第26話「腹が減ってはツッコミも出来ぬ」
太助「アイスはまぐりっ!!!」
・・・のっけからぶっ飛んだ発言をしている太助だが、彼の心境は下の乎一郎の通り。
乎一郎「もしかして『I’m hungry.』の事?」
太助「ああ。・・・でもニュアンス的にこっちの方がイイかと。」
ぷすっ←久々の毒針
ぐにゃり←崩れ落ちた
久しぶりという事でやや毒は控えめだが、僅かに痙攣し始めた太助。もはや見慣れた光景である。
太助「・・・久々のツッコミありがとぅ。」←語尾だけウーナのマネ
乎一郎「全く、いくら世間はアテネ一色だからってジェネレーションギャップを感じさせるようなネタは止めてよ。」
実「・・・・・前々回のシリアスな雰囲気がウソみたいだな。」
リディア「平和な事ってやっぱりいいわねぇ〜。」
痙攣しながらも気が済んだのか、一応ツッコミを入れてくれた乎一郎に礼を言う太助。
そんな光景を見ながら平和を噛み締める他多数。
こんなやりとりで平和を感じる感性はいささか問題があると思うのは作者だけだろうか?
一応捕捉しておくと、一行は新たなる街『ボザール』に到着した直後である。
つまり、初っぱなのやりとりは街の入り口で行われたものである。恥も躊躇いも何も無し。
まぁこのメンバーにそんな事を期待する事自体無駄な事なのだが。
マクベイン「さ〜ってと・・・太助くんも言っておるが小腹も空いた事だし。」
フォルト「アルトスさんのパン屋で買い物だねっ!!」
ウーナ「もぅ2人とも・・・。」
街に入るなり入り口付近に建てられているパン屋に入るマクベイン達。
一方の太助達も、パンの焼ける香ばしい匂いに誘われ、そのパン屋へと向かった。と・・・
???「おっちゃ〜〜んっ、クルミパンいつもの数頼むでぇぇっ!!」
どげしっ!!
実「あごっ!!」
何やら何処かで聞いた事のある声の主は、今まさに店へと入らんとしていた実を郊外へと吹き飛ばし、
勢いよくカウンターへと突っ込んできた。
パン屋のおじさん「おぉ、ルプシャ女史ン所の・・・えーと。」
剛「剛や剛!赤坂剛や、おっちゃん。まぁここらじゃ珍しい名前らしいけどな。」
リナ「剛くん、アロハ〜♪」
剛「ん?・・・な、え・・リナ?!っつか他にもいっぱい??!!」
実「その前に・・・お前何か言う事あるんじゃないか?」
やっとの事で戻ってきた実はこめかみにぴきマークを浮かべつつ、真剣な表情で剛に迫る。
剛「おぉそやった、そやった・・・。
お嬢様方初めまして〜〜俺はOCSIAN第14支部L.C.
部隊所属、A級ソルジャーの赤坂剛でぇぃ〜っす!!」
すすぱぱここーんっ!!(リナ&実)←フランスパンで引っぱたく
剛「う〜ん、ツッコミのアンサンブルとはなかなかおつな事を。」
実「まぁ変わりないようで何よりだが、次こんな人の人権を踏みにじるようなボケをかましたらお前の部屋のエロ本全部処分するぞ。」
剛「うをっ!!ソレだけはカンベンして!!・・・つか実俺の宝物の在処知っとるンか?」
リナ「私がこの前部屋の掃除してあげてたら偶然見つけてねぇ・・・。面白そうだからみんなに通報しました(はぁと)♪」
太助「プライバシーもへったくれもないな。」
これ以上の脱線を止める為、冷静に太助がツッコミを入れる。一方ナンパされた方は・・・
ウーナ「ぁ、どうも初めまして。わたしウーナって言います。」
レイチェル「レイチェルよ。・・・気が進まなかったけど、あたしも一応、ね。」
フォルト「んで僕はフォルト。」
マクベイン「わしはマク・・・」
シャオ「んで吾g・・・」
剛「ちょいストップ。きれいなネーちゃんや同年代の野郎ならともかく、
ジイサンの自己紹介なんてこれ以上聞いても俺の人生に何のメリットもあらへんからパス。」
マクベイン&シャオ「ウギャ ス!!」
2人は発狂した。
剛「ッと、本題本題。おっちゃん、いつもの数でパン頼むわ!」
