第12話



第12話
主への思い
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 翔子覚醒から一週間後。
 シャオは困っていた。
 決して、居候の人数が増え、食事の用意をするのが困難になったわけではない。
 シャオは守護月天として悩んでいた。
 あれから一週間、幾度か敵が攻めてきた。
 そのたびに、覚醒済みの四人を中心に皆は力を合わせ、ラクシャサを撃退してきた。
 しかし、守護月天としてのシャオは、そのたびに苦悩していた。
 自分の力が未熟であるがゆえに、主である太助を幾度も危険な目に合わせてきた事で、自分を責めている。
 シャオは、その度に太助を護る力が欲しいと思っていた。
 しかし、太助がそのことを望まないのは分かりきっている。
 が、今はまだ守護月天の自分は、役目を果たそうとしている。
「シャオリン」
 と、風雪と金欧と三人で、食事の用意をしていたシャオを、ルーアンとキリュウが呼びにきた。
「ちょっといい?」
「あ、はい。風雪さん金欧さん、ちょっと外します」
 エプロンを外し、二人の元に行った。
「なんですか?ルーアンさん、キリュウさん」
 シャオは、二人に連れられ、屋根に登った。
「あんた、今までの事と、これからの事どう考えてるの?」
「!……私は…私は守護月天です。
 主を護ることを役割としている私は、これ以上太助様を危険な目に合わせたくないです」
 でも……と、言葉を続ける。
「私には、それをするための力がないんです…!」
 ホントに悔しそうに話すシャオ。
「たー様が聞いたら、なんて言うか分からないけど、私達もシャオリンと同じ気持ちよ。
 ここでは先輩の私達が、烈境達に(たー様への気持ちで)劣るなんて許さないわ!」
「ふっ、ルーアン殿らしい」
 あら…とキリュウの言葉で振り返る
「じゃあ、キリュウはどうなの?」
「私か?私は……そうだな、試練だと切り捨ててしまうことも可能だが、私は『親友』として、主殿を助ける力が欲しい」
 そういうルーアン殿は?と、なんか同道巡りしている気もしない。
「私はねぇ」
 と、笑いながら言おうとしたが
「教えてあげなぁ〜い」
「………(約十秒)………む!卑怯だぞルーアン殿!」
 再逢と似たようなことをし、少し口論していると――
「その話、しかと聞いたわ!」
『――っ?!』
 突然の来訪者に驚く三人。
「あなた達、強くなりたいんでしょ?」
 突然の来訪者は、満面の笑みで言った。

「「火龍・奥伝・昇火刃!!」」
「封電斧!」
「風帝・槍技・鎌鼬!」
 次々とラクシャサを倒していく太助達。
「ふぅ、終わったな」
(ですね)
「しっかし、このごろ敵の行動がおかしくないか?」
 寄ってきた翔子が言う。
 皆も確かに…と同意する。
 どうやら皆も思ってたことは同じたったようだ
「それに、愛原の行方が分からないのが、心配だな」
 そうなのだ。
 以前、七梨家地下室において、太助とシャオの行動を目撃した愛原の行方が、その後から全く掴めないのである。
 愛原の両親も学校と警察にも通報し、七梨家にも電話があったのが、婁襄達が学校に来た夜だった。
「でも、何でザコばかりで、十二冥帝の奴らは現れないんだろう?」
 敵を倒した皆が徐々に集まってくる。
「そうね。何か企んでなきゃいいけど…」
 風雪も二つのことを心配して×が悪そうに言った。
 しかし悪いことに、風雪のカンは当たってしまった。

「ふふふ、奴らは未だ四人の覚醒者。
 しかし俺たちは奴らの倍の覚醒者を確認した」
 影鬼の後ろには、七人の影がたたずんでいる。
「前回、深也が向かった先で雷帝の覚醒が確認してから、俺たちはある調査に乗り出した」
 深也は後ろで舌打ちした。
「奴ら…覚醒者の行動特性と、未覚醒者の探索だ」
 すると、影鬼は振り返って、不適な笑みを浮かべた。
「すると面白いことが分かった。
 殺南(セツナ)、羅雪(ラセツ)、閃(セン)、おまえらの探している奴らを見つけたよ」
『っ!!』
 七人のうち三人が大きく動揺した。
「本当か(なの)?!」
「ああ、三魔の茶魔(チャマ)の情報だ。あいつの得意なのは情報収集だからな」
「ふんっ!奴らのことを簡単に信用していいのか?
 前はそれで痛い目にあったろ?」
 前回失敗を犯し、苛立って影鬼にあたる深也。
「ふ、利用できるときはとことん利用してやらないと奴らに失礼だろ?」

