夢が現実に・・・・




第四話   「夢が現実に・・・・」

太助がドアを開けるとそこには一人の見知らぬ少女がいた。
その少女はいきなり太助けの鳩尾めがけて殴ぐりかかってきた。
太助は普段の試練のおかげで間一髪でよけることができた。
「いきなり何をするんだ!」
太助は、怒鳴ったが少女は聞いていなかった。
「さすがは万天地の試練を受けているだけはあるわね」
少女はそう言うと二人の少年を気絶させた時と同じ呪文を唱えた。
太助は意識が遠のきそうになったが、何とか持ちこたえた。
「これも聞かない!?三人の精霊の主もやっているからかしら。
こうなったら仕方がない強行手段でいくしかないわ」
少女はそう言い突然消えたかと思うとまた突然太助の後ろに現れ、太助の後頭部を殴り太助を気絶させた。
そのときシャオは直感的に太助の身に何かが起きたと感じ、急いで部屋から出た。
「どうしんたんだよ〜シャオ」
翔子はそう言いシャオを追った。
シャオが部屋から出てみたものは信じられない光景だった。
そこには気絶した太助とそれを連れて行こうとする少女があった。
シャオは少女のほうを見て驚愕の表情になった。
なぜならその少女はシャオの夢に出てきた人物だったからだ。
シャオは少女を見た瞬間夢が現実になるんではないかという不安に駆られた。
「あらシャオリンお久しぶり。でも悪いけど今日はあなたの主を連れて行くだけで、あなたには用はないの」
少女はそう言い太助を連れて行こうとしたが、シャオは
「そうはいきません太助様は私が守ります!」
「あなた一人で私に勝てると思っているの?」
「やってみないとわかりません。来々」
「遅いわ。」
少女はそう言うと手から衝撃波を繰り出した。
衝撃波によりシャオと近くにいた翔子は壁まで吹っ飛んだ。
壁に当たったことによりシャオと翔子は動けなくなってしまった。
「じゃあこの子は連れて行くわ」
少女はそう言うと太助とともに消えた。
「太助様ぁぁぁぁぁ」
シャオは悲痛にも似た叫びを上げた。





リビングにて





リビングにはいつものメンバーがそろっていた
ただ一人太助を除いて・・・・
リビングには重苦しい空気が流れていた。
「いったい何があったのか話してくれますね」
シャオにかわって翔子から何があったか聞いた出雲がたずねた。
シャオは先ほどから黙ったままだ。
太助を守れなかったことがショックだったのだろう。
うつむいているシャオにかわってルーアンが重い口を開いた。
「このことを話すにはまず私たちの故郷のことを話さなければならないわね。
私たち精霊は精霊界というところで生まれるの。
生まれるって言っても精霊界の長に選ばれた人間が精霊の後継者になりその精霊の力を引き継ぐらしいの」
「らしい?」
不確かな言葉に出雲が反応した。
「精霊になると精霊の力を授かる前までの記憶はなくなるのよ。
もちろんやるもやらないも本人の自由だけど。まずこれが私たち出生の秘密」
「でもなんで記憶を消されたルーアン先生がそんなことを知っているんだ?」
たかしが尋ねた。
「それは他の人が精霊になるところみたことがあるからよ」
「ああなるほど」
たかしが納得したようにうなずいた。
「そう、そしてあれは確か千五百年くらい前だったかしら。
麗華(れいか)という精霊が生まれたんだけど、なぜだか与えた力以上の力を持いた。
麗華の使命は主に力を授けることなのに麗華はそれを利用して精霊界を征服しようとした。
そして、精霊界の長から地上にいる全精霊に召集がかかったの。
もちろんあたしもシャオリンもキリュウも例外ではなかったわ。
そして私たち三人と他五人の精霊が麗華に向かったわけ。
何とか私たちは彼女を封印することに成功したわ。
でも私たちは麗華を封印することによって力のほとんどを失ってしまった。
それに封印は不安定なものだった。麗華のことだからいつかは封印をとくかもしれないと思っていたけど、まさかこんなに早く封印が解けるなんて・・・
とまあこんなことがあったわけ」
ルーアンの話が終わったとき


ドカ――-―――――――――ン




あとがき

当初は受験が終わってから書こうと思っていたのですが、
今月号のブレイドを見て予定を変更しました
感想指摘お待ちしております〜

〜次回予告〜

シャオたちの前に一人の使者が送られる
その目的とは・・・・

第五話「集結」