プロローグ
その日、太助は1人で地下室の掃除をしていた。
なぜ1人でやっていたかというと、せっかくの日曜であまりにも天気がいいので掃除をしようということになったからである。
ちなみにシャオには家の中の掃除を頼んだ。
当然シャオも地下室の掃除を手伝うといったのだが、太助は埃まみれになるうえに、「汚くなるからと」と言って家の掃除を頼んだのである。
「ふ〜大体こんなもんかな」
言って太助は近くにあった小箱に腰掛けた。
「ったく、大体親父もこんなガラクタいつまでもとっておくなよな?」
太助はなにやら得体の知れない妙な物を取りながら言った。
「まっ、でもそのおかげでシャオに逢えたんだけどな…」
太助は苦笑しながら言った。
「太助様!一段落したのなら休憩しませんか?」
太助が苦笑していると、シャオが地下室の入り口から顔を出して、髪の毛を垂らしながら言った。
「ああ!今ちょうど一段落したから行くよ!」
言って、太助は小箱から飛び跳ねるようにして立った。
すると、着地の反動か分からないが、太助の後ろにあった棚から1つの‘物’が転がった来た。
「太助様!危ない!」
シャオがいち早くそのことに気づき、太助に叫ぶが、その声も虚しく――
ドガッ!
「あたっ!」
‘物’は太助の頭に落ちた。
太助はその衝撃で倒れたが、すぐに体を起こし四つん這いの形になった。
「いつつ…」
が――
「太助様!」
シャオの言葉で後ろ……つまり上を向く。
ドスッ!
今度は鈍い音が鳴った。
2発目の直下型ボムは、太助の背中に落下した。
「ウゲッ…」
太助はその‘物’に押し付けられるように、うつ伏せになった。
「太助様!!大丈夫ですか?!」
言ってシャオは素早く地下室の入り口から入って、太助の元に走り寄った。
しかし太助もやわではない、キリュウの試練を受け続けた結果、常人の肉体よりも潜在能力や回復力が秀でているので、シャオに心配を掛けまいと、すぐに立ち上がった。
「だ、大丈夫だよシャオ」
笑いながら言って、太助は少しよろめく様に立ち上がった。
そして、太助は自分に降って来た‘物’を確かめるために降って来た直下型ボムに近寄った。
「ん?何だ?これ」
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