FGBR一発ネタ「カナのX’masツリー」
 
街中に広がる豆球のイルミネーション・・・そこかしこの店で流されるクリスマスソングの数々・・・。
 
彩られた街並みは、人々の心を明るく照らし、幸せという名の魔法をかけてくれる。
 
 
そう・・・それは唐突に訪れた想い。
 
彼の事を思うだけで、こんなにも胸が張り裂けそうになる・・・。この胸に・・・チクッてくる痛みは、何?
 
人はそれを・・・『恋心(せきしん)』と呼ぶ。
 
 
とある一角の建物で、それは判明した。
 
 
〜某市・・・カフェミュウミュウにて〜
 
 
年も暮れ暮れ、もうすぐクリスマスイブ。カフェではクリスマス向けのスペシャルケーキの売り出しに毎日てんてこ舞いのご様子。
 
そんなある日・・・・・・。
 
 
カナ「こんにちわぁ〜!」
 
いちご「あら?カナちゃん、いらっしゃい♪」
 
みんと「珍しいですわね。あなたが一人でここに来るなんて。」
 
いくら姉譲りの行動派人間のカナと言えど、所詮は小学生。見知らぬ土地への徒歩移動はかなりのスタミナと勇気を要する。
 
だが、姉のセリカが同伴して行動してないところをみると、彼女自身かなり成長した様子がうかがえる。
 
 
カナ「うん!カナはね、もうひとりでどこだっていけるんだ♪」
 
れたす「それで今日はどうしてカフェに一人で来たの?」
 
みんとの問いに笑顔満開でカナは答える・・・が、れたすの問いにはというと?
 
カナ「あのね・・・。カナはね・・・あの・・・・・・」
 
一同『???』
 
もじもじと縮こまってしまい、なかなか声が出せないカナ。そんな彼女に代わるかのようにいちごがカナに尋ねる。
 
いちご「カナちゃん・・・もしかして、好きな人がいるとか?
 
ボンッ!!
 
頭から一気に蒸気が爆発し、途端にカナの顔が真っ赤に染まった。こういう純真無垢な小学生って、今やかなり貴重な存在だと作者は思う。←大バカ
 
見事的中させたいちごに、ある意味関心の意を表するざくろ。
 
 
ざくろ「・・・よく分かったわね?」
 
いちご「恋する乙女は、同じ悩みを抱える娘は一発で見抜いちゃいますから!!」
 
自信満々に答えるいちごだが、これはこれで問題発言だ。一方のカナは今だに縮こまったままである。
 
 
いちご「それで?相手の男の子ってどんな感じなの??」
 
もじもじと縮こまったまま、カナはポケットから一枚の写真を一同に見せる。
 
 
第一印象としては黒髪の青山クン(幼児期ver.)と太助を足して2で割ったような感じ。
 
学校のグラウンドでカナと仲良く一緒に遊んでいるところをパシャリと撮られていた。
 
 
いちご「カナちゃん・・・グッジョブ!!
 
何がグッジョブやねん。
 
れたす「作者さんもだんだん手を抜いてきましたね。オリキャラ新たに考えだすのが面倒臭いからって上の設定はまずいですよ。
 
いちご「でもあたし的には萌え!!
 