パン屋のおじさん「おう、毎度っ!・・・ところで、剛くん。」
剛「何スか、やぶからぼうに?」
レシートを受け取る剛にオヤジさんが不意に訪ねてきた。
パン屋のおじさん「アルトス、見なかったか?採石場にパンを届けに行ったっきりまだ帰ってきてないんだ。」
フォルト「えっ、アルトスさん出かけてたんですか?」
リディア「ちょっとちょっと!・・・アルトスって誰?カッコイイ人なの??」
ウーナ「んーとね、ピンゼルの独奏会でフォルちゃんを押しのけて優勝しちゃったスゴイ人。」
フォルト「バイオリンの演奏も上手いけど、パン作りの腕も上手いんだよ。」
乎一郎「どっちかっていうとパン作りのスキルよりもバイオリン演奏の方がおまけっぽいね。」
乎一郎の毒ツッコミを聞くなり、一斉にげんなりする一同。
フォルト「あ、じゃあ僕探してきます。行こう、ウーナ。」
ウーナ「ふぇっ!?あ・・・・うん。」
剛「せやったら俺も行こ。・・・何や胸騒ぎがすんねん。実、いっしょに来てくれへんか?」
実「別に構わんが・・・フォローはしないぞ?」
別にそんなんええんわい!!と言い放ち、フォルト達と共に剛は採石場へと向かった・・・。
そしてパン屋に残った居残り組。
マクベイン「ふむ・・・。」
シャオ「なぁに師匠ったら、珍しく考え込んじゃって。脳炎?」
さくっ←ナイフが突き刺さる音
ドサリ←崩れ落ちる音
マクベイン「ナイスじゃ乎一郎君。」
乎一郎「どっかのなんちゃって主人公といっしょでボケのインパクトが弱いですしね。」
何げに酷いこと言ってます。
パン屋のおじさん「おぉ、そういえば・・・さっきツッコミに使ったフランスパン、2つで60ジェントね。」
リナ「・・・・・・(滝汗)。」
マクベイン「・・・・・・・。」
結局、フランスパンのお代はマクベインが立て替えるハメになった。
−一方その頃、採石場にて−
実「何というか・・・お前の勘って時々凄いよな。」
剛「いや、前々からこういう兆候はあったんや。せやけど・・・・」
フォルト「この化け物って、確か峠の方で出てきたよね?実君が戦ってたヤツ。」
ウーナ「採石場の人たち、大丈夫かなぁ・・・。」
採石場へと通じる山道にて現れた、トカゲの怪物。たった一人で戦っていた前回とは違い、
今回はフォルト達もいる。幾分かはマシかと感じていた実だった。
ウーナ「・・!剛さん、後ろっ!!」
剛「任しときやっ!!」
ウーナに促され、後ろから迫ってきた怪物に敏感に反応する剛。そして両手にハンドガンを構えて
剛「うおぉぉぉぉりぃやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
どどどどどどっ!!
ハンドガンから勢いよく放たれた弾丸は、次々と怪物へと命中し、怪物は断末魔をあげる暇なくそのまま崩れ落ちた。
フォルト「これってやっぱり・・・。」
ウーナ「あのシルクハットおじさん?」
剛「・・・急ぐで。多分ヤツは、採石場におるはずや。何が目的かは分からへんけど、グズグズしとったら何かやばい事になりそうや。」
採石場で仕事に励む人たち。そしてそこへ向かったというアルトスの安否に不安を抱きつつ、
4人は急いでそこへと向かった。
剛(父ちゃん・・・・父ちゃん達の研究、これ以上ヤツの好きには絶対にさせへんで!!)
to be continued...
あとがき
再び久々です。この回が書き終える前にHPリニューアルしてしまいまひた。
今回はちょっと海檻(裏月天風味)っぽい雰囲気で書いてみましたがいかかでしょうか?
ガガーブ・トリロジー回想録何度も読んでストーリーの進め方とか参考にしてみたんですけど、
結局目立ったのが剛。フォルト達そっちのけ。
ちなみに剛が使っていたハンドガンはH&K USP Compact。
M:I−2のラストで大活躍した銃です。