 ゾクッ

 不気味な笑みを浮かべる影鬼に、その場にいる者は、寒気が走った。
(ふんっ!なにを考えているかは知らんが、こちらも同じように利用させてもらおう)
「でも…」
 と、華衣。
「彼女たちは、まだ覚醒していないんでしょ?だったらどうやって目覚めさせるの?」
 確かに、と、ほかの皆も同意する。
「心配するな。そちらの方も調べさせた。
 奴らは……俺たちには虫酸の走るような、『大切な者を護るため』や、『怒り』によって覚醒することを確認した」
「と言うことは?」
「今回は奴らの怒りを利用する。
 しかも、俺達にはそのための手駒も揃っている」
 再び影鬼は不気味な微笑みを浮かべた。
「ど、どうやってですか?」
 乙冬が聞く。
「そのためには、乙冬、羅雪、殺南、華衣の手を借りる」
 当人達は自分達が?という顔をしている。
「おまえ達の肉体は、他の奴より特にあいつらと、深く関係してるんだ」
 四人は、フードから手足を出してマジマジと見ている。
「で、今回からその四人は、フードをとっての戦闘を許可する」
 その瞬間、ほかの三人からブーイングがあがった。
「ちょっと待て!何で俺達はフードを取れなくて、こいつらだけフードを取れるんだよ!」
「そうだよ!こんな鬱陶しいフードはいつ取れるんだよ!」
「ええ〜!そりゃ無いっすよ!」
 深也、郷棄、麒刀(キトウ)である

 ドゴッ!

 しかし騒ぎ始めた三人を、影鬼は強引にねじ伏せる。
 当の三人は、影鬼が操った影鬼の影で、三人を吹っ飛ばされた。
「静かにしろ!これは俺達の復讐をするためだろ!」
「――っ!!」
「これは、三人の復讐対象者を覚醒させるための処置だ。
 俺達もその時が来たら、このフードを外せる」
 影鬼達がフードを被る被らないで揉めているのは訳がある。
 影鬼達が使っている肉体は、本来の自分達の肉体ではなく、他の人間の体に精神を寄生させたものである。
 だから、テレビや新聞など、世間的には、行方不明者として扱われているから、隠す必要があるのだ。
 まぁ見つかったからといって、どうにかなるとは思わないが、彼らは些細なマイナス分子も起こさないようにしている。
 そして、フードだが、先程言ったとおり、彼らは肉体に精神だけ寄生している。
 しかし、使っている肉体は二つの種類を使っている。
 『生きている』肉体か、『死んでいる』肉体かである。
 生きている肉体には、当然本来の持ち主の意識があるが、ソレは特別な処置で本人の意識を潜在意識の奥深くに強力な鍵、すなわちフードをかけて封印してある。
 しかし、それでもあくまで寄生しているわけであるから、寄生した側の本来の力を使うのは難しい。
 だから、その場合は、特殊な方法『潜在心同調』(マインドセイム)を使う。
 マインドセイムは、一つの肉体を二つの精神が共用する場合、後天的に追加された精神が、本来の持ち主の肉体を自由に使える様にするものである。
 しかし、これには大きな欠点がある。
 それは、逆に同調しすぎて、力が暴走しやすく、力を押さえることが難しいと言うことである。
 しかし、それは一時的なもので、慣れればなんてことはない。
 だから、今覚醒している八人は既に力のコントロールはできている。
 しかし、影鬼達は、先程述べたことを懸念してフードを被っていたのだ。
「……わかった。今はこのままでいいが、いずれ外させてもらう」
 渋々ながら合意する深也に、郷棄も麒刀も同意する。
「では地球時間、明朝9時をもって、作戦を開始する!」
 深也達の同意を受け、作戦を告げた。


