「ここはどこ?」
シャオは辺りを見渡した。
しかし、周りは闇につつまれていた.
シャオは自分の主を探した。
「太助様・・!」
その悲痛な声で渾身の力を込めて自分の主の名前を呼んだ。
しかしそれもむなしくこだました。
そして少女を押しつぶすかのように闇が覆い尽くす。 
   それに耐え切れなくなったのか声を振り絞り、枯れるまで主の名を叫び続けた。
少女の思いが通じたのか、一人の少年が姿を現した。
それは少女の優しい主の姿だった。
少女は満面の笑みを浮かべながら少年の下に駆け寄った。
自分の主の名を言いながら・・・
「太助様・・・」
少年も笑顔を浮かべならシャオのほうを向いた。
しかしその刹那、闇が少年を覆いつくし始めた。
「太助様!」
シャオは慌てて少年の手をつかもうとしたが、一歩およばなかった。
太助の体は完全に闇に覆われてしまった。
「太助様ぁぁぁぁぁ」
シャオは悲鳴を上げた。
そのときシャオの隣で声がした。
「久しぶりね」
シャオは隣を見た。
そして、シャオは言葉を失った。
なぜならば今いるはずのない少女がいたのだから・・・
背はシャオより高く、年は十代前半のように見えるが、実際の年齢は誰も知らない。
なにより印象的なのがすべてを見通したような青い瞳に青いショートカットの髪。
そして、容姿はシャオに匹敵するものがあった。
それはまさしく先日太助達を見ていた少女だった。
「なぜあなたがここに?」
シャオは聞いた。
「いずれわかることだわ」
そう少女は言い去っていった。
シャオは追いかけようとしたができなかった。
なぜならば夢の世界から現実の世界に戻されたのだから・・・
しかしこの夢をきっかけに平和の歯車が噛み合わなくなり、過酷な運命が待ち受けていることを・・・
シャオは知る由もなかった。

あとがき

やっと二話まで書き終えました。
待たせた割には短くてごめんなさい。
あとおそらくフェイも出てこないです。
今回からあとがきに加えて次回予告もしていきたいと思います 。

〜次回予告〜

いつもと変わらない朝・・・。
相変わらずな日常がやってくるが、ただ一つだけ違ったものがある。
夢の所為で不安になってしまったシャオは、普通と違った行動を見せる。
「太助様!」

「第三話 不安」