takkuちん再び大失敗ぃ〜〜♪←反省しろよ
第19話「古(いにしえ)の力、魔導玉」
 
 
ちょっとした大特訓から二日後、無事にビエントを発った一行。
 
一同は次なる目的地、水琴洞へと向かっていた。ビエントでの情報収集にて、
 
近頃その洞窟から不気味なうめき声が聞こえるという噂が立っているのだ。
 
 
「うめき声ねぇ・・・。どんな奴が唸り吠えてんのかしら?」
 
「さあな・・・。だが、行ってみるにこしたことはないだろう。何か手がかりが得られるやもしれん。」
 
 
・・・・・
 
 
実とリディアの会話を聞きながら、ついつい唸ってしまった一行。
 
「・・・いくら何でも、違和感がなさすぎる。」
 
「あの日の夜にいったいどこまでヤったのかのう?」
 
このSSでそんなエロまった台詞をはくなマクベイン。
 
「さぁ?でもたぶんあの様子じゃ、キスぐらいはいったんじゃないの?」
 
ずるっ!!←フォルト・ウーナ・太助・リナ、全員ずっこける
 
レイチェルの一言に盛大にずっこける太助達。その表情からいかに4人が驚いているかが顕著に分かる。
 
 
「「き、キキキキキスだってぇ〜〜!!?!」」←フォルト・太助
 
「わたしだってフォルちゃんとしたこと無いのにぃ〜〜!!」←ウーナ
 
「っていうか、実君いつ、そういう風なの平気になったの??!」←リナ
 
思いっ切りツッコむ四人。お陰で二人にもバレバレだ。
 
「大声でそんな台詞を怒鳴るな。」
 
「・・・・・・。」
 
実は冷静につっこむが、当のリディアは俯いて真っ赤になった。
 
 
「それがどうした。俺達は前々からこんなんだぞ?今日は特につっこみがないだけでいつもと変わらん。」
 
「毎日ツッコミっぱなしってのも、どうかと思うぞ俺は。」
 
やはりこういう時は冷静に主人公がツッコむのが定番なのか、太助が毒混じりのツッコミを繰り出す。
 
でも、あがなち実の言うことも間違いではない。
 
「でもキスはしたわよ。ちなみに初めての・・・(ハート)。」
 
・・・・・
 
ウブ三人(フォルト・太助・実)、撃沈。
 
 
それからしばらくして・・・・
 
 
「さて・・・いろいろあったが、水琴湖に到着じゃ。」
 
「確か半年前には、ここで『水』の共鳴石を手に入れたんだよね。」
 
「共鳴石?」
 
「共鳴魔法を発動させるために必要なフレーズが刻まれた石の事じゃ。」
 
「・・・にしても、とてもそんな有り難い物があったとは思えないわね。この荒れ様じゃ。」
 
リディアの言うとおり、洞窟の入り口は入り口がどこかのかすら分からないほど崩れてしまっている。
 
「あと、何だか嫌な感じだね。今にも怪物か何かが出てきそうだよ。」
 
・・・・・・
 
「乎一郎、いつからいたんだ?」
 
「気付くの遅すぎるよ太助くん。そしてさっさとつっこんでよ、僕の存在が曖昧になってることに。」
 
「あぁ、悪い悪い。物語がだんだんシリアスな方向に行ってたから、今つっこんだら一気に雰囲気が台無しになると思ったからな。」
 
「どういう了見なのそれ?」
 
確かに作者自身も忘れかけていた。←大問題
 
「でも、乎一郎さんの言うことも間違っちゃいないわよ。・・・だって」
 
ウーナが指さした先には・・・・
 
巨大なトカゲのようなしっぽが
 
 
「うわぁ・・・嫌なオーラびんびんだなぁ。」
 
「大体ゲームとかだと物語を進めるのに重要なアイテムとかがあるんだよね、こういうシチュエーションって。」
 
いくらゲームのSSとは言えど、オチを言っちゃお終いである。
 
「どうする?行っちゃうの?」
 
「行くしかあるまい。と言うよりも、行かねば話が進まん。
 
マクベイン、それは作者のセリフだ。勝手に人の役目を奪うな。
 
 
・・・・・・数分後
 
 
「大分奥まで進んだけど・・・何にもないよ?」
 
「ガセネタか?これは・・・。」
 
「はっきりする前からそんな後ろ向きなこと言わないでよ。」
 
などと、フォルト・ウーナ・実は案の定愚痴っていた。
 
が、約一名違っていた。・・・太助である。
 
 
封印を・・・解け・・・・・。来るべき時が・・・来た・・・のだ。我を・・・解き放て!
 