 チュンチュン

「ん…んん……」
 午前7時(原作同様)、今日は金曜日で学校がある。
 まぁ学校がある無いに変わらず、シャオの起床時間は変わらないが。
「ふぁ〜あ。おはよう離珠」
 上半身を起こし、背伸びしたシャオは、自分の横で、特別製の布団からもぞもぞと起きあがった離珠に挨拶をした。
「さて、朝ごはん作らなくちゃね。
 人数が多くなって作る量が多くなったけど、楽しいからいいよね?離珠」
(うぅ〜〜そうでしねぇ〜)
「あら、離珠はまだ眠そうね」
 笑いながらだが、同室の風雪と婁襄を起こさないように制服に着替え、部屋を出た。
 あれから一週間、他の皆がどのような部屋割りになったかご説明しよう。
 今書いたとおり、シャオの部屋には風雪と婁襄。
 太助の部屋にはちょっと窮屈だが、烈境、火月、水明、デンの四人。
 キリュウの部屋には、目覚ましの危険があるにも関わらず、木蘭と土架。
 ルーアンの部屋には金欧とライである。
 ん?那奈姉はどうしたかって?今まで出番がなかったのは、忘れていたわけじゃないですよ?那奈は、翔子の家にやっかいになってます。
 決して忘れてたわけじゃないですよ?
「ふんふふ〜ん♪」
 シャオは鼻歌を歌いながらエプロンを着け、料理の下地にとりかかった。
(おはようございます。シャオさん)
 同じ制服姿の金欧が、キッチンに入ってきた。
「あっ、おはようございます。金欧さん」
(今日の朝ごはんは何ですか?)
「今日は和食で、アサリの味噌汁と納豆と、漬け物です」
(わかったわ、じゃあ、私は庭の花壇に水をあげてくるから、それが終わったら手伝うわね)
「はい。お願いします」
 そう言って(思って?)、金欧がキッチンを出て、リビングに出ると、入れ違いに風雪が入ってきた。
「おはよぉ〜シャオちゃ……」
 風雪は本当の低血圧なので、朝は弱い。
 が、そんな顔もなぜか、シャオの顔を見たとたんに消え失せた。
「?」
 シャオも、自分の顔を見たまま動かなくなった風雪に困った。
「あ、あの…?」
「シャオちゃん」
「は、はい!」
「何かあった?」
「えっ?」
 シャオは突然の質問に、焦った。
「誰かに何か言われた?」
「べ、別になにも!」
 風雪は、これでもかと言うほどの狼狽えた様子のシャオに、業と気づかないようにして続けた。
「そう?なんか覚悟の相が出てたから気になっただけ、気にしないで」
 風雪はそう言って、洗面台の方に行こうとする。
「風雪さん!」
 が、後ろからシャオが引き留めた。
「なに?」
 本当になに気ない笑顔で振り返る風雪。
「どうしてそう思ったんですか?」
 風雪は質問を受けると、背を向けて、言った。
「龍豹の影響でね、彼女の趣味の占いとかに付き合ってたら、こっちの方が得意になっちゃってね。
 まぁ、婁襄ちゃんにはかなわないけど、大抵のことなら…ね」
 泣いているのかもしれない、とシャオは思った。
 今は亡き親友のことを思い出しているのかもしれない。
 シャオと風雪だけの秘密だが、婁襄も夜、布団の中で泣いている節がある。
 二人は語らなかったが、暗黙の了解として、話さないことにしていた。
 風雪も、そうなのかもしれないと思った。
「すいません…」
 心から出た言葉だった。
「いいのよ気にしないで」
 風雪も、シャオの気持ちを察して言う。
「じゃあ、顔洗ってくるから」
 今度こそ風雪は出ていった。
 シャオは風雪を見送ると、黙って朝食の準備に取りかかった。

 その後、花壇に水をあげ終えた金欧と、顔を洗った風雪が、朝食の手伝いをした。
 8時10分前に太助達を起こしに三人が階段を上ると、眠い目をこすりながら、制服姿の土架と木蘭が降りてきた。
「おはようございますぅ〜」
「おはよござま〜〜〜す」
 二人はまだ寝ぼけているようで、間延びした喋り方である。
 木蘭などは三倍も延びている。
「おはようございます」
「おはよう」
(おはようこざいます)
 制服姿の四人(風雪は教師だが家庭科なので軽い私服)の中の二人が、眠いながら言った。
「うみゅぅ〜今日もキリュウ姉様の目覚ましにはかからなかったですぅ」
 そう。部屋を割り当てられた翌日、二人はキリュウの目覚ましで多大な被害を被った。
 だから、その次の日からなるべく目覚ましが発動する前に起きるようにしているのである。
(今からみんな起こしに行くから、それまでに顔洗ってらっしゃい)
「「は〜い」」
 トコトコと、音が聞こえるようなデフォルメ化して、二人は降りていった。
「じゃあ、他のみんなを起こしに行きますか」
 そして、シャオと金欧の甘い目覚ましの声と、風雪の喧しい目覚ましによって、七梨家……いや太助にとって、運命を決める朝を迎えた。