みんと「別にあなたの好みは聞いてなくってよ?」
 
どんどん真っ赤になっていくカナとは対照的に凹むいちご。
 
さすがMs.リアクション王。テンションの上下が普通じゃない。
 
 
ざくろ「それであたし達の所に、相談しに来たのね?」
 
ざくろの問いにコクリと頷くカナ。もはや言葉で表すのも恥ずかしいと言わんばかりの雰囲気だ。
 
 
カナ「おねえちゃんたちなら・・・、どうする?」
 
いちご「う〜んそぉねぇ・・・。あたしだったらプレゼント渡した後に告白するわね。」
 
みんと「その程度、生温くてよいちご!!」
 
いちご「ふぇあ?!どういう事なのみんと?!?」
 
何故いきなり自分が怒られたのか分からず、思わず奇声を上げて驚いてしまったいちご。
 
みんと「要は既成事実作ってしまえばその殿方は確実にカナのモノになるわけですわ。」
 
いちご「みんと・・・言ってる事が犯罪めいてるよ。
 
歩鈴「みんとのお姉ちゃん、急に性格がかわったのだ・・・。」
 
いちご・歩鈴のツッコミを無視してみんとの暴走は更に続く。
 
みんと「プレゼントと称して『あたしをあ・げ・る(はぁと)』なんて言って操を明け渡せば脅迫材料としては十分ですわ!!」
 
残り4人『小学生低学年の女の子に、んな18禁めいたアドバイスすんなぁっ!!』
 
カナ「???」
 
みんとの台詞の真意に気付かなかったのか、キョトンと首を傾げるカナ。まぁ分かったら分かったで逆に恐いが。
 
 
れたす「・・・やっぱり普通に告白したほうがよろしいんじゃないでしょうか?」
 
みんと「甘いですわ!最近の男共は正攻法で崩れ落ちるような砦は持ち合わせてなくてよ?
 
いちご「ああもういいから黙っててみんと・・・。」
 
もはや手がつけられないと判断したのか、適当にあしらう事にしたいちご。その後みんとは一人でかってに暴走を続けるハメになった。南無三。
 
 
ざくろ「どうもあたし達じゃ、まともなアドバイスが出てこないわね・・・・。こうなったらその道のプロに聞くしかないわね。」
 
れたす「ざくろさん、それって・・・」
 
れたすの問いに答えることなく、ざくろはおもむろに携帯を取出し、誰かと相談し始めた・・・・・・。
 
 
 
〜数日後〜
 
たかし「ビバ・クリスマス!!恋愛万歳!!!!」
 
どむっ
 
太助の放った正拳突きがたかしの腹部にジャストミート。これはたまらない。
 
たかし「って〜〜…何するんだ太助!!」
 
太助「本人至ってマジなんだからボケてる場合じゃないだろ。」
 
二人のコントをみるなり、やっぱ止めときゃよかったとげんなりするざくろ。
 
あの時、ざくろが連絡をとっていた相手は、なんと太助。
 
精霊であるシャオと恋愛関係にあることから、何か特別なアイディアが得られると踏んだのだが・・・
 
何故か付属品(たかし)がついてきた。
 
 
たかし「ふっふっふ…クリスマスの恋人ゲット作戦なら、この『冬が最も似合う男』、野村たかしに任せてオッケー!!大船に乗ったつもりでいてくれカナちゃん!!」
 
カナ「うん!よろしくおねがいしますっ!!たかしおにいちゃん♪」
 
ペコリとお辞儀をするカナを前に、『おにいちゃん』というセリフに萌えているたかし。
 
威厳もへったくれもあったもんじゃない。
 
 
いちご「偉そうな事言ってる割には成果はゼロに等しいですけどね。」
 
太助「この様子だとそうみえるな。あ、フラれ続けてきてるから冬が最も似合うのか。」
 
二人のツッコミに、上がりまくっていたテンションが一気に暴落したたかし。この暴落ぶりは世界恐慌をも凌ぐだろう。
 
たかし「・・・いちごちゃんって見た目とは裏腹に、たまにそーゆう夢も希望も無いこと言うんだね。」
 
太助「心配するな、こういうツッコミはたかしと横島さんだけにだから。
 
たかし「・・・・・・。」
 
太助の心ないツッコミによって、たかしアドバイスを前に玉砕。
 
 
・・・・・・
 
数分後、何とか立ち直ったたかしによる、通称『熱いクリスマスをゲットだぜ!!』作戦の打ち合わせが決行され・・・数分後。
 
 
たかし「さぁて・・・パーティ会場の設定も相手の下調べもあらかた終わったからいいとして・・・。」
 
太助「残るはプレゼントかぁ・・・。」
 
ざくろ「最後の最後で・・・こんな難題が残るなんてね。」
 
 
そう、最後の最後で成功の一番重要なカギを握るプレゼントを何にするかを決めていなかったのだ。
 
たかし「おれ的には『わたしをプレゼント』が一番クラッと来るんだけどがごむっなうっち!!
 