 
「なんか・・・声が聞こえないか?野太い男のような声が・・・。」
 
「え、何が?」
 
「何にも聞こえないよ?」
 
「太助くんついに幻聴が聞こえ始めたの?」
 
直前の2名(リナ・フォルト)のセリフはまだいいとしても、乎一郎のダメだしには太助は少しムッときた。
 
「何でこんな時にボケなきゃいけないんだよ。俺はマジで言ってんだっ!!」
 
「この話(裏月天)での太助くんが言っても全然説得力がないよ。」
 
「「同じく」」←リディア&実
 
「・・・・その言葉、そっくりそのまま返すぞこの錬金術師&異常人カップルが。」
 
やっぱりこの4人が絡むと一気にシリアスな雰囲気が台無しだ。
 
とまぁ、一行が何やら馬鹿なことをしていると・・・
 
「遂に・・・遂に来たか。選ばれし者よ・・・・。」
 
「なっ、誰だっ!!何処にいる?!」
 
「隠れてないで出てきなさいよ!!」
 
叫ぶ実とリディア。だが、二人の声は届いていないらしく、謎の声はさらに話を続ける。
 
「我は水聖神『ヴァンヴェリッシュ』。力ある者よ・・・我と闘い、その力を示せ!!」
 
「なっ!!」
 
どどーん!!
 
突如太助達の目の前に巨大な水龍が出現し、周辺の水という水が一気に集結し始めた。
 
「なっ、何?!何がいるっていうの??!」
 
「リナ!?見えてないのかアレが?!」
 
どうやらあの巨大な水龍『ヴェンヴェリッシュ』は、リナ達OCSIANメンバーには見えてないらしい。
 
となると、まともに戦えるのは・・・。
 
「くっ、やるしかないのか!!言っとくけど、ボケは厳禁だからな乎一郎!!」
 
「分かってるよ太助くん、それくらい。」
 
それではあまりにも乎一郎が可哀想だぞ太助。
 
「でえぇぇぇぇいっ!!」
 
ぐおぉぉぉぉぉっ!!
 
「縦!一文字斬りぃぃぃっ!!」
 
ずばっっ!!
 
太助は前回拾得した必殺技を早速試すため、一気にヴェンヴェリッシュに斬りかかった。
 
が、ヴァンヴェリッシュの周辺を取り巻く水が邪魔して思うように攻撃できない!!
 
「水がっ!!」
 
「太助くん任せて!!ここは『力』の共鳴魔法で・・・」
 
フォルトはキタラを構え、共鳴魔法のフレーズを奏で始めた。
 
聞いてて体が疼いてくる激しい曲調だ。
 
「よしっ!これなら・・・縦・一文字斬りっ!!!
 
ずばばっ!!!
 
「っ!!ダメだ、水の膜が厚すぎて攻撃が届かない!!!」
 
太助の必殺技2連続にも、全く揺るがないヴァンヴェリッシュの水の障壁。
 
「くそっ!!どうすればいいんだ・・・。」
 
「・・・どうやらあの水の固まりの中に何かいるみたいね。」
 
「でもどうすんの!!いくら何でもあの水の塊をどうやってぶっ壊すの?!」
 
実とリディアの言うとおり、水のバリアはごく一部を取り囲むように展開し、太助達の攻撃を阻んでいる。
 
だが、たった一カ所だけ、水で囲まれていない場所があった。リナはそこを狙っているのだ。
 
「一か八か・・・やってみる!!」
 
「見えもしない敵に、どうやって攻撃を?!」
 
「忘れたのかリディア!『目に見える物が常に真実ではない。真実とは常に虚像の裏に隠れるもの』といつも俺が言っているではないか!!」
 
「そういうこと。姿は見えなくても、気配だけで十分に狙える!!」
 
そう言うと、リナは両腕を構えて呪文を唱え始めた。ポーズ自体はファイヤーボールと似てはいるが、
 
大きな違いは、腕の方向が真上ではなく地面の方向であるということだ。
 
「我唱えて汝に求めん・・・。猛(たけ)き炎は地竜と化し、我らの敵を討ち砕かん。その炎稲妻の如く大地を裂きて邪悪を砕く!!」
 
詠唱が終わると同時に、リナは地面に両腕を突き立て、大きく叫んだ。
 
「走れっ!!ブレイズウォォォォォルっ!!
 
どむっ!・・・ズゴゴゴゴゴゴゴゴ
 
どどーんっ!!
 
水のバリアの真下から巨大な火柱が立ち上り、ヴァンヴェリッシュの体を貫く!!
 
「グオォォォオォォォッ!!」
 
ヴァンヴェリッシュは奇声を上げて大きく崩れ落ちた。
 
それと同時に、奴の周辺を覆っていた水のバリアも一気にはじけ飛んだ。
 
「太助くん、今よっ!!」
 
「ああ、分かった。フォルト君、力を貸してくれっ!!」
 
「オッケー、合わせるよ!!」
 
チャンスを逃すまいと、剣を構えて攻撃態勢に入る太助とフォルト。そして、
 
「瞬っ!!」
 
「斬っ!!!」
 
大きく剣を構えて一斉に突撃する二人!!ヴァンヴェリッシュも、体勢を立て直そうとするが、
 
炎にやられて力が出ない!
 
