時を越えて!!(1)



作者:天龍
注意:この時代に本当にあるか分からない物や本当に使っているのか分からない言葉がありますが気にしないでください。
それとまだ、いまいち、ちゃんとした小説の書き方が分からないので変になっても気にしないでください。

第一話
それはとある時代のある夏の出来事だった。
ザザー
それはまだ梅雨が明けず雨が降り続いていた。
そんな雨が降り続けるある日のこと、とある屋敷に一人の男が住んでいた。
この男は陰陽師で物の怪の退治や、天文学、占いなどをする職業である。
このとき男は自分の未来を占っていた。
「ほほう、面白い者たちが来るか」
自分の未来を見た男は立ち上がり
「では私は迎えに行くとしよう」
と言うと雨の降る中、屋敷の庭に出ていった。
「この蓮にするか」
男は雨に濡れながら庭に咲いている蓮を見つけると蓮を取り地面に置いた。
すると蓮は宙に浮き人の姿に変わった。
すると唐衣裳今で言う十二単衣の姿の女性が現れた。
「香蘭、出かけるので留守を頼むぞ」
「はい」
すると雨が降る中傘を挿して男はどこかに歩いて行った。
男が歩いていると一本の柳の木が立っていた。
男は柳の木の下になにか導かれる力を感じ立ち寄った。
そこには紫の髪をしてこの時代には無い服を着ている一人の少女が倒れていた。
「ほう始めて見た、紫の髪をした少女とは、それに異国の服まできている」
男は近寄ってみるとその少女は気を失っていた。
「そなた、大丈夫か」
男は声をかけたが少女は反応が無かった。
すると男は小女を担いだ。
男は少女を担ぎながら歩き始めた。
すると向こうの方に寺があった。
「ではここで休むとしよう」
男は寺に立ち寄ると寺の中は薄暗く不気味だった。
ギシィ・・・
向こうから何かの足音が聞こえてきた。
すると男は
「私は何もしない、怖がらず出てきなさい」
するとそこから出てきたのはこの時代には無い服を着ている一人の少年であった。
「あのー」
少年はなにか聞こうとしたが
「この子のことですか」
男は少年が話す内容を知っているかのごとく少女を見せた。
「シャオ!!」
「この少女はシャオという名ですか」
その少女はシャオであった。
「あなたの名は?」
男は少年に名を聞いた。
「七梨太助です」
この少年は太助であった。
「あなたは?」
太助は男に名を聞いた。
「私は安部清明です」
清明の喋り方は丁寧だった。
「え、あ、あ、安部清明!!」
清明は陰陽寮に属する最強の陰陽師安部清明である。
「この時代はもしや平安時代!!」
太助は今いる時代が平安時代であると気が付いた。
「ここに寝かして起きますね」
「ありがとうございます、シャオを運んでくださって」
太助は清明に感謝の言葉を言った。
「私もあなた達に用が合ったので連れてきたのです」
「へ、用って?」
太助は清明に聞いた。
「私はシャオどの、太助どのとあとはあなたの二人の連れが、この時代で大勢の悪霊に会うと私の占いに出ましたので、私もあなた達に加わろうかと思いまして助けました」
「悪霊たちが俺たちを?」
「はい」
太助は何でこんな目に合うんだと愕然とした。
「太助どのたちはどこから来られたのですか」
清明は興味津津に聞いた。
「実は俺たち、未来から来たんです」
太助はどうせ信じてもらえないと思いつつ真実を言った。
だが太助の予想とは裏腹に清明は
「ほほう、ではどうやって来られました?」
「実は・・・」
それは数時間前のことだった。
「太助様、暑いですね」
「ああ、この暑さじゃキリュウは試練どころじゃないだろうな」
この時の気温37度あった。
すると階段から氷を大量に入れた袋を頭に載せてキリュウは降りてきた。
「シャ、シャオ殿、アイスはまだあるか」
「アイスはルーアンさんが先ほど全部食べてしまいました」
