第二話「お祭りワッショイワッショイ」
 
 
ある晴れた日曜日の朝、七梨家に届けられた不審な小包。
 
家主の太助は未だにその小包の封を開けることをためらっていた。
 
すでに小包が届いてから二時間弱ほど経過していた・・・。
 
「たー様、早いとこ開けましょうよ!」
 
「そうですよ太助様・・・多分大丈夫ですから。」
 
どうやらシャオも不安になってきたらしい。
 
「うーん・・・どうしよう。マジで俺不安なんだよな。」
 
「だからさ七梨、お前がそういう風に考えるとホントにそういう展開になるんだからもうちょっとプラス思考でいけよ。」
 
 
言われてみればそんな気がしないでもない。
 
 
翔子の何気ない一言が太助をさらに追いつめる。
 
そしてついに・・・
 
「・・・よーっし!俺は開けるぞ!この小包の封を解いてやる!」
 
「おぉ、七梨が珍しくやる気を出したぞ。」
 
”・・・・・・”
 
一同、しばし沈黙。
 
「「茶々入れない!!」」←太助&ルーアン
 
それでは普段太助がやる気を出してないように聞こえる。
 
もうちょっとマシな言い回しなかったのか翔子よ。
 
さらに翔子が、太助の決意を試す一言を発した。
 
「でももしとんでもない代物だったらどうする?」
 
「いや、この中身は石鹸か何かだ。危険な物ではない!俺はそう信じたい!!ていうかそうであって欲しい!!
 
「ホントにプラス思考でいってるよ・・・っつーかなんてねじ曲がったプラス思考だ。
 
「・・・・・・(怒)」←太助
 
 
どうやら翔子はとことん太助を小バカにしたいらしい。
 
というよりも太助は翔子に言われた通り、物事をプラスへ持っていったつもりなのに、実際はこの有様である。
 
太助はこみ上げる怒りを抑えつつもカッターナイフで包装紙を切り開ける。
 
すると・・・
 
「なんだコレ?」
 
包装紙とプチプチ(小包なんかを包むプツプツしたアレ)を取り除くと、妙な小型の機械が出てきた。
 
ぱっと見た感じ、ビデオカメラの様にも見える。
 
 
 
選択肢です・・・
 
1:スイッチを押す。
 
2:破壊。
 
3:FBIに分析を依頼する。
 
 
3は常識からいって実現不可能(なら書くなよ)だし、2だと後が怖いので、太助は無難に1を選んだ。
 
「なんか、スイッチがあるけど・・・押してみるか?」
 
「大丈夫でしょうか・・・?」
 
不安がるシャオ。
 
恐る恐る太助がスイッチに指を近づけた時・・・
 
どかーん!!←翔子(嬉しそう)
 
「!!!!!!」←他の四人
 
いきなり翔子が大声で叫ぶものだから全員はすごく驚いた。
 
普段はクールなキリュウでさえ仰け反ってしまったのだからその驚きようがよく分かる。
 
「いきなり何するんだよ!」
 
「お約束」さらに嬉しそうな翔子
 
「頼むから今は止めてくれ!!」
 
太助の言い分ももっともである。
 
・・・作者完全に著作権違反。
 
 
うぃーん・・・
 
 
「????」
 
どうやら先ほど驚いたショックでスイッチを押してしまっていた様である。
 
何か中でカラカラと音がする。
 
「何でしょう、この音?」
 
シャオが不思議そうに耳を傾ける。
 
「この音って、パソコンのHDDの音に似てるな。」
 
「中で何か読みとってるのかな?」
 
どうやら爆発とかその辺の心配は無いと安心したらしい。
 
一同の緊張が一気にほぐれる。
 
やがて音が止み、機械から映像が映し出された。
 
「・・・?何だこいつ??」
 
映し出されたのは自分達と同い年らしき少年。しかも立体映像(ホログラフ)っぽい。
 
金髪のツンツン頭が印象的である。
 
『パンパカパーン!パンパンパンパンパッパカパーン』
 
「今度は一体何なんだよ!」
 
少年はいきなり自己紹介もなしにバカ騒ぎをし出した。
 
これでは太助達でもワケが分からない。
 
『おめでとうございまーす!200X年世界総人口数64億飛んで5万2733人の中から、七梨家の皆様は見事ご当選されましたー!!』
 
・・・・・・
 
黙り込む一同。
 
『・・・黙り込んでたらあきまへんがな、なんか【わーい】とか【やったー】とかリアクション見してーな。』
 
『!!!!?』
 
一同はかなりびっくりした。映像のはずなのに的確に状況を把握してつっこんで来たからだ。
 
こちらの行動パターンが読まれているのか?
 