太助「そういうタチの悪い冗談は子供の前ではしないようにな。」
 
警告とも取れる一言を残し、太助といちごは背中にそれぞれ釘バットと金槌を隠す。
 
 
カナ「あっ、そろそろばんごはんのじがんだ!はやくかえんなきゃおねえちゃんにおこられるぅ〜!!」
 
太助「あ、ほんとだ。いろいろ話し込んですっかり遅くなっちまったな。」
 
ざくろ「・・・分かったわ。プレゼントはあたしが知り合いに問い合わせて何とかしておくわ。」
 
たかし「んじゃま、後は本番を迎えるだけだな。以上、本日は解散っ!!」
 
互いに頷きあい、それぞれの家へと帰宅する。
 
 
〜そして、やって来たクリスマス・イヴでし〜
 
 
場所・・・案の定というよりもここしか考えつかなかったのでカフェミュウミュウ。
 
出雲や太助の家で出来なくもないが、如何せんキャラが多すぎる。
 
そんなわけで大人数がやんちゃ騒ぎ出来るカフェに会場が決定したのだ。
 
 
白金「さーってと。店の方も皆のおかげで問題なく終わり、このパーティーを行える訳なんだが・・・。」
 
美神「太助くんにざくろちゃん、いちごちゃんの姿が見えないわね。」
 
白金「ったく・・・言い出しっぺ(いちご)がこんなんで大丈夫なのか?」
 
圭一郎「まぁまぁ、せっかく皆さんこうして集まったわけですし・・・待たせるのも酷なので私達だけで先に始めてしまいましょう。」
 
 
結局パーティー開始時刻をすぎても前記の3名は姿を見せなかったため、圭一郎の案が可決され、それぞれが飲んで食っての大騒ぎを始めることとなった。
 
 
 
その頃、カナの通う香奈守(かなもり)第3学園付属邑智(おうち)小学校にて・・・。
 
クリスマス・イヴ&冬休み突入と言うことで、夕方になるともはや生徒の姿は一人も見あたらなくなる。
 
ただ一人、サッカーボールと戯れる少年一人を除いては・・・。
 
 
???「君が・・・武山拓海くんだね?」
 
拓海「・・・そうだけど、おじさん誰?
 
どむっ!!
 
???「『おじさん』じゃなくて、『お・兄・さ・ん』だろ?」
 
その男は自分が「おじさん」と呼ばれたことに敏感に反応し、拓海にボディーブローを繰り出す。
 
あまりの激痛に顔をゆがませ、そのまま意識を失ってしまった。
 
本人からすれば無意識のうちの行為なんだろうが、端から見ると立派な児童虐待である。
 
むしろ好都合と認識した男は、拓海をよいしょと担ぎ上げ、そのまま街はずれへと去っていった・・・。
 
 
パーティー開始から30分経過。遅れて太助とたかしがようやく到着。
 
「準備に手間取った」と白金に伝え、速攻でパーティーの輪へと参戦する。そんな二人が目にしたのは・・・
 
 
香澄「クリスマスが何よぉ〜!男が何だっつぅのよぉ〜!!サンタの馬鹿ぁぁぁぁっ!!!!
 
セリカ「そーですよぉ〜こぉんな美少女を放っておくなんて・・・世の男共はみんなスカポンタンだぁ〜〜〜っ!!!
 
