太助の言いたいことももっともであるが、なまじウソとも言い切れない。
 
「・・・しょうがないなぁ。じゃあ僕が手本を見せるからよく見ててよ?」
 
「・・・・。」
 
太助は半信半疑で乎一郎の自己暗示を見学することにした。
 
酔っちゃダメだ・・・酔っちゃダメだ、酔っちゃダメだ、酔っちゃダメだ、酔っちゃダメだっ!!
 
「・・・・・・」
 
しばし太助、黙り込む。
 
「・・・さぁ、これでもう酔わなくなったよ。」
 
案の定繰り出された変態技にもはや限界に達しようとしていた太助。
 
「ちょっと向こうで話がある。ついてこい乎一郎・・・。」
 
「何で錨(いかり)を手に持ってるの??」
 
乎一郎は太助から放たれる殺意のオーラをびんびんに感じ取っていた。
 
『危険だ!!』そう判断した乎一郎は、太助の手を振りほどこうともがき始めた。
 
 
じたばたじたばた!!←乎一郎が必死の抵抗を続けてる
 
 
「誰か〜!!誰か警察を〜!!若しくはそれに準ずる人〜!!」
 
・・・・・
 
殺る気満々ね・・・。
 
じたばたし始めた乎一郎を、無理矢理船底の倉庫へと引きずって、明らかに何かをするつもりの太助。
 
そして、今まさに惨劇に巻き込まれようとしている乎一郎に合掌をしながら、
 
静かなる傍観者でいようと心の中で誓っていたリディアであった。
 
 
そのころ、マクベイン一座達は・・・
 
「船の上で飲むお茶もまた格別じゃのぉ・・・。」
 
「海風もまじってとってもおいしいね。」
 
「ほんとぉ・・・。ほんわかしちゃうぅ〜・・・。」
 
「おかわりありますから、どんどん飲んでくださいね♪」
 
お茶をゆっくり飲みつつ、リナ・実と船旅を満喫していた。
 
乎一郎殺人事件の存在も知らずに・・・・・・。
 
 
 
おまけ第2段!!
 
『あぁ〜・・・。何かお花畑が・・・綺麗だなぁ・・・。』
 
『乎一郎やぁ〜〜・・・』
 
『あ、あれは死んだはずのおばあちゃん・・・。おばあちゃんが・・・僕を迎えに来たの?』
 
『乎一郎やぁ・・・久々に行くぞぇ〜〜』
 
『うん、分かった。そーっれっ!』
 
びー←おばあちゃんビーム(入れ歯から発射)
 
ずびばー←乎一郎レーザー(メガネから発射)
 
 
どどどーん←ビーム&レーザーが衝突、双方爆風で吹っ飛ぶ
 
あの世で祖母と奇妙なスキンシップを取って、改めてその愛を確認する乎一郎であった。
 
 
to be continued!?
 
 
 
あとがき
 
どうですか!乎一郎に新たな必殺技が!!その名も『乎一郎レーザー』!!
 
メガネから発射するのがポイントです。ていうか人じゃねーっすこの二人。
 
そもそも入れ歯やメガネからビームorレーザーって不気味すぎる。