「・・・それはそうと、何に当選したんだろ?俺、懸賞とか送った覚え無いんだけどな。」
 
『分かりました、ご説明しましょ。皆様が当選なさったんは【OCSIAN SPECIAL FESTIBAL】・・・まぁ早い話が軍の記念式典ですわ。』
 
また的確に答えてきた。
 
どうしてこうタイミング良く会話(?)出来るのかが不思議だ。
 
関西弁というのも気になる。
 
『ちなみに説明すると【OCSIAN】っつーのは、俺ら・・・もとい我々が住んでる時代の防衛軍みたいなモンですわ。んで、そのOCSIANでは2年に一度ほど、特定の時代からVIP招待客を選び出して、その人達には小さな時間旅行を楽しんでいただこうと・・・そういう企画をご用意させてもらっとるんどす。
 
さりげに語尾が舞子さん風になっていた。
 
太助達は驚きの連続である。
 
「・・・ちょっと待て。ってことはもしかしてこの機械は・・・」
 
『その通りです。みなさんの住んでる時代よりも更に未来の世界から送らせてもらいました。』
 
「だからタイミング良く会話してくんなよ気持ち悪いーだろ!!」
 
・・・・・・
 
『しくしくしくしく・・・』
 
「「えーい泣くな!!」」
 
 
翔子&太助、同情の余地全くナシ。
 
それにしてもこの少年のリアクション、本当に太助達の会話が聞こえているみたいな反応だ。
 
「・・・にしてもすげーな七梨。時間旅行だってよ!軍の催しモノって言うのが気に入らないけど。」
 
「あ?・・・あぁ。そいつはすごいな。」
 
「何だよその淡泊な反応は?嬉しく無いのかよ。」
 
「いや、俺は既に二回も時間を越えた事があるから、それほどは・・・。」
 
事実、太助はシャオの星神「南極寿星」の力によって、二度ほど過去へとタイムスリップをした経験の持ち主である(一回目:原作6巻にて・二回目:小説第5巻)。
 
そんな彼にとってはもはや時間旅行などそれほど珍しいものでもないらしい。
 
 
『なお、こちらの世界への移動方法は後日に使者を送るので、とりあえず今回はお返事だけ下さいませ。』
 
「・・・何故普通の会話のように話せるのかは説明しないのね。」
 
「ある意味覗かれているみたいで不気味だな。」
 
ルーアンとキリュウが続けて呟く。
 
キリュウの言う通りだとすると、明らかなストーカー行為に等しい。
 
「・・・時間旅行か。どうせ暇だし、たかし達を誘って行ってみようかな?」
 
「わぁ、いいですね太助様
 
「面白そうだな。あたしも連れてってくれよ七梨。」
 
太助がOKすると同時にシャオと翔子は大賛成の意を見せる。
 
時間旅行など滅多にできるものじゃないし、未来の世界を見物というのも少し興味があったからだ。
 
「それじゃあ決まりだな。」
 
『まいど、おーきに。じゃあ、上の方にはOKと言うことで報告しておくんで一週間後に使いの者を寄こしますさかい。それじゃあお達者で〜。』
 
ヴン
 
少年が手を振った直後に機械の電源が切れ、映像が消えた。
 
・・・と思ったらまた電源がついた。
 
『P.S. なおこのホログラフ投写機は数秒後に、機密保持のため消滅します。ご了承下さい。』
 
「ちょっとまてえぇぇぇ!!」
 
慌てて隠れ場所を探す一同。
 
その5秒後・・・
 
どーん!!←大爆発
 
大地をも揺るがすその爆発によって七梨家宅は半壊し、そのときの状況は3週間に渡って近所の話題を独占したという・・・。
 
 
 
                                              to be continued!?
      
おまけ
 
「なあ七梨・・・もしかしてあたしら、あんなオチで死んだのか!?」
 
「そんなことはないぞ山野辺!こうやって頬をつねってみれば実際に死んだかどうか分か・・・」
 
バキィ!!
 
「痛い・・・。」←太助(涙目)
 
「よかった、あたしら死んでなかった♪」
 
 
                                              今度こそto be continued
 
 
あとがき
 
やむなしのオチ。オリキャラが中途半端のデビューです。