キリュウはアイスが無いと知ると冷蔵庫を空けてむぎ茶をコップに注ぎ飲み始めた。
「はあ、主殿なにか涼しいことは無いか?」
キリュウが太助に聞いた。
「涼しい事ねー・・・」
太助は考えているとふと思い出した。
「キリュウ、怖い目に会うと涼しくなるかも」
「怖い目か・・・」
キリュウは自分が怖いと思うことがあったか探しはじめた。
「たー様」
そこにルーアンが変な箱を持ってやってきた。
「たー様、古い店でこんなの見つけたのよ、しかも」
「しかも?」
太助は聞いた。
「これは妖怪が封印してあるらしいのよ」
「妖怪!!」
太助は妖怪と聞いてなにか嫌な予感がした。
「ま、まさかその妖怪を出して涼しくなろうと」
「そのとーり」
ルーアンは箱を開けた。
「たー様水晶よ」
「水晶?」
太助は箱を除きこんだ。
「水晶になんかはっ付いてるぞ」
中には大量の護符が貼ってある水晶があった。
「よーし、これを取ればいいのね」
ルーアンは護符をはがした。
そのときシャオはなにか太助を狙う気配を感じた。
「太助様、危ない!!」
「え!?」
シャオは太助を突き飛ばした。
するとシャオの左の胸を巨大な手が貫いた。
だがシャオの叫び声が聞こえてこなかった。
するとその巨大な手にはなにか丸く白い物を握っていた。
「シャオ!!」
その巨大な手はシャオを床に落とした。
太助はシャオを助けるため近寄った。
近寄った太助はシャオを見るとなぜか傷が無く意識が無い状態だった。
太助は助け起こしてその場から離れた。
すると巨大な手は丸い物を水晶に入れると巨大な妖怪が出てきた。
「我は虎鬼」
そう名乗った妖怪は
「その娘の魂は力が強く美味かったぞ、おかげで我は復讐しに行く力を得た」
すると水晶が空間をゆがませた。
それはブラックホールのように入り口が黒い塊状になった。
その中に虎鬼は入って行った。
「くそ、ぜったいシャオを助けて見せる」
そして太助はシャオを抱え黒い塊に入っていった。
「たー様、私も行くわよー」
「・・・」
ルーアン、キリュウも黒い塊に入った。
ザザー
「・・・・ここは」
太助はいつの間にか見たこと無い場所に雨の中立っていた。
太助は抱いてきたはずのシャオがいないことに気が付いた。
「あれ、シャオ、シャオ!!」
太助はシャオの名前を叫んだが返事が返ってこなかったうえ、周りを見ても倒れている様子は無かった。
「黒い塊に入ってからなぜか記憶が無いんだ?」
太助は周りを見回した。
すると一件の寺を見つけた。
「ここでシャオのことを聞いてみるか?」
そして寺に入った。
「おじゃまします、誰かいませんか?」
しかし寺の中から人が来る様子は無かった。
「仕方ない雨が降っているし雨宿りさせてもらうとするか」
太助は寺に入ってやった。
そして雨が止むのを待っていると清明がシャオを担いできた。
「そう言うことがあったんですか」
清明は今までのことを太助から聞いた。
すると清明は
「シャオどのは虎鬼に魂を食われてしまっていましたが虎鬼の中では魂はまだ生きていますから安心して下さい」
「そうなんですか!!」
太助はシャオが生き返ることができると聞くとホッとした。
太助はなぜシャオが柳の下で倒れているのか不思議だった。
「なんでそんな場所で倒れてたんだろ」
「多分、太助どのが入った瞬間浮いたのだろう、だから少し空間がずれたんだ」
清明が説明した。
「説明ありがとうございます、それと名前は呼び捨てで良いですし、喋り方も普通でいいですよ」
太助はそう言うと清明は
「そうか、それでは太助」
「はい」
「おれの家に行くとしよう」
「え」
清明はそう言うと立ち上がった。
「私の家で待っている者がいるのでな」
すると清明は寺から出た。
「ちょっと待ってください」
太助は慌ててシャオを抱え寺から出た。
「続く」