「よ〜太助〜」
 朝教室にはいると、たかしが暗い顔をして迎えた。
「おはよう太助くん」
「ああ、おはよう」
 乎一郎も心なしか、少し沈んでいる。
「やっぱり、たかしのやつ沈んでるな」
「うん…やっぱ花織ちゃんのことが効いてるんだろうね…」
 あれから一週間。警察も八十人の人員を動員して捜索している。
 が、未だ手がかりすら掴めていないらしい。
 しかも、全国で数名ほど似たような事件が発生している。
「花織ちゃん…ホントどうしたんだろうね…?」
「ああ…でも、愛原のことで、たかしがこんなに落ち込むのは意外だったけどな」
「そう?普通の反応だと思うよ?」
「え、どうして?」
「その気持ちは、一番太助君が解ってると思うけど?」
「?」
 まだまだだね、と言いながら乎一郎は去っていった。
 と、そこに、入れ違いで火月がやってきた。
「太助、数学の宿題写させてくれ!」
 心の清い太助は、渋々ながら机から宿題のノートを出そうとする。
 が――
「………………無い」
「…は?」
「宿題、忘れた…」
 数学は一時間目、絶望的だった。

「…時間だ」
 時刻○九○○(戦場風?)影鬼率いる十二冥帝の羅雪、殺南、華衣、そして乙冬。
 彼らは、太助達が通う、鶴ヶ丘中学を見下ろしている。
「さぁ、始めようか」

 ドカーーン!!

『―――ッ?!』
 突如襲った大きな揺れが、鶴ヶ丘中学で授業していた生徒を震撼させた。
「うわー!な、なんだ?!」
「つ、ついに関東大震災が起こったのか?!」
「ゴジ○の上陸か?!」
「○せの攻撃か?!」
 生徒達は、普段避難訓練をしているのにも関わらず、教室から飛び出す。
 そうなると、女子の鳴き声や、人混みで怪我をした奴のうめき声も聞こえる。
「こら〜!『おかしも』を忘れるんじゃない!」
 どうでもいいが、作者の出身地域では『お』さない、『か』けない、『し』ゃべらない、『も』どらない、が適応されている。
「太助君!」
 教室が揺れる中、立っていられず尻餅をついてしまった乎一郎が言う。
「ああ!わかってる!…みんな!」
 太助も少しカッコ悪いが、地震の際の避難として潜っている机の下から皆に呼びかける。
 皆も無言で頷き、数学教師の制止を振り切り、廊下から外へと出た。
 そこには既に避難した生徒や、体育の授業のためその場でうずくまっている生徒が目立った。
「婁襄!」
「わかってるわ!」
 太助が婁襄に呼びかけ、婁襄はすぐさま町中の符を展開させた。
 すると地震は止み、校庭にうずくまっていた生徒達も居なくなり、校庭には太助達だけが残った。
「…五人」
(今回は今までと違いますね)
「それほどやっこさんも、力をつけてきたか…それとも焦ってきたか…」
「どっちにしても戦わなくちゃいけないのは変わらないです〜」
「遠藤殿、敵の属性はわかるか?気を感じたのなら…」
 制服姿のキリュウ(ファンにはたまらねぇ)が、乎一郎に訪ねる。
「うん、気をビシビシ感じるよ、でも、解るのは二つだけだね」
「あとの三つは?」
 徐々に集まってきた烈境が問う。
「まだ記憶にない!」

 ビュオッ!

 突如、大気が震え、太助達に襲いかかった。
「来々、塁壁陣!」
 しかし素早く、臨戦体制だったシャオが星神を呼び、回避する。
「そこか!万象大乱!」
 キリュウが小石を大きくし、校門めがけ放った。
 が――

 キィィィィィン

「ぐっ?!」
(あ…頭が…!)
「痛いですぅ!」
 突然、頭に強く響く痛みがはしった。
 そして、キリュウが放った大岩は、フードを被った五人組にあたる寸前で亀裂が入り、粉々になってしまった。
「なかなか大層なお出迎えだな」
「でも、乙冬ちゃんのおかげで助かったわ」
「ふんっ!あれぐらい俺にもできる」
 と、なにやら内輪もめしている二人に
「あらあら、こんなとこで夫婦喧嘩はよくないんじゃない?」
 と、冷やかす女性の声と、後ろでわたわたしている少女が校門のところにいた。
「今回俺は手出しはしない、監視役というところだ。
 フードは俺の合図で外せ」
『了解!』
 言って、上空に佇んだままの男は、太助を睨んだ―――気がした。
 まだフードをしているので、睨まれた気がしただけである。
「じゃあ…行きますか!」
 言った女性は、言うや否や、凄まじいスピードでルーアンの元に接近した。
「はぁい♪」
 ほとんど一瞬で近づいた女は、両手を前に出し
「バァイ♪」

 ドガッ!