・・・なんか、見ちゃいけないものを見たような気がする。
 
香澄はともかく、何でセリカまでこんな調子かというと・・・パーティー開始直後、クリスから勧められたシャンパン(※注:子供用の)を
 
コップ一杯飲んだだけでこんな調子。
 
相当な下戸である。
 
 
太助「何か・・・涙が出てきそうな光景だな。」
 
たかし「彼女たちにも、何かプレゼントを用意しとけばよかったな。」
 
しかしそうは言ってられない。今回の主役はあくまでもカナとその彼氏。二人の仲を応援するという事でいちごが適当な理由をでっち上げてこのパーティーを催したのだ。
 
 
たかし「しかもよく見たら当事者いねーし。」
 
太助「そういや、カナちゃんって好きな人出来たって事セリカちゃんに言ったのかな?」
 
たかし「言ってないだろ。・・・もし言ってたら、その後どうなるか火を見るより明らかだし。
 
太助「同感だ。」
 
 
まるで阪神が18年ぶりのリーグ優勝を達成したとき並に、クリスから大量のビールを頭からぶっかけられるセリカ。
 
愚痴の方もさらに進行し、もはや見ていることすら辛くなってきた。
 
 
いちご「ごっめ〜んっ!!遅くなっちゃった!!!」
 
ざくろ「ごめんなさい、ようやく仕事の方にめどがついたから・・・。」
 
白金「おぉ、二人とも遅かったな・・・って何だざくろ、その小包は?」
 
あわててカフェに到着したいちご達だったが、ざくろは何やら誰かへのプレゼントらしき小包を持参してきている。
 
 
ざくろ「ああコレ?これは今日の主役が相手に渡すプレゼント。」
 
白金「主役?主役って誰のことだ??」
 
いちご「この子よ、白金。」
 
カナ「・・・・・・・・(照)。」
 
白金「あぁ、確かセリカの妹のカナだったけな。その子がどうかしたのか?」
 
いちご「ひ・み・つ♪」
 
 
いたずらに微笑するいちご。一方の白金は何の事やらさっぱりと言った様子で三人の後ろ姿を見届けた。その後・・・
 
???「よぉ白金、元気にしてたか?」
 
白金「元気も何も・・・お前の所為で毎日がてんてこ舞いだぞ、takku。
 
takku「(分かり切っていることなのであえてノーコメント)そうそう、これ道中で見つけたお土産な。」
 
そういって作者は白金に、立派な包み紙でラッピングされた子供の背丈くらいの物体を差し出す。
 
白金「・・・何か、モゾモゾと蠢いてるぞ?」
 
圭一郎「心なしか・・・子供のようにも思えるのですが?」
 
takku「気のせいだ。」
 
白金・圭一郎((気のせいじゃない・・・絶対何かある!!))
 
もし人形だとしても、動く人形なんて気持ち悪すぎて貰えない。
 
聖なる夜に邪悪なプレゼントはノーサンキューと言いたいところだ。
 
 
包まれたモノ「んぐ──!!んっぐぐぐっぐ───────!!!(訳:誰か〜!!お願い助けて〜〜!!)」
 
takku「・・・・・・(無言で押し通ろうとする)。」
 
ぷすっ←何かが作者の首元に刺さる音
 
ぐにゃりん←崩れ落ちた
 
 
白金「鬼退治とはよくやった圭一郎。」←鬼
 
圭一郎「正直作者さんには早いところ真っ当な道を歩んで欲しいものですね。」←上に同じ
 
そういって包み紙を取り払い、少年、拓海を解放する圭一郎。
 
 
拓海「ぷはっ!!し・・死ぬかと思った。」
 
白金「大丈夫か?」
 
はい、と頷く拓海。と、どこからか拓海の声を聞きつけたカナがものすごいスピードで三人の元へと駆けつける。
 
 
カナ「たっくん!!」
 
拓海「あ、井月さん・・・どうしてこんな所に?」
 
カナ「えっと・・・あのね。たっくんに・・・いいたいことがあって、たすけおにいちゃんやざくろおねえちゃんたちにてつだってもらったの。」
 
拓海「僕に・・・?」
 
真っ赤になりつつも、こくりと頷くカナ。その雰囲気を察したのか、自らカナの手を取ってパーティーの中心部へと向かう拓海。
 
 
拓海「せっかくのクリスマスパーティーなんだろ?だったらみんなで楽しもうよ!!」
 
カナ「・・・・うん!!」
 
白金「圭一郎・・・もしかしておれ等って・・・今回おまけ?
 