「「双頭・剛斬剣っっ!!!」」
 
双方共に縦・一文字斬りを繰り出し、ヴァンヴェリッシュに大きなダメージを与えた!!
 
「とどめは僕の番だ!!必殺・乎一郎レーザショット!!
 
ずびばー←メガネから大出力レーザー発射
 
ちゅどぉぉぉぉんっ!!
 
ちゃっかりあのときのネタを必殺技に仕立て上げていた乎一郎。
 
なにはともわれ、これで完全にヴァンヴェリッシュは行動不能となった!!
 
パーティーは戦闘に勝利したっ!!
 
「「「よっしゃあぁぁぁぁっ!!」」」
 
全員一斉にガッツポーズを取って、喜びを表現する。その直後・・・
 
「しかと見た・・・主らの猛き力。主等なら越えられるだろう・・・時の定めに。」
 
「えっ??時の定めってどういう事?!」
 
「邪な力によって時は狂い、悪しき力によって運命を越える力は封じられる・・・。我は其れを阻止するために・・・主等と契りを交わさん。受け取れ、我が魔導玉『ヴェリアクア』を・・・」
 
「ちょ、ちょっと待てっ!!んな意味深な事いきなり言われて、どうしろってんだ!!?」
 
「時間が・・・・な・・い・・・の・・・・だ・・・・・。」
 
すうっ・・・
 
ヴァンヴェリッシュの体は次第に透明になっていき、ついには消え去ってしまった。
 
そしてその場に残ったのは・・・・
 
「これが・・・魔導玉って奴か。」
 
魔導玉「ヴェリアクア」は、澄んだ淡青緑色をしており、吸い込まれる印象さえ受ける。
 
大きさはちょうどスーパーボール並といったところだろう。
 
「これどうやって使うんだろう?」
 
ヴェリアクアを拾った太助自身、どう扱っていい物か分かりかねる代物だった。
 
危険な物なら、自分たちが持ち歩くにはあまりにも物騒すぎる。たとえツッコミ用としても。
 
「魔導玉は猛き力の象徴に付属させることでその力を発揮できる・・・。力の使い方は各々の魔導玉が教えてくれるだろう・・・。」
 
「猛き力の象徴・・・武器のことか。」
 
「それがしの他にも、魔導玉を持つ聖神獣は5神ほどいる・・・。全ての魔導玉を集め、愚者の悪しき野望を阻止するのだ。」
 
「了解、任しといてくれ。」
 
こうなったらもう野となれ山となれだ。太助はそう思って開き直った。
 
 
・・・・・・
 
 
「結局言いたいこと言ったらとっとと消えちまったな。」
 
「そうだね、でも使えるのって僕と太助くんと・・・」
 
太助の方を一回チラッと見た後、他のメンバーを見回す乎一郎。
 
「わし等は共鳴魔法があるから別によいぞ。」
 
「使わないに越したことはないけどね。」
 
「じゃあ残るは・・・」
 
そういうと、リナ達の方に視線を向ける太助。だが、
 
「・・・・私達には、ムリみたい。」
 
「ああ。お前達に聞こえた声が俺達には聞き取れなかったということは、ハナから俺達にはその魔導玉を使う資格は無いということだろう。」
 
「姿すら見えなかったしね。」
 
あっさりと否定した三人。
 
「それじゃぁ・・・俺と乎一郎だけか。現時点では。」
 
「じゃ、太助くんが使いなよ。僕は大丈夫だから。」
 
「ああ、遠慮なく使わせてもらうよ。」
 
太助も太助であっさりと承諾した。何だが乎一郎が魔導玉を使わなくても大丈夫そうな言い方だな。
 
 
 
その後・・・
 
(資格か・・・。ま、無理もないか。私達じゃ・・・)
 
(呪われた運命・・・・これからもずっとか・・・・・。)
 
(所詮は闇より生まれ、闇へと還る者の宿命か・・・。)
 
 
(((私(俺)達は、いつまでこの十字架を背負わなければいけないのだろう・・・・・)))
 
 
意味深な終わり方でごめんなさい。
 
 
 
                                              to be continued...
 
 
おまけ
 
 
実「そういや、京介は?」
 
リナ「何だか、『もう俺の時代は終わったから』っていって、怪我が治るなりさっさとどっかに行っちゃった。これ置き土産の雨の群雲、使ってくれって。」
 
実「哀れな奴・・・。何だか哀愁漂う背中姿が容易に想像できるな。」
 
リディア「遠藤も遠藤で、最近存在が甘くなってたし。」
 
三人一斉に顔を見合わせて・・・。
 
三人「「「って全てお前のせいじゃん、takku。」」」
 
 
ごめんなさい...
 
 
 
 
あとがき
 
前々回は実達のラブシーンに力を注ぎすぎて京介達のことをすっかり忘れてました。
 
takkuちん再び大失敗ぃ〜〜♪←反省しろよ