 言葉と同時に放った衝撃は、モロにルーアンを襲った。
「私は、十二冥帝 気帝 華衣(ケイ)よ。
 以後よろしく♪」
「くそっ!」
 太助は、薫で華衣に襲いかかる。
「遅いわよ♪」
 しかし、華衣はそれをあざ笑うかのように、太助の攻撃を交わし、仲間の元に戻った。
「ったく華衣。お前は、自分の行動を自嘲した方がいい」
「なんで?」
「お前の勝手な行動で俺たちが危なくなるかもしれん。
 そのことを頭に入れとけ」
「はいはい」
「さて…華衣ちゃんも挨拶すましたことだし、私達も!」
 そして再び、声からして男と女が、キリュウとシャオの目の前に迫った。
「万象…」
「来ら…」
 シャオ達もとっさのことながら、攻撃しようと詠唱しようとするが――
「遅い(わよ)!!」
 再び、華衣と同じく、両手を前に出し、男の手元には黒いエネルギー、女の方には白いエネルギーが集まり、即座に射出された。

 ドガガッ!

「シャオ!」
  ルーアン同様、一瞬で後ろの校舎の壁にハマってしまったシャオに、太助が駆け寄る。
 それぞれ、ルーアンには乎一郎。
 キリュウには……なぜか水明が駆け寄っていた。
『き…貴様ぁーー!』
 カッとなったデンと翔子が、男と女に殴りかかる。
「おっと!」
「あらあら」
 二人はまるで子供が駆け寄ってくるのを避けるかのように、二人の攻撃を交わし、再び元の、二人の元に戻った。
「まだまだ甘いなボウズ。
 ま、十二冥帝が魔帝、殺南(セツナ)様にかなわないのは、仕方がないけどな」
「ふふ。あなたも冷やかしはやめなさい♪
 あっそうそう。私は十二冥帝の聖帝で羅雪(ラセツ)っていうの、よろしくね♪」
 と、羅雪は後ろでオロオロしている少女らしき女の子に話しかけた。
「さ、乙冬ちゃんも一発挨拶して」
 言って、羅雪は乙冬の背中を押して、前に押し出した。
「わわっ!」
『…………』
 太助達は彼女がどんな攻撃を仕掛けて来てもいいように、強く身構えた。
「え…えっと…十二冥帝、音帝の乙冬です!よ…よろしくお願いします!」
 言うや否や、乙冬は恥ずかしがって、慌てて華衣の後ろに隠れてしまった。
「…………」
 予想外の反応に戸惑う太助達。
 「じゃ、挨拶も済んだことだし…」
「行くか!」
 それが、戦闘開始の合図だった。

座談会
グ「まず最初に、小説掲載が遅れたことに深くお詫びさせていただきますm(__)m」
烈「何で遅れたんだ?」
グ「だってよ、夏休み最後の3日間は遠征とかで忙しくて、帰ってきても、くたくたでバタンキューだぜ?掲示板覗くだけで」
風「っていうか、8月最初の方でパソ禁喰らってパソコン出来なかったでしょ?」
婁「それにも増して、更新速度が遅かったでしょ?」
グ「………………………ゴメン…………」
烈「まぁ、こいつにもいろいろあったしな」
風「でも、それとこれでは別でしょ?」
婁「まぁ、でもね…」
グ「婁襄には解ってくれるか…!」
烈「どゆこと?」
グ「これから先の話」
風「いつも思うんだけど、あんたってこれからのこと結構ネタバレしてるよね」
グ「ッ!!」
烈「風雪、それ禁句」
風「え?」
婁「作者も本当は思ってたってことね」
グ「それは俺の性格が現れてるな……」
烈「思ってるなら止めればいいじゃん、お客も秘密の方がいいって思ってるかもしれないし」
グ「…………善処します」
婁「宜しい」
グ「じゃあ、次回頑張ってね婁襄」
烈「今言ったばっかじゃねぇか!!」
グ「あっ!」
風「…………ばかばっか」
婁「じゃ、今回はお開き」
グ&烈&風&婁「再来!!」



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