圭一郎「・・・のようですね。」
 
そして取り残される作者・・・。
 
 
〜さらに3時間後、パーティー終わり間際でし〜
 
いちご「さってと・・・そろそろ皆のテンションも上がってきたところで、本日のメインイベントぉ〜!!」
 
たかし「題して!」
 
いちご&たかし「「『クリスマススペシャル!私はこの人と出会って幸せです』コーナー!!!」」←すげー乗り気
 
いちごとたかしの盛り上げもあってか、参加者のテンションは最高潮に達していた。・・・若干二名を除いては。
 
 
香澄「全く・・・いい年こいてなんでクリスマスで浮かれなきゃいけないのよ。」
 
セリカ「そうですよっ!そもそも、私達だけ独り身なんておかしいんですっ!!」
 
端から見ているとすっごく大人げないですこの二人。確かにこれは男も寄りつかないなと誰の目にも明らかだ。
 
 
いちご「それでは、ご両人の紹介でーすっ!まずは男の子っ♪青山くんマスクでみんなはもうメロメロ!武山拓海くんで〜っす!!
 
拍手喝采口笛であおる奴多数。ちょっとばかりいちごがのろけ気味だがあえて無視。
 
 
たかし「続いては、女の子のご紹介っ!!誰もがキュンと来るその清純ぶりには僕はもう釘付け・・・。井月カナちゃんだ〜〜〜〜!!
 
がだだだだっ!!
 
たかしのアナウンスと同時にズッコケた人物・・・言わなくても分かりますよねここまで来たら。
 
セリカ「・・・・嘘でしょカナ?」
 
歩鈴「うあ・・・すっごい邪悪なオーラがビンビンなのだ〜。」
 
歩鈴の言うとおり、セリカの全身という全身からすさまじい殺気が放たれている。や、やばい!このままでは!!
 
ざくろ「・・・シャオ、頼むわよ。」
 
シャオ「はい。来々!折威!!
 
どむっ!!
 
セリカ「ぐ・・・ぐるじい・・・・。」
 
支天輪より現れたその小人たちは一斉にセリカに飛びつき、そのまま押さえ込む。
 
見た目よりもずっと重い星神、折威にかかってはさすがのセリカもたじたじだ。
 
 
ざくろ「セリカ・・・自分の妹の恋くらい応援できるくらい余裕を持ったらどう?」
 
セリカ「う・・・うぐぅ。」
 
ざくろ「さ、カナちゃん。これ・・・」
 
そういってざくろはカナにきれいに包装されたプレゼントを渡す。もちろん、ちゃんと中身はざくろから教えて貰っているが喜んで貰えるかどうかが不安だった。
 
カナ「そ・・それじゃたっくん。これ、クリスマスプレゼント。」
 
拓海「う・・うん。」
 
大人数から見られているせいか、かなり緊張気味の二人。開けてもいい?と確認して、拓海はプレゼントの包みを破り、ふたを開ける。すると・・・
 
 
拓海「うっわぁ〜〜!!これア○ダスの冬季限定スパイクシューズじゃないか!!欲しかったんだよコレ!!」
 
カナ「そ、そうなんだ。よかったぁ〜きにいってもらえて!」
 
会社名が伏せ字なのはあえて言うまい。
 
 
たかし「よく見つかりましたねあの限定モデル。」
 
ざくろ「以前あの靴のCMに出演したときに一足だけ貰ってたんだけど・・・あたしが持っててもしょうがないでしょ?」
 
たかし「確かに・・・。」
 
本業はタレントだ。どっかのバラエティー番組でやることはあるかも知れないが、限定モデル使ってまで試合をやるほどハマってもいないし。
 
 
カナ「あ、あとね・・・もうひとつプレゼントがあるの。」
 
一同『えっ!?!』
 
拓海自身はこの上まだ何かプレゼントが控えているのかと、他の一同はもうネタ切れだったはずだぞ!!とそれぞれ心の中でつっこんでいたが・・・
 
何故か先ほどよりもさらに顔の赤みが増したカナ。ま・・まさか・・・これは
 
ちゅっ
 
 
拓海&一同『ぬえぇぇぇぇぇぇぇっ?!!?』
 
ほっぺになどとケチなものではない。ちゃんと拓海の唇にあてがったものだ。
 
コレにはさすがに企画者の太助・たかし・いちご・ざくろもビビった。
 
 
いちご「か・・・カナちゃんって以外と積極的なのね。」
 
ざくろ「・・・・・(照)。」
 
太助「お・・・俺とシャオですらまだなのに・・・・。」
 
たかし「最近のお子さまってすげーのな。」
 
 
しばし沈黙する会場。
 
拓海「あ・・あああのいいい井月さん???!?」
 
カナ「あのね・・・・カナね。はじめてあったときから・・・たっくんのこと・・・・・・」
 
拓海「・・・・・・。」
 
カナ「さいしょは・・・ひとりでいうのすっごくはずかしくて、いえないかもっておもったけど・・・・みんなが、カナをおうえんしてくれたから・・・」
 
太助「い・・いやぁ俺達は大して何も・・・・。なぁ?」
 
いちご「そうだよ、カナちゃん。カナちゃんが一人で『好き』って言えるようになったのはカナちゃんの勇気なんだよ。」
 
上目遣いで太助といちごを見つめるカナを、二人は優しく答える。この二人もいろいろと苦労した身だけにカナの勇気が人一倍身にしみるのだ。
 
・・・順番はいささか狂っていたが。
 
 
カナ「よかったら・・・カナと・・・・・おつきあいして・・・くれませんか?」
 
拓海「・・・・はい、喜んで!」
 
 
その一言がスイッチだった。カナは決壊したダムのようにわんわんと泣き出し、拓海の方は先ほどのカナのように真っ赤になって俯いてしまった。
 
 
太助「よかったな、二人とも。」
 
たかし「ああ。・・・たまには俺のプロデュースした企画も役に立つだろ?」
 
太助「おいおい、今回は予想外のハプニングがあったから上手くいったんだじゃないか?!」
 
たかし「いいじゃねぇかよ。結果的に二人は晴れてアツアツカップルになったわけだしさ。」
 
太助「・・・・・ま、いっか。そういうことにしといてやるよ。」
 
 
故人曰く「終わりよければすべてよし」。最初はどうなるかドキドキものだったが、二人にとって最高のクリスマスになったことは間違いない。
 
 
別の方面でスイッチが入った人間が約一名。
 
 
カナ「ひうっ!!お・・・おねえ・・ちゃん。」
 
太助「おわっ!!セリカちゃん落ち着いて!!」
 
完全にブチ切れモードのセリカ。すでに折威は彼女の放つプレッシャーに部屋の片隅でガタガタブルブルと震え上がってしまっている。
 
 
セリカ「ふぅ〜ん・・・・姉のあたしを差し置いて、自分達だけラブラブになろうっていうんだ・・・。」
 
声がだんだん裏返ってきた。
 
カナ「お・・・おねえちゃん、こわいっ!!」
 
いちご「オ、オ姉チャン怖イッ!!」
 
フィリア「ちょっと待ちなさいそこの中学生!!」
 
カナはともかく何でいちごまでが・・・。そう心からつっこみたいフィリアだったが現にセリカの殺意は尋常でないレベルまでふくれあがっている。
 
 
セリカ「・・・・・狩るわよ?」
 
刹那・・・セリカの目が光った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後、カナが意識を取り戻したのは大晦日の前日だったという。
 
 
終わり
 
あとがき
 
ども、夏休みSPが終わり今まで通りの一発ネタに立ち戻ったtakkuです。
 
Fight Dat.1とRash!!プロローグ以来、カナの出番がなかったのとクリスマスネタをどう進展させようと考えた結果、こんなんが出来ました。
 
まだたかしの壊れ方をどうするかで悩んでいますが、多分相当なマニアキャラとして頑張って貰うことになると思います。